学生時代

Me-ya

青空とうわの空 1

『覚悟しろよ。本気で口説くからな』

そう宣言した通り、治夫は僕への好意を隠さなくなった。

それどころか、前面に出してきて今まで以上に僕に纏わりついてくるようになった。

さすがに教室内など人目がある場所では…僕が学校に行けなくなると泣きついた事もあってか…迫ってこないが、二人きりになると貞操の危機を感じる。

まあ…いくら迫られても、僕が治夫になびく事はないけど。

だって…。

ねえ…?

僕と治夫、二人とも男だよ?

男、二人でどうすんの?

どう考えたって無理でしょ。

「隼人♡」

だ~か~ら~!!

人の名前の後ろにハートマークをつけんなっつーの!!

「………何?」

つっけんどんに返事をする僕。

「明日の休み、デートしようぜ♡」

だ•か•ら!!

語尾にハートマークをつけんなって。

「………嫌だ」

僕は即座に断る。

「いいじゃん。どうせ用事、ないだろ?」

………どうせって何だ、どうせって。

「だから、そういう事を…」

「ん?」

治夫の顔を見て、溜め息を吐く。

「治夫さ~、僕のどこがそんなに好きなの?」

「どこって?」




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