学生時代

Me-ya

バイバイ 13

声と同時に、いきなり後ろから肩を組まれた。

もちろん、こんな事をするのはひとりしかいない。

「………治夫」

「どうしたんだよ、そんな冴えない顔して…あ、さては…振られたな~?」

………笑えない。

今の僕は治夫の冗談に付き合う気分じゃない。

……っていうか、冗談になってないし。

「…………………………」

「………どした?」

何も言わない僕に治夫も真面目な顔になり、僕の顔を覗き込む。

「………何でもない」

今の顔を見られたくない僕は、治夫から顔を背ける。

きっと今、僕は酷い情けない顔をしているだろうから。

だが、そんな僕の気持ちなど治夫にはバレバレだったようで。

治夫はチラリと図書室の中、勉強をしている寧音を見て口を開く。

「…あまり気にしない方がいいよ」

治夫は親指で寧音を指差し、話し始める。

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