学生時代

Me-ya

バイバイ 9

……………何か用事でもできたのかな。

朝、一緒に登校した時は何も言ってなかったけど。

心配で弁当も……………………………。

半分、食べちゃったじゃないか。

待ちきれなくて。

……………LINEもないし。

様子を見に行こうかな。

心配になった僕は、寧音の教室に行く為に半分食べかけの弁当を片付けた。

-前にグラスを訪ねた時と何も変わっていない。

この……寧音のいるクラス-特進クラスだけ、他のクラスと雰囲気が違う。

静かすぎる。

休み時間も……こんなザワついている昼休みでさえ。

廊下側の窓は全部閉めて…まるで外の世界を遮断するように。

だいたい特進クラスって苦手なんだよ。

エリート意識が強くて、近寄りづらい。

もちろん、寧音は別だけど。

……………………………ついでに、治夫も。

ま、アイツは変わっているから。

治夫が教室にいれば、入りやすいんだけど。

そんな事を思いつつ、ソロリと扉を開き恐々、教室内を覗くと案の定、皆、教科書や参考書を片手に弁当やパンを食べている。

鉛筆やシャーペンの音だけが響く教室内。

パンや箸を片手に教科書や参考書から目を離さない。

………スゲーよな。

あれじゃ、味なんか分かんないだろうに。

さすが、特進クラス。

昼休みくらい休めばいいのに。

ていうか、ご飯くらい楽しんで食べようぜって言いたくなる。

……………言わないけど。

寧音もこんなクラスにいたんじゃ、息が詰まっちゃうよ。

だから、僕が寧音を昼休みくらい息抜きさせてあげなきゃ。

そして僕は寧音を捜して教室内を見回す。

……………あ、いた。

寧音だ。

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