学生時代

Me-ya

バイバイ 7

-全校集会の場所である体育館はザワついていた。

友人と喋りながらダラダラと歩く生徒達。

「早く整列しろー」

それを注意する先生達の声。

僕も皆と同じようにダラダラと歩きながら寧音の姿を捜す。

……………お。

いた。

寧音を見付けた。

やっぱり可愛いな~。

寧音に熱い視線を送っていると、僕の熱すぎる視線に気付いたのか、はたまたテレパシーか。

寧音が僕に気付き、ニッコリと笑う。

おお~。

以心伝心。

嬉しくて顔が自然とニマニマしてしまう。

パコン。

「あいた」

「…こら!隼人!キチンと整列しろ」

………先生に紙を丸めた物で頭を叩かれ、怒られてしまった。

叩かれた頭を擦りつつ寧音の方を見ると、治夫が僕を指差し腹を抱えて笑っている姿が見えた。

「センセー、治夫君がバカ笑いしていますー」

僕が訴えた途端。

ピタッと笑いを止めて、キリッとした顔で整列している治夫。

「…何、言ってんだ、お前は」

パコン。

「…いてっ」

(…くっそー、治夫のヤツ…)

治夫の近くで寧音が困ったような顔をしている。

そして-。

言葉を交わす事のできない僕達の逢瀬はアッという間に終わりを告げる。

……………ああ。

今度、寧音と会えるのはいつになるだろう。

僕が休み時間毎に会いに行くか、僕が昼休みに会いに行くか、廊下で擦れ違う偶然を期待するか、僕が放課後一緒に帰る為に迎えに行くか。

……………はぁ~……………。

寧音、勉強で忙しそうだからな………。

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