学生時代

Me-ya

バイバイ 6

「……全く…寧音との貴重な朝の時間を邪魔しやがって………」

「いいじゃん、いつも一緒にいるんだろ?たまには離れて愛を再確認してみれば?俺はその機会を与えてやってんの」

「ふざけんな、そんな事を言っていつも邪魔してんじゃん…あ~、もう!クラスが離れちゃったから朝の登校は寧音と一緒にいる事ができる貴重な時間だったのに、邪魔しやがって~」

「…彼女に何か伝言があれば伝えるけど?俺、同じクラスだし?」

………そうなのだ。

治夫は寧音と同じクラスなのだ。

悔しい事に。

勉強はできるんだよな、治夫って。

普段はバカなのに。

だから今までとは違い、今日からは治夫の方が僕より寧音と一緒にいる時間が長くなるんだよな。

悔しい事に(大切な事なので二度、言いました)。

「………寧音に言いたい事があれば自分で言うからいい」

僕はぷいっと横を向くと、悔し紛れにそう言って校舎まで走った。

後ろで治夫の笑う声が聞こえるが、無視だ無視。

心の中では後ろで笑っている治夫に対して舌を出し中指を立てていたが、振り向かない。

いいもんね。

とりあえず治夫の事は忘れよう。

今日は全校集会の日だ。

寧音に会える。

寧音とクラスが離れてしまった僕にとって、週の始めの全校集会は寧音に会える大切な時間だ。

楽しみな時間でもある。

もちろん、全校集会だから寧音と話ができるわけじゃないけど、寧音の顔が見られるだけで幸せ~。

早く朝礼しないかな~。

「…何、やってんだよ、遅れるぜ」

……あ、いけね………。

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