アブノーマルな親友

夜空星叶

愛しい人

ごめんね、瑠璃。


私、弱虫でヘボなんだ。


瑠璃と一緒にいると、理性が壊れちゃう。


私は、初めて会った時から、瑠璃が大好きだった。


私が普通じゃないと気付いたのは、小学校5年の頃。


瑠璃といない学校なんてつまんない。


瑠璃といなかった一年間、日記を書いた。


瑠璃といない日々が、どれだけ辛いか、どれだけ苦しいか。


私の愛しい人は、私の事なんて気にしていないのだろう。


"瑠璃と一緒にいたい'


最後の1ページに綴った思い。


また、新しく日記帳買わなきゃな。


「あ、日記がない」


カバンの中を探しても出てこない。


どっかでおとしたんだきっと。


瑠璃に見られなきゃいいけど。


***


家の前に落ちてた日記を拾った。


字で誰が書いたのか、文でどれだけ苦しんだのか、悲しんだのかわかった。


ノートには微かに涙が二痔んでいた。


字には苦しみが。


私って何でこんなに、美憂を苦しませるのだろう。


心の中で謝罪した。


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4月5日


今日、瑠璃にカミングアウトした。瑠璃は、明るくしていた。
何でそんな事隠してたのって、1人で辛い思いしてた私に腹立つって言ってくれた。凄く嬉しくて、優しくて、改めて、瑠璃が好きな事が分かった。でも、私がこのまま、瑠璃と一緒にいても、瑠璃の優しさに甘えてしまう。そうなったら、何も変わらなくなってしまう。きっと、瑠璃は、私の事を直ぐに忘れてくれる。


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1番最後のページ


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4月5日


瑠璃といなくなってから、丁度一年。瑠璃と一緒にいたい。


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ごめんね、美憂、あんな短歌履いて、美憂を傷付けて、ほったらかして。でも、美憂の事、一回も忘れた事はないよ。


私は、美憂にメールを送った。


『家の前の公園で待ってる』


1時間しても、2時間しても、美憂は来ない。


美憂なら、絶対に来てくれる。


午後9時、どれだけ待ったのだろう。


お願い、美憂、来て、話がしたいの。


「瑠璃、遅れてごめん」


「・・・美憂、来てくれたんだ」


「うん、バイトで遅くなっちゃったけど」


「バイトやってんの?」


「うん、今日で丁度一年だから、やめた」


「あのさ、美憂」


「ん?何?」


「私も、アブノーマルみたい」


「え?」


「だから、私は、美憂が好き」


「う、そでしょ?」


私は、困惑する美憂にそっとくちづけをした。


「ほら、嘘じゃない」


「本当だ、ねぇ今日何の日か知ってる?」


「何の日?」


「誕生日おめでとう」


「え?」


「指輪、貰ってくれる?」


「一年間バイトして、12ヶ月分の給料で買った」


「こんなん、貰っていいの?」


「もちろん」


「ありがとう」


「私とお揃いだよ?」


「うん、そういえば、何で私と離れたの?」


「瑠璃は、いつまでたっても自分の気持ちに嘘ついてて、私が離れれば、気持ちに気付いてくれるって思ったの、私にもこの指輪買う時間も必要だったから、丁度いいかなって」


「寂しい思いさせてごめんね?美憂」


「それは、こっちの台詞」


「あ、桜が」


「ん?」


「美憂の頭に」


チュッ


「普通今の所は口にでしょ?」


「普通はね?でも、それが私の普通で、私は、アブノーマルだから」


「一本取られた」


桜が舞い散る中、2人は口付けを交わす。


















アブノーマルな親友END



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