え?本気で私、女の子好きになっちゃった!

夜空星叶

嫉妬

「ねぇ、夏美!聞いた⁈」


それは、ひーくんと赤石さんが戻ってくる少し前。


「何を?」


噂と言うものは風のようにすぐに流れる。


「相川さんと赤石さんがイチャイチャしてたんだって。まぁ、そりゃそうよね、あの二人お似合いだし」


うん、誰から見たってあの二人はお似合いだ。


けど、それを何処かで認めたく無い自分がいる。


「そうだね……」


「あ、噂をすれば戻ってきた」


心臓が、胸がすごく痛い。


向こうの方でひーくんの声が聞こえる。


「瞳、赤石さんが可愛いからって手を出しちゃダメでしょ」


「だから、俺何にもやってないって」




「赤石さん、何されたの?」


「言う程の事でも無いですよ〜」


「誤解を招く事言うなって!」


「瞳、照れちゃって」


「照れてねぇよ」


そこで、会話が終わる。


私はずっと窓の外を見る。


空は青くて、雲は白い。風の音が私の胸の痛みを消してくれる。


「夏美」


今、聞きたく無い人の声。


「……」


「夏美」


私の名前呼ばないで


「夏美」


ひーくんが私の手に触れる。


「ねぇ、なんで話してくれないの?」


「ごめん、ひーくん」


ダメだ、このままだと涙が溢れて来る。


私は屋上へ走る。


そこまで涙が持つか分からないけど。




***


「夏美!待って……」


やっぱり、夏美の耳に入ってたんだ。


「相川さんの位置私が貰うから」


そう言って夏美を追っかけたのは立花たちばなりんだ。


俺は知ってる。立花は、俺より夏美の事をよく知ってる。


あいつは、夏美の幼馴染だから。


「…っ!」


俺は机を殴った。











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