異世界最強の守護者は現代世界でも世界最強

月海夜桜

プロローグ〜最初なので短め〜

有機物ゆうきぶつ一つない世界、そこは神界と呼ばれる常人じょうじんなら先ず踏み入れることすら許されない世界。
そんな世界に一人の青年と少女がいた。
青年の身長は170cm前後、白いメッシュの入った黒髪で無駄のない引き締まった身体に人間離れした整った顔立をしている。
少女の身長は160cm前後で、腰まで伸ばされた白髪に豊満ほうまん胸部きょうぶに薄桃色の布を(美術館の女神像の様に)見体に巻き付けただけの格好で、こちらも人間離れした整った顔立ちをしていた。
青年は少女の前で片膝を立て頭を垂れ、少女はそんな青年を面白くなさそうに見ている。

召還しょうかんに応じさんじました。我が主」

青年がそう言うと少女は更に面白くなさそうな顔をして言った。

『私は何かしら?』
「主はありとあらゆる世界の神々の王であり全ての神々の主であられる主神イーリア様でございます」
『そう。では貴方は私の何かしら?』
「我は主神イーリア様の武器であり盾であり守護者でございます」
『そう、なら私の命令は?』
「絶対服従でございます」
『そう。なら命令よ』
「はっ」
『その堅っ苦しい喋り方は辞めなさい。昔の様に私と喋りなさい』
「は、おおせのままに・・・・・で。イーリア。なんで俺を呼んだんだ?」

一瞬にして青年の堅っ苦しい雰囲気と態度が変わった。それはもうガラリと。
少女は嬉しそうに微笑みながら答えた。

『そう、それで良いのよ貴方は』
『それでね貴方を喚んだのは、貴方の元いた世界《地球ちきゅう》?が邪神共に襲われているていう予知夢を見たからよ』
「地球が!?どうしてまた!?」
『どうも前の聖戦の時に逃げおおせた残党ざんとうと邪神がいたみたいなの。それと地球を狙う理由は不明よ』

そう。以前、青年は第七次元世界が邪神に占領されかけておりイーリアの名で邪神の討伐せんめつにでていたのだ。
しかし、あの時は確かに全ての邪神とその配下を討伐した筈だが・・・・・どうしてだ?

『取り敢えず分からないことは沢山あるけど取り敢えず世界イーリアの守護者として言って頂戴。あちらの世界の時間軸的じかんじくてきには貴方が此方の世界に召喚された日になっているから』
「わかった。なら、若返ってた方が良いか」

青年が異世界に(魔王を倒す為に)召喚されたのは17歳の高校2年の夏休み明け開け。異世界に召喚されてから11年で魔王を倒し世界イーリアの守護者に成ってからは死なず老いない身体になった。だから今は28歳の姿の時のままなのだ。
青年の見体が淡く光出すと身長が若返っていき最終的に165cm前後で引き締まった身体に18歳の頃の幼さの残る整った顔立ちの美少年の姿に成った。

「よし。こんなもんか?」
『うむ。良いのではないか?』
『それでは我が主神イーリアの名の元に命ずる。我が守護者よ、地球を邪神共から守護せよ』

少年はバッとその場にひざまずき頭を垂れて「はっ。仰せのままに」と言った。
次の瞬間、その世界神界は光に包まれ光が晴れた時には既に少年の姿も少女の姿も何処にもなかった。それはまるで最初から居なかったように。

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