signal of dead

浪村

第5章 1話 原点へ

2日前に着港したガマダン漁港に到着した。例の如く、魁人船長が船を選び始めた。今回選んだのは、あの戦艦ヤマトにも使われたという「波動エンジンS-F42型」をエンジンに装填した中型クルーザー。ガマダン漁港を発って2時間、流石あの「戦艦ヤマト」にも使われたエンジンと言うだけあり、もう対岸が見えてきた。分かりやすい漁港、分かりやすい漁業用プレハブ舎。間違いない

魁人「烏浜からすはまだ!烏浜漁港が見えたぞ!」

魁人が船内回線に叫んだ

乃亜が船に備え付けられていた望遠鏡を覗き込んで、ある物を見つけた

乃亜「ん?」

魁人「どうした?乃亜」

乃亜「漁港に…何か居る…」

斗哉「『何か』って?」

斗哉が乃亜から望遠鏡を借りて、漁港の船着場を見る。その望遠鏡を通した視界に映ったのは………

斗哉「な、何だありゃ…小さくて、丸くて、まるで…爆弾…」

すると、果萌が双眼鏡をひったくる。そして、その名前を口にした

果萌「…ダンパー」

湊音「え?」

果萌「奴は『ダンパー』っていう種類の非人工的生物よ。中世アフリカで確認されて、その存在が野生動物のいくつかの種を絶滅させる原因にもなったと言われてる。確か、一定程度の刺激を受けると、自らを爆発させて周りを巻き込む…」

乃亜「ば、爆発!?」

魁人「この船にそんな奴が当たったら、ひとたまりもない。みんな、そこに付けられてる救命ボートを使うぞ!」

魁人はそう言うと、操縦室に置いてあった工具箱からバールやレンチを取り出し、舵とエンジンレバーを固定した。船の速度計が示してる数字は時速6.2マイル。日本単位に戻すと、約10キロだ

魁人「奴はまだこっちに気付いてない。早く救命ボートを浮かべて、離れるぞ!」

5人で救命ボートを膨らまし、乗って船から離れた。少し距離を取って、離れた所から様子を伺う
予想通り、ダンパーは船の先端に接触すると、10秒と持たずに爆発した
ズバァーーーン!という爆発音が響く。熱風がこっちにまで伝わってきた
爆風が収まってから漁港に上がった
デッドプリンセスを呼び出す

デッドプリンセス「みんな、無事に日本に着いたの?」

果萌「着いたよ。魁人が言うには、『烏浜漁港』って漁港に…」

デッドプリンセス「『烏浜漁港』………分かったわ。ウェスキンスは『小諸岡こもろおか化学工場』に居る。今から通信機に座標を送るから、座標を頼りに向かってちょうだい。そこから歩いて1時間かからないくらいかしら」

斗哉「分かった。それじゃ、また俺達が近くまで行ったら連絡してくれ」

デッドプリンセス「分かったわ。気をつけてね」

魁人「よし、行くか」

5人で頷いて、『小諸岡化学工場』に向かった

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