signal of dead

浪村

第1章 3話 悪夢が現実に

キャーーー!

ショッピングモールに響き渡る悲鳴

湊音「なんだ!?」

斗哉「悲鳴…だよな?」

魁人「行ってみようぜ」

ヴーヴー…

湊音「ちょっと待って」

俺の携帯のバイブレーションが鳴る。液晶を見ると「緊急事態発生」と、飾られた見出しのニュース通知だった。嫌な予感がした俺は通知をスライドして開く

湊音「…!!」

俺は驚いて液晶に目を走らせる。俺の表情を読み取り、2人が口々に聞いた

斗哉「なんだ?」

魁人「また何か…ニュースか?」

すると、俺が震えた声で答えた

湊音「は、半死体と思われる怪物…東京都にて確認…」

斗哉「はぁ!?」

魁人「じゃ、じゃあさっきの悲鳴ってまさか…」

湊音「その『まさか』かもしれない…よし、敢えて悲鳴の方向に行くのはやめよう。今はとりあえず…」

と、俺が話し始めると館内アナウンスが流れた

館内アナウンス「えー、皆さん。落ち着いて聞き、行動してください。本館1階北口より、正体未確認の半死体と思われる怪物が複数侵入しました。怪物は他の入口からも侵入していると思われ、安全な場所は…」

と、次の瞬間

館内アナウンス「え、ちょっと…キャーーー………ブツッ!」

館内アナウンスは何者かによって遮断された

うわあああーーーーー!

映画館に居た人達が一斉に騒ぎだす。上映中の映画を鑑賞していた人達も慌てて外に出てきて、映画館内は最早パニック状態。と、騒いでいる人混みがワッと2つに割れた。そこに居たのは………

湊音「えっ………」

斗哉「あ、あれって…」

魁人「………ゾンビ?」

湊音「とにかく、避難しよう!こっちだ!」

俺は反射的にトイレに走った。斗哉と魁人が後に続く。車椅子用の、少し広めの個室トイレに入った

魁人「ど、どうする!?」

斗哉「とにかく、どこか安全な所に!」

2人は着いてきただけのようで、我を失ってる。そんな中、俺は至って冷静に考えた。そして、考え抜いた末にこう結論を出した

湊音「…よし、とりあえず身の安全が優先だ。どこか隠れ場所を探そう」

半パニック状態の斗哉と魁人はその考えに頷いて

「隠れる場所…隠れる場所…」

と、考え出した。その末に斗哉が

斗哉「…そうだ!ウーバーは?あの『ホームセンターとサバイバルゲーム専門店が一体化』って広告で有名の!ウーバーなら奥の事務所に隠れる事もできるし、使おうと思えば銃も、たぶん刃物もある。このショッピングモールにも確かあるだろ?」

湊音「あー…」

魁人「いいかもな」

斗哉「ちょっと待てよ…ウーバー…ウーバー…」

斗哉が持っていた館内マップを開いて探し始める

斗哉「あった!『ホーム&サバイバル・ウーバー』!本館4階、453番…って、映画館を出てスグそこだ!行こう」

なんと俺達が今居る映画館はマップ上では「450番」。ウーバーは映画館から通路を反対側に渡った所だった

湊音「よし!行くぞ」

魁人「待って!」

個室トイレを開けて飛び出そうとした俺と斗哉を魁人が引き止めた。2人でピタッと足を止める

斗哉「なんだよ魁人?」

湊音「スグそこにあるんだぞ?」

魁人「分かってる。スグそこだからこそ危ねぇんだよ」

湊音・斗哉「???」

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