エラーコード 転生に失敗しました

みらいお

EC9:リベンジ

俺は一目散に戦士が来た方へと走った


すると
魔煌のコントロールが出来る様になったおかげか
ゴブリンの魔煌を感じ取れた


「ざっと40ってところか…
それにデカイのがいる
ピグ、今行く!」


雑魚ゴブリン40匹程度とボスと思われる他より大きな魔煌を感じた
ピグが初めて俺の魔煌を感じた時も
こんな感じだったのかな?
なんて事を一瞬考えた


林を抜けてすぐ
川の流れている草原に
ピグとゴブリン達がいた


どうやらピグは無事な様だ
木製の剣を構え臨戦体勢のピグ


ゴブリン達をかき分けて
他のゴブリンより二回りも大きなゴブリンが前に出てきた
身長は160センチくらいだろうか


「逃げていったさっきの仲間の様にしてくれるわ」


そういうと金棒のような武器を振りかざした


俺は全力で走った


「ピグーーーーー」


大きなゴブリンは何かを察知したかのように大きく後ろへ飛んだ
そして何故かピグもビクッと驚いていた


どうやらピグを助けようと必死になった途端
魔煌がダダ漏れになってしまったようだった


ピグの前に出る篠崎
ゴブリン達が睨みつけてくる


「親分アイツです
アイツがこの前のヒューマンです」


村を襲おうとしたゴブリンが言った


「ほう、貴様か
面白い」


「ピグ林の方へ
身を隠すんだ」


「い、いやだ!!」


軽く身震いしているピグは答えた
ピグの方を向き
いいから隠れろと言おうとしたその時
いきなりゴブリン親分が攻撃してきた


「おっと危ない」


ゴブリン親分の殺気を察知し
不意打ちを回避する篠崎


「不意打ちか
魔煌を感じられる様になっておいてよかった」


「このやろう…」


「次はこっちから行くぜ」


篠崎は素手で殴りかかった
あまりのスピードにただ殴られるゴブリン親分


「うっ
うっ
うっ
うおっ」


「っしゃ!
どうだこの野郎」


当てた拳に確かな手応えを感じた篠崎
だが…


「…わはっはっは
ざんねんだったな
俺は打撃耐性を習得している
打撃は効かん」


武器を持たない篠崎にとって相性が悪かった


『打撃が効かないのか…
となると斬撃…剣か!』


そう考え、一瞬見えた突破口にピグが構えていた剣を思い出し、ピグの方を見る
しかし、剣は木製だったのだ
木製ではいくら剣でも打撃になってしまう


『くそっ!』


そう思った時
ある事を思い出した
以前ライトピクシー達が手に魔煌を集中させ枝を切断していたのだ


『こんな感じか?』


篠崎の手に魔煌が集中した


『もっと剣をイメージするんだ
剣、剣、剣ー!』


集まった魔煌がみるみる形を変えていく
剣と呼ぶには少し億劫ではあるが
それは紛れもなく剣だった
ゴブリン親分が驚く


「なんだと!?
ヒューマン如きが小癪な」


ゴブリン親分は俺の方へ走ってきた
すると俺の前で大きく飛び
俺を飛び越す
飛び越した先にはピグがいた


「しまった!!!
ピグ、逃げろー!」


「気づくのが遅いわ
阿呆どもが」


その瞬間他のものたち、もちろん篠崎もわかっていなかったのだが
篠崎を中心に謎の空間が生成された
しかし篠崎には空間の中のゴブリン親分が空中で止まったように見えた
今しかない
そう思い、右手の剣を振り抜いた


ドサッドサッ


ゴブリン親分の体が上下で真っ二つになった
身構え、目を瞑っていたピグが
あれ?っと思い目を開ける
頭にクエスチョンマークを出してピグが言った


「これお前がやったのか?」


「あぁ俺がやった」


いつのまにか謎の空間も消えていた


腰を抜かしたままのピグに手を差し伸べる篠崎


「立てるか?」


無言で頷き手を取るピグ


その後ろではゴブリンたちが騒めいていた


「親分がやられた」


「ヒューマンがゴブリンナイトを倒すなんて、そんなはずはない」


ゴブリンたちの方へ歩みを進める篠崎


「まだ戦う意識のあるやつはいるか?
いるなら付き合うぜ」


無言で睨みつけるゴブリン達
篠崎は続けて


「この前のゴブリンはどうした?
かかってこいよ、リベンジなんだろ?」


睨みつけているが
自分たちのリーダーがやられては戦意がないのは火を見るより明らかだった


「もう二度とライトピクシーたちに手を出さないと約束しろ
約束出来るものはここから立ち去るんだ」


すると皆逃げ出すように引き返していった


「ふぅー
なんとかなってよかった」


ピグもうんと頷き聞いてきた


「お前すごいな
この前まで魔煌の存在すら知らなかったのに
今ではコントロールまで」


「この前、手に魔煌を集めて枝を切ってる所を見たからやってみたんだ」


見たからってすぐに出来るものじゃないんだけどな
と思ったがピグは口に出さなかった


「さぁピグ
みんなの所へ戻ろう」


2人が村へと戻っていくのを遥か上空から見てる者がいた


翼に尻尾
そして小さく牙が見え、顔はドラキュラのようだった


「絶対領域を持つヒューマンか
面白い
ふはははは、ふはははははは」


そう言って空の彼方に消えて行った

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