エラーコード 転生に失敗しました

みらいお

EC3:ゲート

【ここが○○ビルだな】

入ろうとした時、扉が開いた。
研究服に金髪にメガネといういかにもな女性が出てきた。

「あなたが篠崎純?」

「はい、電話した篠崎です」

「来てくれてありがとう、私はジュディ、こっちよ」

『ジュディ?外国の人かな?』と思いながら、少し寂れた印象を受ける内装を横目に
気持ち強引めな感じで中へと案内される。

エレベーターで3Fに行き、エレベーターの扉が開く

そこは入り口の寂れた印象など微塵も感じさせない初めて見る装置で溢れた部屋だった。

「フフッ空いた口が塞がらないのかしら?」

どうやら呆気に取られた俺は口が開いていたらしい。

「すごいですね、これがアナザーに行くための装置なんですか?」

「そうよ、異世界への門アナザーゲートよ」

「アナザーゲート…」

「そうだ!重要な事を聞いてなかったわ
あなたバニラよね?」

「え?バニラ?」

「って事はバニラね、よかった!
バニラって言うのはアナザーへ一度も行ったことのない人の事なのよ」

「ハハッ、なーんだ俺はてっきりアイスかなんかの話かと」

「ここでそんな話するわけないでしょ?
アナザーの事は口外禁止だから、専門用語を使えばアナザー経験者かどうか分かるのよ」

「なるほど」

「さて、バニラだってわかったし、時間がないから今回の説明に入るわね
今回のテスターは1週間程度アナザーへ言ってもらうわ
向こうではランダムに発生する低ランクミッションを1個こなしてもらう
それ以外は自由よ
一応説明は以上なんだけど質問あるかしら?
答えられる範囲で答えるわ」

「ミッションは1つのみ、他は自由に過ごせて1週間で帰って来れるってことか」

「そうよ」

「んーなんと言うか何も分からないから何を質問したらいいかが分からないといいますか…」

「まぁ習うより慣れろって事で、そこのカプセルの中に入って
入ったら、あなたの体を元素レベルで分解し、アナザーへ転送、向こうで再構築されるわ
その際のステータスはあなたの身体能力を元に数値化され、ランダムにボーナスが加わるの
またこれもランダムなんだけどその際にスキルを獲得する事もあるわ
説明は以上よ!」

「ちょっと待って、俺は話を聞きにきただけで行くと決めたわけじゃない!」

「お願い!
私たちには時間がないの!だから早く」

オドオドしている俺を強引に装置の中へと押し込むジュディ

「1週間後に帰ってきた時に、もしも私がいなかったらサイトに載ってた番号に1を足して、その番号に電話をして!
…ごめんね!」

そういうとジュディは装置を稼働させた。
電車程度の騒音を響かせ装置が動き出す。

ウィーーーーーーーン
アナザーゲートが稼働します
対象者以外は速やかに離れてください
転送開始まであと10秒

装置のアナウンスが流れる

その時ガチャと部屋のドアが開けられる。
口元まで隠れる黒装束に黒いバンダナ
見えるのは目元だけの男が物凄い勢いで入ってきた

「お前らの計画は遂行させない!
ウオォォォォオ」

その手には刃渡り30センチほどのナイフを持ってジュディに突進してくる。
いや、違う
俺は目掛けて突進してくる。

「やめなさい!」

ジュディの制止も虚しく俺が入っている装置のカプセルが割れる

パリーン

「え!?嘘…だろ?」

腹部に温かい液体が流れている。
左胸に熱い痛みを一瞬感じた気がする

「じゅーーーーん」

泣き叫ぶジュディの声とともにアナウンスが流れる

転送を開始します。

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