異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる

S・R

131話 元太の修行物語4〜新しいステータス〜

「漫才をしてないで早くステータスを確認してくれんか?」
「漫才じゃねぇ!一方的に俺が虐められてんだよ!」

 国王に漫才をするなと言われたので、つい勢いで敬語を使わずにツッコミを入れてしまった。
 しかし、それに全く気にした様子がないので、元太は命拾いした。

「はぁ.......そんじゃ確認するか」
「うん!確認しよっか!」

 そして、2人はステータスを開いた。

才剛 元太
男 16歳 人族
HP1000000
MP580000
筋力930000
防御100000000
俊敏780000

異能
████

固有スキル
成長促進 無敵状態 鉄壁 

魔法
土魔法Lv10

スキル
身体強化Lv10 腕力強化Lv10

称号
異世界人 守護者 

「おー!めっちゃ強くなってる!優真からの加護か?照子はどんな感じだ?」
「私も強くなったよ!」

西野 照子
女 16歳 人族
HP490000
MP∞
筋力320000
防御520000
俊敏840000

異能
強化

固有スキル
成長促進 限界突破 破壊魔法

スキル
身体強化Lv10

称号
異世界人 破壊者

「.......バケモンじゃねえか!いてっ!」

 俺は照子のステータスを見た後、正直な感想を言ったら、殴られてしまった。.......褒めたのに何で殴られたんだ?

「女の子を化け物呼ばわりするとかサイテー!男としてどうかと思うよ!」

 照子の言葉に、周りの人たちは"うんうん"と頷き、その通りだと言いながら元太に、また冷たい視線を向けた。

「ご、ごめん.......」
「よろしい。素直に謝れるところは元太の良いところだよ!」
「お、おう.......ありがとう」

 取り敢えず許してもらえたみたいだ。.......良かった良かった。

「てか異能ってなんだ?」
「さぁ?」

 ステータスに異能の項目が増えていたので、気になって周りにいる貴族や王族にも聞いてみたが、全員知らないようだ。
 まぁ、だいたい予想はつくけど優真からの貰い物だとしたら、あまり使いたくねぇ.......あいつから貰った力とか使った後に何が起こるのか分かったもんじゃねぇよ。

「あと私には『破壊魔法』なんて使えなかったよ?何で増えてるのかな?」
「それは優真の力の一部じゃないか?あいつって一応、破壊を司る神だし」

 優真は色々な神の力を持っている。
 魂の操作、創造、そして破壊や終焉など、強力な力をたくさん持っている。

「なるほどねー」
「てか本当に何の説明もないな.......せめて邪神の力を教えて欲しいぜ」
「敵の情報が無かったら対策とか立てられないもんね」

 優真の神力から生まれた邪神なら、破壊とかの力を持っていると思うけど、実際に見てみないと分からねぇ.......
 俺と照子が、敵の能力について話し合っている時、玉座の間の天井が金色に輝いた。

「なんだ!?」
「何これ眩しいんだけど!」

 玉座の間の天井から、尋常ならざる魔力が溢れ出した。
 そして、そこから金色に輝く四角くて薄っぺらい紙のような物が降ってきた。
 どうやら、俺と照子の所に降ってるみたいだ。

「なんだこれ?」
「キレイ.......」

 俺は眩しくて鬱陶しいが、照子はお気に召したようだ。
 俺と照子の所まで降ってきた後、金色に輝く紙は、さらに光を増して玉座の間全体を覆えるほどの光になった。
 しばらくすると、光が収まったので目を開けてみると、自分の手に日本語で書かれてる手紙があった。
 ただの紙じゃねぇかよ!手紙を寄越すためだけに、あんな魔力を放出してんじゃねぇ!

「取り敢えず中身を見てみるか?」
「うん!何が書いてあるのかなー?」

 手紙の中身を見るのが恐ろしくてたまらない俺とは対照的に、照子はテンションを上げて見る気満々だ。
 そして俺は、手紙の中身を見た。

『やぁ!優真だよ!そっちは元気?俺は嫁たちとイチャイチャしまくって疲れてるぜ!ふっ.......全くモテる男は辛いな』

 ここまで読んで俺は手紙を閉じた。

「なぁ.......」
「なに?」
「この手紙破ろうぜ」
「うん、賛成」

 そして俺は、手紙の両端をもって一気に破いた。
 しかし、破けた手紙は時が巻き戻っているかのように、短時間で復元した。

『ざんねーん!この手紙は、いくら破かれたり魔法で燃やしたりされても復元しまーす!(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ』

 やっぱ、あいつって男相手だと性格が悪くなるな。逆に女には、めちゃくちゃ優しいんだよなぁ.......俺にも優しくして欲しいぜ.......

「ねぇ、気持ち悪いから涙を流すのやめてくんない?」
「お前も俺に対して口が悪いな!」
「まぁ、そんなことは置いといて.......破壊魔法ならいけるんじゃない?」
「置いとくなよ.......まぁ、確かにいけるかもな」

 そこで照子は、破壊魔法を発動しようとしたが、その前に手紙に書いてあった文字が目に入った。

『残念ながら破壊魔法は効きませーん!とまぁ、悪ふざけは、ここまでにして本題に入ろうか』

 かなりイラつく嫌がらせを受けたが、そろそろ本題に入ってくれるようだ。
 何が書いてあるか分からないので、心して聞こう。

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