124話 魔術師ヘンリー②

俺は一気に魔力を解放させた。そして、地球を魔力で覆った後、ナビが優真に触れ、魔力をリンクさせた。
　そして、ナビは魔法名を唱えた。

「探索魔法【サーチ】」

　そして、しばらく経った後、ナビは「見つけました。」と言った。

「何処に居る？」

　俺がヘンリーの居場所を聞いた時、ナビは一呼吸した後、ヘンリーが居る場所を言った。

「ガミール海域に居ます。どうやら、そこにある無人島で、のんびりバカンスでもしているんじゃないですか？」
「確か、ガミール海域ってのは、地図上には無い海域だったよな？何でそんな所に.......」
「恐らく、隠蔽神に頼んで世界の記録から、ガミール海域という場所を隠蔽したのでしょう。」

　隠蔽神とは、その名の通り自分が隠蔽したい事を、世界の記録からでさえも、隠蔽する事が出来る力を持っている髪の事だ。

「隠蔽神の能力.......滅茶苦茶便利すぎね？」
「はい。隠蔽神の能力.......私も欲しいと思っていたので倒した後、奪っておきますね。」
「おう。」

　と、俺は一言だけ短く返事をした。

　まぁ、本当はナビ1人でもヘンリーを倒すことが出来るが、保険で俺も着いてきてるだけだしな。

　ナビは、とある能力を持っている。その能力を使えばヘンリーとの戦闘を一瞬で、決着をつける事が出来るだろう。

「まぁ、この話は後にして、早くヘンリーの所に向かうぞ。」
「分かりました。」

　ナビは一言だけ返事をした。そして、俺達は飛行魔法を使ってガミール海域にある無人島へ向かった。

◇

　10分ほど海の上を飛行していたら、俺達の目の前に、この世のものとは思えないほど美しい海が、視界に広がっていた。

「滅茶苦茶綺麗な海だな。でも、何かおかしいな.......」
「えぇ.......この海域は24時間365日、有り得ないくらい大気は荒れて雷や大粒の雨、吹雪や雹ひょうなどが、いつも降っていますからね。」

　俺は不気味に思って、全方位に魔力を張り、最大限に警戒をした。

「何か、でかい音が聞こえませんか？」
「あ、あぁ.......てか、これ音楽じゃねぇか？」

　目の前にある嵐を払い除けながら、俺達は前に進んでいた。そしたら、木々が生い茂り、真っ白な砂浜が広がっている無人島らしき物を見つけた。そこから音楽が聞こえているのだ。そして、少し進んだ後、男の騒がしい声も聞こえてきた。

「ひゃっふぅーーー！おい！俺と契約した神々共ー！今日は騒げー！」

　海パン一丁の男が砂浜の、ど真ん中で酒瓶を持って騒いでいた。そして、その男に続いて周りにいる神々？らしき者達も騒いでいた。

「だが！その前にやることがあーる！それは俺を倒しに来たあの男と女を倒すことだぁー！」

　男は俺達に指を向けてきた。

「やっぱり俺達が来た事がバレていたみたいだぞ。」
「そのようですね。それにしても何で下界に神が沢山居るのでしょうか。」
「ヘンリーって奴が召喚したんじゃね？まぁ、ほとんど下級と中級、少し上級が混じってるだけだから、大したことは無いだろう。」

　と、俺達が話し込んでいたら、砂浜に居た神々が襲ってきた。

「まぁ、話は後にして、こいつらをぶっ飛ばすか。」
「分かりました。」

　そして俺達は、襲いかかってくる神々の方に目を向けた。