異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる

S・R

112話 攫った理由

「私があなたの両親を攫うことに協力した理由は、始まりの忍びを消滅させる事が目的だったからです。」

 アルベルトが、静香の両親を攫った理由は別にあるようだ。
 そして、アルベルトは静香の両親を攫った本当の理由を話し始めた。

「私が、始まりの忍びを消滅させたい理由は、私の研究に始まりの忍びが邪魔だからです。」
「始まりの忍びが邪魔?それは何故?」

 アルベルトが始まりの忍びを邪魔だと言った後、静香は、その理由をアルベルトに聞いた。

「あの人と私は顔見知りなんですよ。昔、私の研究を邪魔された時に大喧嘩をしてしまいまして.......その影響でとある国が丸々消滅してしまったのです。そして最終的には私が彼を完全に封印する形になったのですが.......封印が解けたら、また大喧嘩してしまいます。」
「えー.......つまり始まりの忍びは、かなりの実力者だから、そんな奴と戦う暇があるなら研究をしたいと.......はぁ.......」

 静香は自分の額に手を平を当てて頭を抱えた。

「えっと.......彼の言っていることは本当なの?」

 と言って、アルテに聞いた。

「んー.......今、記憶を覗いたけど本当みたいだよー!」
「はぁ.......相手の記憶を見る時は、ちゃんと見なさい!」
「いてっ!」

 アルテがアルベルトの記憶をよく見ずに、強力な攻撃を仕掛けた事に怒った静香は、アルテの頭にゲンコツをした。
 そして静香のゲンコツを食らったアルテは「いてて.......」と言いながら、自分の頭を抑える。

「まぁ、あなたに悪意があって、やった訳では無いなら別にいいわ。」
「そう言ってくれると助かります。」

 静香はアルベルトに悪意があった訳では無いと分かって許した。意外と静香の心は広いようだ。
 そしてアルベルトは、そう言ってくれると助かる、と言ってメガネを"クイ"と右手の中指で上げた。

「それと始まりの忍びの封印は解けかけています。」

 と、急にアルベルトは驚きの事実を自分の口から放った。
 そして、それを聞いた静香とアルテは.......

「そういう大事なことは最初に言いなさい!」

 と言って、静香はアルベルトの首を掴み、前後に激しく振った。

「とりあえずぶっ飛ばす?」

 だが、アルテは相変わらず呑気だ。



 そして話は戻る。

「.......という訳なんだー!」

 大体わかるの説明を終えたアルテは「んーっ.......説明疲れたぁー。」と言って、腕を天井に向かって伸ばした。

「始まりの忍びが依代にした相手は、誰だか分かっているかの?」

 とクミホが聞いた。

「あの男が言うには.......」

 そして静香、がクミホの質問に答え、憑依した対象を、ここに居る全員に話した。

コメント

  • S・R

    『ありふれた職業で世界最強』と自分の作品を見比べたら、確かに最初の方は似ていましたね.......これからは気を付けます!

    2
  • ノベルバユーザー305026

    ダンジョンの奥に封印されてる女の子がいて、そこで修行してるうちにくっつくところとか?
    最初の方は似てると思いましたね

    1
  • S・R

    『ありふれた職業で世界最強』は全く意識していないのですが.......どこら辺が似ていますか?

    1
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