異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる

S・R

109話 決着

 ヒデキは左腕の袖を捲った。そこには真っ黒な刻印がビッシリと描かれていた。
 そして左腕に描かれている刻印が紫色に光った瞬間、ヒデキは自分に振り下ろされている大剣に拳をぶつけ「うぉおおお!」と2人は叫んだ。
 その時、世界が黄金と紫色の光に包まれた。



 黄金と紫色の光が消えた時、そこに居たのは右腕を失った元太だった。片腕を失った元太は無くなった方の腕を抑え、肩を大きく揺らして呼吸をしていた。
 そして片腕を失った痛みを我慢しながら元太は言った。

「はぁはぁはぁ.......か、解除。」

 元太がそう口にした瞬間、体に纏っている黄金の鎧と左腕で持っている盾、そして地面に落ちている大剣が黄金の光に戻って霧散した。

「うぉおおお!勝ったぜぇええ!」

 ヒデキに勝利した元太は左腕を上げ、「うぉおおお!」と雄叫びを上げた。
 それを見たクミホは「うるさいのじゃ!」と言って、元太の頭を殴った。

「いってぇな!こんな時くらい喜んでもいいだろ!」
「すまん.......ムカついたから、つい殴ってしまったのじゃ。」
「ついで殴られてたまるか!.......まぁ、いいや。この腕、優真に治してもらえるかな?」

 と言って、無くなった右腕を見た。

「儂でも治せるから治してやるのじゃ。」
「本当か!?」
「うむ。」

 クミホは一言返事をして、元太の無くなった右腕に片手を添えた。
 そしてクミホの手が蒼に光った瞬間、元太の無くなった右腕が、まるで時間が戻っているかのように再生していった。

「お、おぉ.......何か自分の腕が生えてくるのを見るのは気持ち悪いな.......」
「うむ.......何度やっても体が生えてくるのを見るのは慣れないのう.......」

 2人は微妙な空気に包まれた。そして元太とクミホは「コホン」と言って、場の空気を変えようとした。

「それじゃあ、帰るかのう。」
「おう!」

 そしてクミホは「元の場所に転移」と言って最初に場所に転移した。



「儂らが一番乗り.......では無いのう。」
「お前ら早いな。いつ帰ったんだ?」

 元太とクミホが優真の家に帰った時、とある人物達が先に帰っていた。

「僕達は直ぐに終わったよー。あんまり強くなかったなぁ。」
「私達は戦った訳じゃないでしょう?それに、あれは不意打ちだったじゃない。」

 元太とクミホよりも先に早く帰っていたのはアルテと静香だ。
 アルテと静香が戦いに行った相手はアルベルトという天体魔術使いの魔術師だ。このアルベルトという魔術師はかなりの実力者だ。だが、静香は戦っていないと言っている事から敵では無かったのだろう。

「戦ってないって事はアルベルトって奴は敵じゃなかったのか?」

 と元太はアルテに質問した。

「あー.......それは.......説明しにくいわね。」

 と言って、静香は苦笑いしながら頬をかいた。

「それなら僕が説明するよ!」

 と言って、アルテは片手を上げた。

「アルベルトって人は実はね.......」

 そしてアルテは何があったのか説明した。

コメント

  • 詩暖 骸

    いえいえ(*´ω`*)

    1
  • S・R

    (❁´ω`❁)アリガトウゴザイマス

    2
  • 詩暖 骸

    私は結構好きです

    1
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