異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる

S・R

95話 再会

 私は、さっき叔父の家に行っていた。
 何故なら、私は叔父の野望に無理やり付き合わされているからだ。

「このままだと私の体は始まりの忍びの依り代になってしまうわ.......でも、あんな人の言いなりになるのは嫌だ。だから、お父さんとお母さんは、やっぱり私が助ける!」

 私が助ける覚悟を決めた時、父親にとても似ている声が聞こえてきた。

「おーい!静香ー!帰ってきたぞー!」
「あなたったら.......こんな夜遅くに大声出したら周りの人に迷惑でしょ?」
「あ、あぁ.......そうだな。」

 気の所為だと思うが、父と母の声が聞こえたから私は玄関まで行った。だが、そこを見たら私の父と母が本当に居た。

「本物の私のお父さんとお母さんだわね.......」
「ただいま静香。」

 私が惚けた顔でそう言ったら、お母さんがいつもの優しい顔で「ただいま」と言ってくれた。
 どうやら私の決意は意味の無いことだったようだ。

「えっと.......色々聞きたいことがあるんだけど、どうやって叔父から逃げることが出来たの?」
「えーとな.......すまないがそれは言えない。」
「えぇ.......ごめんなさいね?」

 私がどうやって牢から抜け出すことが出来たのか聞いたら、申し訳なさそうな顔して教えられないと言った。
 .......いやそんなことはどうでもいい。お父さんとお母さんが帰ってきてくれたんだ。今は目一杯喜ぶのが娘である私の務めだろう。
 だから私はお父さんとお母さんに向かって走って抱き着いた。

「お父さん…お母さん.......おかえりなさい。」

 私が涙を流しながら「おかえりなさい」と言ったら、お父さんとお母さんはもう一度「ただいま」と言ってくれた。

 そして、それを外から覗いているとある人物が居た。

「ふぅ.......面倒事を回避する為にやった事なんだが、これを見たら改めてやって良かったと思うな。」

 俺がそんな事を言っている間に、静香と目が合った。

「.......もしかしてバレたか?いや、仮面を付けてるからバレるわけない…よな?」

 俺は静香にバレないように仮面を付けていたから結構焦った。俺が助けたとバレたくない理由は特にないが、できればバレたくはない。
 何故なら、あいつは意外と義理堅いから後が面倒なのだ。

「.......まぁいっか!」

 考えるのが面倒になった俺は、とりあえず家に帰ることにした。

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