異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる
55話 長老
長老がいる部屋の中に入った後、実際には数秒しか経っていないが、永遠にも感じるほど長く、優真と長老は睨み合った。
敵意は無いので睨むまでは、いかないかもしれないが、相手を見定めるような目付きでお互い見つめ合った。
別に老人を見つめる趣味なんて無いからな?
などと下らない事を考えている時、先に長老が口を開いた。
「それで、お主が天草優真か?」
「そうだ。」
と、短く返事をした。
どうやって知ったのかは知らないが、やはり名前くらいは知ってるか。
「おい!敬語を使わんか!」
優真の態度が気に入らなかったのか、久野は優真を怒鳴った。
「良い。楽にしていいぞ。」
しかし、長老は気にせず久野を一蹴した。
「それじゃあ遠慮無く。」
楽にして良いとの事で、俺は床にだらしなく胡座をかいた。
「優希も楽にして良いぞ。」
「お前は遠慮がないな…」
と、呆れたように言いながら、優真ほどではないが比較的楽な体勢で座った。
いや、正座は楽な体勢じゃないな.......
「それで何の用だ?」
2人が床に座った後、長老は要件を聞いた。
そして、久野が短く優真を連れて来た経緯を説明した。
「私が妖怪に不意をつかれ、負傷をしたのですが、その時に天草優真に助けられました。そしてその見返りにここに連れてきて欲しいとの事だったので連れてきました。」
「そうか。優希を助けてありがとう。礼を言う。」
と言って、長老は頭を下げてお礼を言った。
そしてそれを見た優希は面白いくらいをオロオロ"して慌てた。
それも仕方の無いことだろう。自分が所属している組織のトップが初めて会った人物に頭を下げているのだから。
「ちょっと用があったからここまで案内してもらった。」
「用とは?」
「俺達にはお前よりも強い奴がいる。だから俺達を討伐対象にしないように直接お願いしに来たんだ。」
と、優真はハッキリと自分の要求を言った。
そして久野は、その要求を聞いて黙っているはずもなく.......
「お前は何を言ってるんだ!?」
と言って、久野は優真に対して怒ったが、長老が久野に黙るよう言った。
久野が会話に入ろうとして何度か長老に一蹴されたが、それでも久野は今、優真が言ったことを無視できなかったようだ。
「確かに最近、儂よりも強い者達がこの世界に来ていたから気になっていたが、そちらから来てくれたのか。」
その言葉に久野は驚いた。
なぜなら長老よりも、優真の方が強いと本人の口から直接聞いたからだ。
「それであんたの目から見て俺はどうだ?」
そして優真は本題に入った。
「儂の目から見て邪悪な者で無いことは分かった。だからお主達が悪さをしなければ討伐対象にしない事を約束しよう。」
その言葉に満足し、優真は立ち上がって口を開いた。
「それだけ聞ければ満足だ。それじゃあ俺達は帰るぞ。」
そう言って優真は背中を向け、部屋から出た。そして久野はそれについて行った。
「.......彼奴なら優希を救ってもらえるかもしれないな。」
長老は1人で小さく呟いていたが、誰の耳にも届かなかった。
ただ1人を除いて.......
◇
優真と久野は祓魔師総本山から転移し、自宅に帰っている途中だ。
「お前は本当に何者なのだ?まさか長老よりも強いとは思わなかったぞ。」
「そんなに驚いたか?」
優真が久野の顎を"クイ"と持ち上げて顔を近づけ言ったら、久野の顔が真っ赤になった。それを見て満足したのか優真はイタズラが成功した子供の様に無邪気な笑顔で笑った。
「また私をからかったな!もう一人で帰る!」
「そうか。気をつけて帰れよ。.......それと何か辛いことがあるなら言えよ。俺が解決してやるから。」
優真が珍しく優しい顔をして久野に言った。そして久野は照れ隠しで急いで自分の家に帰って行った。
「はぁ.......やっぱり俺は甘いな。こんな面倒事に自分から巻き込まれるなんて。まぁ、可愛い子限定だけどな!」
俺は基本的に面倒事に巻き込まれないように行動するが、美少女が困っていたら、たとえ命懸けだとしても手を貸す!
嫁が沢山できても女好きは変わらないようだ。
久野優希
女 16歳 種族 半妖半人
HP230000
MP310000
筋力220000
防御200000
俊敏320000
固有スキル
完全封印(封印中・・・ダイダラボッチ、八岐大蛇)
限界突破 神速 妖怪化
スキル
身体強化Lv10 剣術Lv10 体術Lv10
称号
忌み子 九尾の子 封印者 恋する乙女
「こんなの見たら放っておけないよな.......まぁ最後のは見なかったことにしよう。」
敵意は無いので睨むまでは、いかないかもしれないが、相手を見定めるような目付きでお互い見つめ合った。
別に老人を見つめる趣味なんて無いからな?
などと下らない事を考えている時、先に長老が口を開いた。
「それで、お主が天草優真か?」
「そうだ。」
と、短く返事をした。
どうやって知ったのかは知らないが、やはり名前くらいは知ってるか。
「おい!敬語を使わんか!」
優真の態度が気に入らなかったのか、久野は優真を怒鳴った。
「良い。楽にしていいぞ。」
しかし、長老は気にせず久野を一蹴した。
「それじゃあ遠慮無く。」
楽にして良いとの事で、俺は床にだらしなく胡座をかいた。
「優希も楽にして良いぞ。」
「お前は遠慮がないな…」
と、呆れたように言いながら、優真ほどではないが比較的楽な体勢で座った。
いや、正座は楽な体勢じゃないな.......
「それで何の用だ?」
2人が床に座った後、長老は要件を聞いた。
そして、久野が短く優真を連れて来た経緯を説明した。
「私が妖怪に不意をつかれ、負傷をしたのですが、その時に天草優真に助けられました。そしてその見返りにここに連れてきて欲しいとの事だったので連れてきました。」
「そうか。優希を助けてありがとう。礼を言う。」
と言って、長老は頭を下げてお礼を言った。
そしてそれを見た優希は面白いくらいをオロオロ"して慌てた。
それも仕方の無いことだろう。自分が所属している組織のトップが初めて会った人物に頭を下げているのだから。
「ちょっと用があったからここまで案内してもらった。」
「用とは?」
「俺達にはお前よりも強い奴がいる。だから俺達を討伐対象にしないように直接お願いしに来たんだ。」
と、優真はハッキリと自分の要求を言った。
そして久野は、その要求を聞いて黙っているはずもなく.......
「お前は何を言ってるんだ!?」
と言って、久野は優真に対して怒ったが、長老が久野に黙るよう言った。
久野が会話に入ろうとして何度か長老に一蹴されたが、それでも久野は今、優真が言ったことを無視できなかったようだ。
「確かに最近、儂よりも強い者達がこの世界に来ていたから気になっていたが、そちらから来てくれたのか。」
その言葉に久野は驚いた。
なぜなら長老よりも、優真の方が強いと本人の口から直接聞いたからだ。
「それであんたの目から見て俺はどうだ?」
そして優真は本題に入った。
「儂の目から見て邪悪な者で無いことは分かった。だからお主達が悪さをしなければ討伐対象にしない事を約束しよう。」
その言葉に満足し、優真は立ち上がって口を開いた。
「それだけ聞ければ満足だ。それじゃあ俺達は帰るぞ。」
そう言って優真は背中を向け、部屋から出た。そして久野はそれについて行った。
「.......彼奴なら優希を救ってもらえるかもしれないな。」
長老は1人で小さく呟いていたが、誰の耳にも届かなかった。
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「お前は本当に何者なのだ?まさか長老よりも強いとは思わなかったぞ。」
「そんなに驚いたか?」
優真が久野の顎を"クイ"と持ち上げて顔を近づけ言ったら、久野の顔が真っ赤になった。それを見て満足したのか優真はイタズラが成功した子供の様に無邪気な笑顔で笑った。
「また私をからかったな!もう一人で帰る!」
「そうか。気をつけて帰れよ。.......それと何か辛いことがあるなら言えよ。俺が解決してやるから。」
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「はぁ.......やっぱり俺は甘いな。こんな面倒事に自分から巻き込まれるなんて。まぁ、可愛い子限定だけどな!」
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