異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる

S・R

47話 クラスメイトへの説明

 現在、優真たちはフィーナ王国、王城内の玉座の間にいる。

「久しいな。優真よ。だいたい2ヶ月とちょっとぶりか?」
「だいたいそのくらいだな。」

 優真が敬語を使わずに返事をしたら、貴族が騒ぎ出した。
 俺は面倒なので敬語は使わない主義なのだ。しかし、自分よりも強い相手には気分を害さないように敬語を使っている。まぁ、今の俺よりも強い奴なんて、この世界には居ないだろう。
 優真は殺し屋時代の名残で、自分が生き残るためならば、どんな姑息な手段も使う。

「貴様!敬語くらい使わんか!」
「え?嫌なんだけど。」

 しかし、国王たちは優真よりも権力も力も圧倒的に劣っているので敬語を使わない。

「な、なんだと!」
「良い!それくらい構わぬ。優真、この国を救ってくれたこと感謝する。」

 国王は、騒がしい貴族連中を黙らせた。その後、国王は玉座から降り、さらに優真たちと同じ高さの床まで降りた後、頭を深く下げて感謝の言葉を述べた。

「えっと.......あの魔族達は俺狙いだったらしい。だから気にしないでくれ。」

 いや、そんなに感謝されても困るんだが.......てか、魔王軍が来たの俺たちのせいだしな。
 優真が、魔族が来たのは自分たちのせい、と言ったら予想通り国王が食いついてきた。

「どういう事なんだ?」

 面倒事は出来るだけ避けたいが、国王たちには知る権利があるから、優真は事の顛末てんまつ丁寧に説明した。
 そして優真は魔族たちの狙いの説明を短く分かりやすいように説明した。
 自分たちの王である魔王が殺され、そして、その魔王を殺したのが優真だから自分優真を狙ってきた、と。

「魔王が倒された事は聞いていたが、まさか優真が倒してたとは.......原因が優真ではあるが、魔王を倒してくれた事には変わりない。.......報酬は何が良い?」

 出たよ.......報酬の話.......魔王は別に強くなかったし、苦労もしてないから別にいらないんだけどなぁ.......それに俺たちを自分の国に引き込むつもりだろうし。
 取り敢えず断るか。

「いらない。」
「だが国王としてなにか渡さなければならん。どうだ?貴族になってみるか?」

 優真の答えが予想通りだったのか、国王は少しも表情を変えずに、自分から報酬の提案をした。
 やっぱり勧誘が来たよ.......こういう時は強く断っておくのが1番いいな。

「ふざけんな。そんなものになる訳ないだろ。金でいい。」

 これくらい強く断れば引いてくれるだろ。

『声にほんの少しですが殺気が含まれてましたよ。』
 『まじか.......そういえば久しぶりだな、ナビ。』
『全然話しかけてくれないので出てきました。少しは構ってくださいよ。』
『悪い悪い。これからはもっと話しかけるよ。』

 ナビが少し人間臭くなってるのは気のせいだろうか?.......まぁ、それはそれで嬉しいから良いか。

「う、うむ。分かった。そんなに嫌なのか。それでは白銀貨を100枚やろう。白銀貨100枚を持って来るのだ!それと困ったことがあれば儂に言え。いつでも手を貸してやるぞ。」

 優真は執事服を着てる男から、白銀貨を100枚受け取った。そして「感謝する」と一言だけ言って下がった。

「これで謁見は終わりとする!解散!」

 そして国王への謁見と報酬の受け取りが終わった。



 越権が終わった後、優真はクラスメイト達に今までの事を説明するために少し大きめの部屋に集まった。

「お前らは俺に聞きたいことがあるだろうから俺が今まで何をしていたのか、そしてこの力を手に入れた経緯を説明するぞ。」

 クラスメイトたちは少し雰囲気が変わった優真に驚きながらも全員が強く頷いた。
 そして優真は今までの事を話した。
 クラスメイトを転移させた後、魔族を倒し、すぐ戻らずに迷宮の奥深くに潜れるだけ潜り、ひたすら魔物と戦っていたこと、そして元の世界に帰るために色々な情報をかき集めていた事を.......

「迷宮を出た後は何をしてたの?あとそこの子達とかどこで出会ったの?も、もしかして!ハーレムだったりして.......そ、それは無いわよね!あはは!」

 姫先生が何故か高笑いした。俺のいない間に何があったのだろうか?遂に壊れてしまったか?.......
 そして姫先生に対してミルティアが爆弾発言をし落とした。

「ハーレムで合ってますよ。私たち3人は全員優真のお嫁さんですからね!」

 と言って、ミルティアは優真に抱きついた。
 そして、その言葉を聞いたのと同時に、この部屋の空気が凍りついた。

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