26話 万物神と契約しちゃった

「精霊王、ご苦労さま。あとは楽にしていいよ。」

　と言って、女の子は地面に足をつけた。そして自己紹介を始めた。

「やぁ。こんにちは。僕は君と同じ神族だよ。僕は万物神アルテ。よろしくね。優真君とミーシャさん。」

とアルテは自己紹介をした。

「その前に2つ聞きたいことがある。1つ目はなんの用でここに来た？それとなぜ俺の事を知っている？」
「まずは1つ目の質問の答えを言うね。君がここに来たのは、最上級レベルの精霊と契約するためだよね？だから僕が代わりに契約しようと思ったんだ。僕は肉体を持ってないからね。君と契約したら地上で実体化ができるようになるんだ。それと2つ目の質問の答えだけど…実は僕は君の事を、前の世界にいた頃から、たまに覗かせてもらってたんだ。それで少しずつ興味が湧いて会いに来たんだ！」
「確かに1つ目の契約の話は魅力的だが…2つ目はただの覗き魔じゃねぇか！神が何やってんだよ！仕事しろ！」

　と、優真は変態を見るような目でアルテをじっと見た。

「やめてよ…そんなに見つめられたら僕.......」

　アルテが顔を真っ赤にし、体をクネクネさせていたから、気持ち悪くてつい「あぁ？」と怒気を含んだ声で威圧してしまった。

「はい。すみません。調子に乗りました。」

　そしてアルテは直ぐに土下座して謝った。

「まぁ、いいや。契約してやる。」
「うん！分かった！」

　と言って、アルテは優真の方へ走り、いきなりキスをした。しかも舌を絡ませながらだ。
　そして優真はアルテを剥がして頭を叩いた。

「いてっ！何をするんだ！乙女である僕の頭を叩くなんて…確かに僕はMっ気はあるけど、今はキスの方がしたかったよ！しかもファーストキスだったんだよ！」
「確かにキスでも出来るが他の方法もあっただろ！」
「本当は嬉しいくせに…照れちゃって可愛いなぁー。」

　そしたら先程からその会話を見てるミーシャが怒り始めた。

「ねぇ…何私の優真にキスしてるの？神だからってあまり調子に乗ると…殺すよ？」

　と言って、今まで出した事のないような殺気を辺り一面に振りまいた。それを受けた優真ほ怖くて身震いしてしまった。やはり男は女に勝てないのだろうか.......

「ま、まぁまぁ…落ち着きなって、僕から良い提案があるんだけど聞く？これはミーシャにとってもいい話だとおもうけど。」
「何？…」

　と言って、アルテとミーシャは2人で小さな声で内緒話をしていた。優真は聞こうと思えば何を話しているのか分かるが、優真は紳士なのでそんな事は決してしないのである。

そして5分後…

「優真くーん！話し合いは終わったよ！それで大事な話があるんだけどいいかな？」
「ん？なんだ？」
「ミーシャも一緒に言お！」
「うん。」
「それじゃあ言うよ！」

　そして2人は「せーのっ！」と掛け声を言った後に、声を合わせてとんでもない事を言った。

「「優真(くん)！私達と結婚して！」」
「え？…は！？」

　と言って、優真はとても驚いた表情をし、精霊界全域に聞こえる程の大きな声で叫んだ。