ソシャゲの相棒(♂)は異世界転移したら美少女だった!?

雨夜☆ドリー

〜第三章〜 迎撃戦 城塞都市ザルホザーツ【五】

 城塞都市ザルホザーツの方角から、凄まじい音が聞こえた………様な気がした。
 
 「もうすぐ対峙するわよっ!」
 「了解!左は任せる!僕は右をやる!」

 レインは左側の凶獣マダゴランに向かう。
 「才器、神刀[白百合][黒百合]!最初から飛ばすわよ!朝練の成果見せてあげる!」
 凶獣マダゴランもレインを視認しレイン目掛け突進してくる。

 「二刀流奥義【月華光げっかこう】!」
 レインが朝練で習得した、二刀流スキル【月華光】が凶獣マダゴランを真っ二つにする。
 「ギガガアァァァー………」
 凶獣マダゴランが絶命しレインは中央にいる凶獣マダゴランに向かう。


 右へ向かった僕も一撃で仕留めないと中央に間に合わない事は分かっていた。
 「出し惜しみはしないっ!」
 「才器、妖刀[黑珱こくおう]!」
 僕の才器、黑珱が具現化する。
 「スキル【能力全開オーバーブースト】!」
 【能力全開オーバーブースト】を使い自分にバフを掛ける。
 「くらえッ!【死神の宴グリムリーパーパーティー】!」
 僕の現時点で最高の大技に最高出力の火力で凶獣マダゴランを十六連撃にてほふる。
 「グルグバァァァァァー………」
 右の凶獣マダゴランを倒し中央の凶獣マダゴランに向かう。


 「お待たせレイン」
 「リョウマもやるじゃない!」
 可愛い笑顔を覗かせて僕を褒めるレインに少し照れながら、
 「まぁ、僕も相棒レインに負けていられないからね」
 「じゃあ、ここからが本番ね!頼むわよ相棒リョウマ!」
 「上手く合わせるよ」

 僕らの作戦はこうだ………。
 この世界はゲームみたいで……でも時にはゲーム的では無く………でも、やっぱりこの世界はEtermal I“sエターナル アイズを基盤に出来ている。

 なら…………アレが使えるはず…………EIでの究極奥義…………【合体奥義ユニゾンブレイク】が………。

 【合体奥義ユニゾンブレイク】はギルドメンバー又はフレンド登録している者達しか出来ない奥義だ。
 又、お互いがバラバラに攻撃していても発動はしない。
 お互いが息を合わせ、同時に攻撃をする事で発動する、究極にて最高の技なのだ。
 僕とレインはこの【合体奥義ユニゾンブレイク】でEI時代、数々の難関クエストをこなして来た。

 (………これで終わらせる)

 レインが右から切り込む。
 僕はレインに合わせるように左から切り込む。


 「【合体奥義ユニゾンブレイクロスト·ジ·アーノ】!」

 光属性、闇属性の二属性斬撃。最後の凶獣マダゴランは断末魔を上げ死に絶える。
 「グギギダパアァァァァー…………」


 「お、終わった……ね」
 「お疲れ様リョウマ」
 肩に手を置くレイン……。

 「帰ろうか?」
 「えぇ、向こうは大丈夫かしら?」
 「マーチンさんが無茶してなければ……かな?」
 「あはは 確かに。そうね、あの人が街破壊してそうだもんね」

 僕らはそんな冗談を言い城塞都市ザルホザーツへ帰還の途につく。



 「…………凶獣マダゴランの存在をロストしました。やったよー!お兄ちゃん、レインちゃんがやってくれたよー!」
 城塞都市ザルホザーツの城壁から最大出力で範囲索敵をしていたサクラから皆に報告が上がる。
 「うおおおぉぉぉー!」
 城塞都市ザルホザーツの兵士、ギルド支部員たちから歓喜の声が上がった。

 「ふぅ、何より、何より」
 「マーチンさん老けてるぞ?」
 「ブッフォンくん、何を言う!私はJKだぞ!」
 「時々老けるよなー、マーチンさん」
 「カヴァルくんまで………」
 ショボーンとするマーチンさんを四人で囲んで笑う。


 こうして僕らの最初の高難易度クエストは終了した……。

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