乙ゲーから転生した悪役令嬢は何気に女子高生を満喫しています。
3
「おっはよー!噂で聞いたよ。昨日はーちゃん茗荷谷先輩と帰ったんだって?やるねー。」
前の席から、にやにや顔で笑いかけてくる友人音乃木灯。噂話が大好きな彼女だが、誰がそんなの見ていたのだろう。
「おはよう、帰ってないよ。少ししつこかったけど輝也さん見つけていっしょに帰ったし。」
「やー、可愛い子は放っとかれないのね。このまま儚日ちゃんに彼氏できちゃったら悲しいわー。ねえ鬼丈くん?」
「っはぁ??なんで俺を絡ませてくるんだよ。わけわかんねえし。こいつブスだから絶対できねえよ!」
げっ、よりによって灯が話しかけたのは私の幼馴染の鬼丈楓だ。
…なんでこんな時に。お気づきだろうが彼もまた恋王国の攻略キャラだ。前世の私フローレンスの婚約者、エデン・オルコット。このルートをヒロインが選択することによって、私は婚約をエデンから破棄されることになるのだが(婚約破棄されて家燃やされて殺されるってどんだけ悲惨なのかしら)。
「私にだって彼氏の一人や二人すぐできるよ。失礼ね。」
「いやお前にできたらまじ鼻からスパゲティ食えるから、いやほんとに。」
お前はジャイ〇ンか。
「まーた、照れちゃって。鬼丈くんも素直じゃないのね。」
「うっせー、メガネ女!」
「まーあ、そんなこと言っちゃっていいのかしら?ふーん?」
これみよがしに灯は横長の紙をピラピラさせる。
「なにそれ?」
「父さんから貰った来週の日曜日指定の遊園地のチケットよ。四枚あるの。みんなで行こうと思って。」
うわー、またなんてベタなシチュエーションだ。
「私とはーちゃんと鬼丈くん…はこれからの動向によるとしてあと一枚は宛がないのよね。」
「ふーん、ちょうどいいね。俺も混ぜてくれない?」
そう自然に会話に入ってきたのはこのクラスにいてとてつもなく不自然な人間だ。
「…茗荷谷先輩がなんでいるんですか?」
「やあ猫谷さん。昨日はどうも。寂しかったよ、別の人といっしょに帰っちゃうなんてさ。」
一瞬でクラスがざわつく。ああ、こいつ早く卒業してくれないかな。
「で、いいかな音乃木さん?どうせ余ってるなら、さ。」
「あらまあ、いいですけど。鬼丈くんも来るよね?」
「…行くに決まってんだろ!」
いやいやいや!!
「本当に来るんですか、先輩。私嫌なんですけど。」
「まあまあ、俺の家から車出すし音乃木さんもいいって言ってくれてるしいいじゃんか。」
お得意のにっこりスマイルでやり過ごす。それに異論を唱えるのは私とクラスの男子たちだけだ。
「いやだって…」
私が反論しようとした瞬間、楓が前へ出た。
「俺、一応幼馴染なんで…こいつに変なことしないなら来てもいいっす。てか二人きりになんてさせないっすけど。」
外野からヒューヒューと歓声が沸く。うっせーやいと楓は返しているが言われた当人は余裕の表情だ。
「へーえ、昨日の男以外にも君って番犬がいたんだね。やっぱり隅に置けないな。ますますあいつに会わせたくなるよ。いいよ、別に君に関係ないことだけどいきなり入ったのは俺だしね。」
「まあ、とりあえず私通して集合場所とか決めますから。先輩も私に連絡先教えてください。」
割って灯が入る。面食いにはたまらない連絡先だろうが、逆にそれのおかげで私は先輩と連絡先を交換せずに済んだ。
「はーいはい、これね。じゃあ来週の日曜日だ。楽しみにしてるよ。」
ただただキラキラオーラを振りまくりながら、教室をやつは去っていった。
前の席から、にやにや顔で笑いかけてくる友人音乃木灯。噂話が大好きな彼女だが、誰がそんなの見ていたのだろう。
「おはよう、帰ってないよ。少ししつこかったけど輝也さん見つけていっしょに帰ったし。」
「やー、可愛い子は放っとかれないのね。このまま儚日ちゃんに彼氏できちゃったら悲しいわー。ねえ鬼丈くん?」
「っはぁ??なんで俺を絡ませてくるんだよ。わけわかんねえし。こいつブスだから絶対できねえよ!」
げっ、よりによって灯が話しかけたのは私の幼馴染の鬼丈楓だ。
…なんでこんな時に。お気づきだろうが彼もまた恋王国の攻略キャラだ。前世の私フローレンスの婚約者、エデン・オルコット。このルートをヒロインが選択することによって、私は婚約をエデンから破棄されることになるのだが(婚約破棄されて家燃やされて殺されるってどんだけ悲惨なのかしら)。
「私にだって彼氏の一人や二人すぐできるよ。失礼ね。」
「いやお前にできたらまじ鼻からスパゲティ食えるから、いやほんとに。」
お前はジャイ〇ンか。
「まーた、照れちゃって。鬼丈くんも素直じゃないのね。」
「うっせー、メガネ女!」
「まーあ、そんなこと言っちゃっていいのかしら?ふーん?」
これみよがしに灯は横長の紙をピラピラさせる。
「なにそれ?」
「父さんから貰った来週の日曜日指定の遊園地のチケットよ。四枚あるの。みんなで行こうと思って。」
うわー、またなんてベタなシチュエーションだ。
「私とはーちゃんと鬼丈くん…はこれからの動向によるとしてあと一枚は宛がないのよね。」
「ふーん、ちょうどいいね。俺も混ぜてくれない?」
そう自然に会話に入ってきたのはこのクラスにいてとてつもなく不自然な人間だ。
「…茗荷谷先輩がなんでいるんですか?」
「やあ猫谷さん。昨日はどうも。寂しかったよ、別の人といっしょに帰っちゃうなんてさ。」
一瞬でクラスがざわつく。ああ、こいつ早く卒業してくれないかな。
「で、いいかな音乃木さん?どうせ余ってるなら、さ。」
「あらまあ、いいですけど。鬼丈くんも来るよね?」
「…行くに決まってんだろ!」
いやいやいや!!
「本当に来るんですか、先輩。私嫌なんですけど。」
「まあまあ、俺の家から車出すし音乃木さんもいいって言ってくれてるしいいじゃんか。」
お得意のにっこりスマイルでやり過ごす。それに異論を唱えるのは私とクラスの男子たちだけだ。
「いやだって…」
私が反論しようとした瞬間、楓が前へ出た。
「俺、一応幼馴染なんで…こいつに変なことしないなら来てもいいっす。てか二人きりになんてさせないっすけど。」
外野からヒューヒューと歓声が沸く。うっせーやいと楓は返しているが言われた当人は余裕の表情だ。
「へーえ、昨日の男以外にも君って番犬がいたんだね。やっぱり隅に置けないな。ますますあいつに会わせたくなるよ。いいよ、別に君に関係ないことだけどいきなり入ったのは俺だしね。」
「まあ、とりあえず私通して集合場所とか決めますから。先輩も私に連絡先教えてください。」
割って灯が入る。面食いにはたまらない連絡先だろうが、逆にそれのおかげで私は先輩と連絡先を交換せずに済んだ。
「はーいはい、これね。じゃあ来週の日曜日だ。楽しみにしてるよ。」
ただただキラキラオーラを振りまくりながら、教室をやつは去っていった。
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