転生凡人は天才悪役令嬢を幸せにしたい

かごめ@

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あーーー、もう嫌だ。頭がショートしそうだ。やっぱりどこからどう見ても悪役令嬢ルージュだったよな?
私は目を閉じて前世の記憶を思い出した。彼女と、めぐちゃんとやったゲーム、その中にいたキャラクター
才能に満ち溢れていて、魔法も勉強もでき、外見はさながら夜の姫と表されるほどの美少女で心優しい、そして、大公のご令嬢。そう、私の大好きな天才という人種。この話だけ聞くと権力も強く人望も厚いルージュが悪役令嬢になる理由が分からないだろう。けど、彼女は幼馴染であるこの国の王子へ恋をしていた。そして、その王子への愛ゆえに王子や、王子の周りにいる者たちに近く平民である主人公に嫌がらせをしてしまう。だが、本来その程度だったらルージュの権力で握り潰せそうだがそうはいかなかった。主人公は世界的に珍しい〔時間属性〕の紋章を持っており、国の財産とされていた。それゆえにルージュは国の財産に手を出した国賊として処刑されてしまう。というのが大まかなストーリーだ。
まぁ、ルージュが悪いんだよね。だって誰が誰を好きになろうと勝手じゃない?なのに嫌がらせしてさ、自己中心的だよ。でも、昨日ルージュと出会った事でここがゲームの世界だと分かった。なら話は早い、このゲームは一通りやった、ならこの先はなんとかやっていけるし、勉強も問題ないだろう。主人公がどうなろうが、ヒロインがどうなろうが知った事ではない。
私はそう考えながらベッドへ飛び込んだ。
しかし、ルージュか。彼女も愛に狂うまではめぐちゃんみたいな感じだったんだよな。
そう思いはじめると気になって仕方がなくなってしまった。
『本当にルージュが悪かったのかな?』とか、『どういう子なんだろう』とか、そんな事ばかりを考えてしまう。しかもそれに加えてめぐちゃんの事も思い出してしまう、私が幸せにしたかった人、私が一番大切にしていた人、そして、私が悲しませてしまった人。きっとトラウマが残っているんじゃないかと思う。
そうして私はモヤモヤと思考の海に沈んでしまった。
「あーーーーー、もう!」
私はついつい叫んでしまった。だって私はもともと頭が良くない、すぐにショートしてしまう。ならば考えていても仕方がない。元凶にあってみようではないか。そう、私は決意した。多分、会えるのは学院でだろう。ゲームはスタートしているが致し方ない。では、そうと決まれば明日から学院に備えて勉強しよう!私はそう考えていた。
しかし、案外早く会う事になる。私はまだそれを知らなかった。











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