アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜
202 アップ
「おいまだ起きてこないのか!」
「まあまあ。彼も昨日の夜遅くまでずっと準備してたから、あと少しだけ眠らせてあげて?」
「だが約束の時間まであと3時間だぞ!? アップしとかなくていいのかあいつ! こうなったら私が起こしに・・・じゃなくて永遠の眠りに──」
「それって逆じゃないカミラ?」
「なんかリアムくんがいた頃とあんまり変わんないね」
「こんにちはみなさん。本日は私も臨時のメンバーとしてですが、参加させていただきありがとうございます」
「あらら・・・もう助っ人さん。来ちゃったわね」
「はぁ・・・これは流石に」
「リーダーを意地でも叩き起こさなきゃな」
「わ、わかったわよ! もう起こしてくるから!」
決闘当日午前9時。約束の場所で先に待つ彼らの朝はとても日常的だった。
「おーっしみんな集まったぞリアム」
一方、ダンジョンの入り口にて。
「うん遅刻者なし。みんなちゃんと言いつけは守ったよね?」
「そりゃあもちろん・・・」
「リアムの言うことだし・・・」
「というかどっかで見られてるんじゃないかって気が気じゃなかった」
みんな、言いつけ通り予定外の特訓はしていないようだ。
「それにしても・・・」
が──
「ん? なんだ後ろに曲者でもいるのか?」
と、リアムにジトッと睨まれて態とらしく後ろを振り返る人物が一人。
「あら曲者? どこどこ?」
いや2人。曲者はあんたたちだよ・・・あんたたち!
「着いてくる気ですか?」
「面白・・・ミリアの保護者として、決着を見届けねば」
「仕事は?」
「留守はじゃんけんで負けたパトリックにお願いしてきました」
返事するあたり誰のことを見ていたのかやっぱりわかってるじゃないですかあなた方。
「これからダンジョンに入ったら、アップがてらにエリアDまで身体強化して走っていこうと思っていたんですけど・・・」
「えっ」
リアムの発言に、なにそれ聞いてないって顔をしているメンバーたち。だがそれもそうだろう。だって言ってなかったし。
「なめるな。これでも私はこの国の公爵。歳は食っても多少は動ける」
「私も貴族ですから。魔力は普段から余っているくらいなので大丈夫です」
しかしそれに怯まない曲者2人。このくらいの気概を、他のメンバーたちにも持って欲しいものだ。
「はぁ・・・途中脱落しても遅れちゃうので止まりませんよ」
「だから何度も言わせるな! それ以上私を愚弄すれば・・・」
「リアムくんはただ私たちを心配してくれているだけですよあなた」
結局、最終警告にも全く動じなかったブラームスとマリア。途中でバテたら・・・まあゲートで先にでも送ってしまえばいいだろう。
・
・
・
「──来たか」
建物の面で、剣の素振りをしていたカミラが近くの魔力が歪んだことに気づく。
「──タタッ! あの小僧こんな送りかッフ!」
「キャッ! あららごめんあそばせあなた」
しかし──
「なんであんたたちがゲートから出てくるんだ・・・」
「はぁはぁ・・・あと少しだったんだが」
「フフフ。やっぱり執務ばっかりだと魔力はあれだけど体力がダメね・・・今度領主主催のマラソン大会でも企画しましょうか?」
空中に空いた穴から落ちてきたのは、息を切らしてぐったりしているブラームスとマリアだった。
「あらカミラ。御機嫌よう」
「ああマリア様。御機嫌よう・・・」
「・・・?」
「・・・?」
「やあカミラ。御機嫌よう」
「ああ・・・ってうるせぇジジィ! なんであんたたちがゲートから出てきたんだッて聞いてんだよ!」
質問に答えない2人に声を荒らげるカミラ。
「カミラなんの騒ぎ?」
「なにかあったのかい?」
「リアムちゃんたちが来たんじゃないの?」
すると──
「みんな御機嫌よう。どう? 準備の方は万端?」
「なんでブラームス様とマリア様がここに?」
「護衛もなしになんで〜?」
「こんにちは。はい。バッチリですよマリア様」
リゲスとアイナは建物の裏側から、建物の中からはエドガーが出てきて、ゲートでやってきた2人と顔を合わせる。
「私たち、今日は見学に来たのよ」
「ああ。今日ばかりはコンテストの映像にも映らん。だったら肉眼で見るまで」
「そうだったんですか・・・」
「あまり見世物にするようなあれじゃあないけど」
「あなた方になら、見届けてもらってもいいかもしれませんね」
見届ける。それはとても重大な役目を任されたものだ。
「しかしあいつら・・・まさか来ない気じゃないよな」
ゲートの先から出てきたのはこの2人だけ。既にゲートは閉じている。まさかと思ったカミラが──
「それなら心配いらん。言っただろ。今日私らがきたのは見学だ。あいつらは来る」
「そうね。私たちがバテたのがエリアCの森の中だったから・・・」
「そろそろ──」
次の瞬間──!
「──ッ!」
「こんにちはカミラさん。それにエドガーさんにリゲスさん・・・母さん。色々と、聞きたいことは山ほどありますが・・・」
後。気を抜いていたとはいえ、カミラが一瞬反応に遅れるスピード。
「一先ず。準備は万端です」
そこには、とても複雑で難しそうな表情をしたリアムと──
「・・・いい心がけだ」
カミラの口角がニヤリと上がる。そしてその後ろには、少し息を切らしながらも、自信満々といった表情をした他のアリアのメンバーたちがいた。
「まあまあ。彼も昨日の夜遅くまでずっと準備してたから、あと少しだけ眠らせてあげて?」
「だが約束の時間まであと3時間だぞ!? アップしとかなくていいのかあいつ! こうなったら私が起こしに・・・じゃなくて永遠の眠りに──」
「それって逆じゃないカミラ?」
「なんかリアムくんがいた頃とあんまり変わんないね」
「こんにちはみなさん。本日は私も臨時のメンバーとしてですが、参加させていただきありがとうございます」
「あらら・・・もう助っ人さん。来ちゃったわね」
「はぁ・・・これは流石に」
「リーダーを意地でも叩き起こさなきゃな」
「わ、わかったわよ! もう起こしてくるから!」
決闘当日午前9時。約束の場所で先に待つ彼らの朝はとても日常的だった。
「おーっしみんな集まったぞリアム」
一方、ダンジョンの入り口にて。
「うん遅刻者なし。みんなちゃんと言いつけは守ったよね?」
「そりゃあもちろん・・・」
「リアムの言うことだし・・・」
「というかどっかで見られてるんじゃないかって気が気じゃなかった」
みんな、言いつけ通り予定外の特訓はしていないようだ。
「それにしても・・・」
が──
「ん? なんだ後ろに曲者でもいるのか?」
と、リアムにジトッと睨まれて態とらしく後ろを振り返る人物が一人。
「あら曲者? どこどこ?」
いや2人。曲者はあんたたちだよ・・・あんたたち!
「着いてくる気ですか?」
「面白・・・ミリアの保護者として、決着を見届けねば」
「仕事は?」
「留守はじゃんけんで負けたパトリックにお願いしてきました」
返事するあたり誰のことを見ていたのかやっぱりわかってるじゃないですかあなた方。
「これからダンジョンに入ったら、アップがてらにエリアDまで身体強化して走っていこうと思っていたんですけど・・・」
「えっ」
リアムの発言に、なにそれ聞いてないって顔をしているメンバーたち。だがそれもそうだろう。だって言ってなかったし。
「なめるな。これでも私はこの国の公爵。歳は食っても多少は動ける」
「私も貴族ですから。魔力は普段から余っているくらいなので大丈夫です」
しかしそれに怯まない曲者2人。このくらいの気概を、他のメンバーたちにも持って欲しいものだ。
「はぁ・・・途中脱落しても遅れちゃうので止まりませんよ」
「だから何度も言わせるな! それ以上私を愚弄すれば・・・」
「リアムくんはただ私たちを心配してくれているだけですよあなた」
結局、最終警告にも全く動じなかったブラームスとマリア。途中でバテたら・・・まあゲートで先にでも送ってしまえばいいだろう。
・
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「──来たか」
建物の面で、剣の素振りをしていたカミラが近くの魔力が歪んだことに気づく。
「──タタッ! あの小僧こんな送りかッフ!」
「キャッ! あららごめんあそばせあなた」
しかし──
「なんであんたたちがゲートから出てくるんだ・・・」
「はぁはぁ・・・あと少しだったんだが」
「フフフ。やっぱり執務ばっかりだと魔力はあれだけど体力がダメね・・・今度領主主催のマラソン大会でも企画しましょうか?」
空中に空いた穴から落ちてきたのは、息を切らしてぐったりしているブラームスとマリアだった。
「あらカミラ。御機嫌よう」
「ああマリア様。御機嫌よう・・・」
「・・・?」
「・・・?」
「やあカミラ。御機嫌よう」
「ああ・・・ってうるせぇジジィ! なんであんたたちがゲートから出てきたんだッて聞いてんだよ!」
質問に答えない2人に声を荒らげるカミラ。
「カミラなんの騒ぎ?」
「なにかあったのかい?」
「リアムちゃんたちが来たんじゃないの?」
すると──
「みんな御機嫌よう。どう? 準備の方は万端?」
「なんでブラームス様とマリア様がここに?」
「護衛もなしになんで〜?」
「こんにちは。はい。バッチリですよマリア様」
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「私たち、今日は見学に来たのよ」
「ああ。今日ばかりはコンテストの映像にも映らん。だったら肉眼で見るまで」
「そうだったんですか・・・」
「あまり見世物にするようなあれじゃあないけど」
「あなた方になら、見届けてもらってもいいかもしれませんね」
見届ける。それはとても重大な役目を任されたものだ。
「しかしあいつら・・・まさか来ない気じゃないよな」
ゲートの先から出てきたのはこの2人だけ。既にゲートは閉じている。まさかと思ったカミラが──
「それなら心配いらん。言っただろ。今日私らがきたのは見学だ。あいつらは来る」
「そうね。私たちがバテたのがエリアCの森の中だったから・・・」
「そろそろ──」
次の瞬間──!
「──ッ!」
「こんにちはカミラさん。それにエドガーさんにリゲスさん・・・母さん。色々と、聞きたいことは山ほどありますが・・・」
後。気を抜いていたとはいえ、カミラが一瞬反応に遅れるスピード。
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そこには、とても複雑で難しそうな表情をしたリアムと──
「・・・いい心がけだ」
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