アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜
162 乗っ取り
「ぎゃーまた映像が消えた!」
「もうやだ。・・・寝る」
「イツカ!?」
舞台裏で、またしても途切れてしまった映像が途切れてしまったモニターを前にイツカがふて寝する。
「へぇー。これは面白いものが観れた。まさか干渉されるとは」
一方、今尚戦いの様子が映されている魔道具を前に──
「観客に見せらるのはここまでだね」
これまでの映像のアングルや音声をいじっていた黒幕が、ポツリと一言呟いて部屋を後にする。
「不服。マスターがもう起きてしまわれたようです。これは予想外にはや──」
そして、ここはイデアと仮面の対峙する川辺。
「い・・・」
ついの今まで緑の光を木の根のように張り巡らせ、水面の上に浮かんでいた体は──
「ごぼ・・・ごぼ!?」
ボチャンと、浮遊する力を失ったのか顔面から川にダイブする。
「はぁ・・はぁ・・・」
すると──
「ここは・・・」
息を切らした後に、まるで状況が飲み込めていないようにあたりをキョロキョロとするイデア。そして──
「ん?」
イデア? は──
「ぎゃームスコが!」
自分のいつも股に感じている男にとって大事なものがないことに──
「・・・ある?」
いや、あった。しかし次の瞬間──!
「マスター。どうかなされたのですか?」
「あれ? どこここ」
「そこは私がいつもマスターを覗いてる・・・ゲフンゲフン」
大切なソレが一瞬なかったように感じたことに戸惑っていたところ、リアムの視点は黒いワイプによって一気に狭まり、まるで映画を見ている時のようなものへと置き換わる。
「また、入れ替わってしまったようです」
「え?」
頭と耳、両方に響いてくるように聞こえてくるイデアの声。
「なにそれ! てことは今僕の体はイデアが動かしてるの!?
「はい。イデアは憑依乗っ取りを覚えた。マスターの存在価値が0以下になった」
「いや笑えないから! 今すぐ元に戻してよ!」
「えー・・・」
「えー・・・じゃない! ほら直ぐに!」
「しょうがないマスターですね」
それから、イデアに状況を聞いたリアムはちょっとしたじゃれ合いを挟んだのちに、直ぐにまた自分の体へと戻る。
「はっ。戻った!」
「ビー!イデアの思考を狂わせる謎のウイルスが発生。このままではまた、マスターの体を乗っと・・・」
「はいはい。今度から勝手な乗り移りは禁止。あらかじめ禁止すれば君は勝手はしないんだろ?」
イデアのおふざけに、いつものように淡々とツッコミを入れていく。
「いずれマスターの体を・・・」
「いややめてね! 絶対!」
「チッ・・・でございます」
「全然お上品じゃない」
リアムの釘刺しにふてくされるイデア。
「さてと・・・」
また、体が乗っ取られたという客観的に見ればいろんな意味で非常にヤバイことがリアムに起きていたのだが──
「ふふふ。やはりその力、間違い無いようですね」
目の前にいるのは、もっとヤバイ脅威の存在。
「合格です! 素晴らしい。是非その調子であなた方には悪に打ち勝っていただきたい!」
そして記憶の中では、突然襲ってきた挙句に両腕を消失させ、自分を殺そうとしていた存在。それが今は嬉しそうに目の前で笑っている。
「そして1日でも早く記憶を取り戻されることを、切に願っております」
記憶?なんのことだろうか。そして激励・・・自分を激励しているのだろうか?・・・なぜ。
『あなた方は我が未来の主人。あるいは──』
そして──
「ごきげんよう」
ドミナティオスはそう言い残すと、いつの間にかどこかへと姿を消していた。また、彼が消えた一点へと景色が一気に収束し、崩壊する。同時に、リアムはいつの間にかリヴァイブの門がある生還の間に立っていた。
「もうやだ。・・・寝る」
「イツカ!?」
舞台裏で、またしても途切れてしまった映像が途切れてしまったモニターを前にイツカがふて寝する。
「へぇー。これは面白いものが観れた。まさか干渉されるとは」
一方、今尚戦いの様子が映されている魔道具を前に──
「観客に見せらるのはここまでだね」
これまでの映像のアングルや音声をいじっていた黒幕が、ポツリと一言呟いて部屋を後にする。
「不服。マスターがもう起きてしまわれたようです。これは予想外にはや──」
そして、ここはイデアと仮面の対峙する川辺。
「い・・・」
ついの今まで緑の光を木の根のように張り巡らせ、水面の上に浮かんでいた体は──
「ごぼ・・・ごぼ!?」
ボチャンと、浮遊する力を失ったのか顔面から川にダイブする。
「はぁ・・はぁ・・・」
すると──
「ここは・・・」
息を切らした後に、まるで状況が飲み込めていないようにあたりをキョロキョロとするイデア。そして──
「ん?」
イデア? は──
「ぎゃームスコが!」
自分のいつも股に感じている男にとって大事なものがないことに──
「・・・ある?」
いや、あった。しかし次の瞬間──!
「マスター。どうかなされたのですか?」
「あれ? どこここ」
「そこは私がいつもマスターを覗いてる・・・ゲフンゲフン」
大切なソレが一瞬なかったように感じたことに戸惑っていたところ、リアムの視点は黒いワイプによって一気に狭まり、まるで映画を見ている時のようなものへと置き換わる。
「また、入れ替わってしまったようです」
「え?」
頭と耳、両方に響いてくるように聞こえてくるイデアの声。
「なにそれ! てことは今僕の体はイデアが動かしてるの!?
「はい。イデアは憑依乗っ取りを覚えた。マスターの存在価値が0以下になった」
「いや笑えないから! 今すぐ元に戻してよ!」
「えー・・・」
「えー・・・じゃない! ほら直ぐに!」
「しょうがないマスターですね」
それから、イデアに状況を聞いたリアムはちょっとしたじゃれ合いを挟んだのちに、直ぐにまた自分の体へと戻る。
「はっ。戻った!」
「ビー!イデアの思考を狂わせる謎のウイルスが発生。このままではまた、マスターの体を乗っと・・・」
「はいはい。今度から勝手な乗り移りは禁止。あらかじめ禁止すれば君は勝手はしないんだろ?」
イデアのおふざけに、いつものように淡々とツッコミを入れていく。
「いずれマスターの体を・・・」
「いややめてね! 絶対!」
「チッ・・・でございます」
「全然お上品じゃない」
リアムの釘刺しにふてくされるイデア。
「さてと・・・」
また、体が乗っ取られたという客観的に見ればいろんな意味で非常にヤバイことがリアムに起きていたのだが──
「ふふふ。やはりその力、間違い無いようですね」
目の前にいるのは、もっとヤバイ脅威の存在。
「合格です! 素晴らしい。是非その調子であなた方には悪に打ち勝っていただきたい!」
そして記憶の中では、突然襲ってきた挙句に両腕を消失させ、自分を殺そうとしていた存在。それが今は嬉しそうに目の前で笑っている。
「そして1日でも早く記憶を取り戻されることを、切に願っております」
記憶?なんのことだろうか。そして激励・・・自分を激励しているのだろうか?・・・なぜ。
『あなた方は我が未来の主人。あるいは──』
そして──
「ごきげんよう」
ドミナティオスはそう言い残すと、いつの間にかどこかへと姿を消していた。また、彼が消えた一点へと景色が一気に収束し、崩壊する。同時に、リアムはいつの間にかリヴァイブの門がある生還の間に立っていた。
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