圧縮スキルの吸収譚〜固めて吸って世界最強〜

ツキウサギ

0話 プロローグ

とある森で赤い竜──赤竜──と対峙する1つの人影があった。
この世界の人物で竜と出逢って怯えずに立っているものなどそうそういないだろう。
その人影が、スキルに必要な宣言をする。

「『圧縮』!」

─スキル:《竜の息吹ドラゴンブレス》を獲得しました。
─スキル:《飛行》を獲得しました。
─スキル:《威圧:極》を獲得しました。
─同じスキルの複数獲得を確認、《威圧:極》を《威圧:獄》に昇華しました。

男がスキルの宣言をした瞬間、赤竜は消えた。
男が一体何をしたのか、分かる者は少ないだろう。
なぜなら、男が発動した《圧縮》スキルは、珍しいだけで強さは最弱・・と言われているからだ。

「もっと…強く!アイツらを見返してやる!」

そう言いながら、男は森の深くへ歩んでいく──

===============

「行ってくるよ…父さん、母さん」

仏壇にそう言い、俺──重名じゅうな 力斗りきと──は立ち上がる。
今日は高校生活の初日だ。
この日にどれだけ交流を深めるかによって、今後の高校生活が変わるだろう。

「引っ越したから誰も知り合いが居ないんだよな…これじゃあ交流を深めるどころじゃないな」

ため息をつきながら呟く。
そして、学校に到着し、教室へ入る。

「ここか…」

席に着き、辺りを見渡す。
どうやら交流はもう出来上がっているようだ。

「不干渉を貫くしかないか…」

これからの学校生活に憂鬱になっている間に、時間がきた。

ガラガラ
「はーい、皆さん。出席を取りますよ〜」

どうやらあのほんわかしたのが担任らしい。
担任が出席を取るために出席簿を開いたそのとき──

──教室がカッと光った。

「なっ!!」

悲鳴をあげようとした奴らが居たが、その声すら掻き消す、こえが聞こえた。

─おやおや、もうこの時期か

─祝福しよう、ヒトの子よ

─汝らが持ちし才覚はバラバラ、そして全てを上回るのだ

こえが聞こえた直後、俺は意識を失った。


~???side~

こえが明瞭に響く。

─ほほう、1人だけ面白い子が居るね

─皆が才覚を持つ中、カレ・・は何をして、何を思うのか

─まったく、これだからヒトの子はおもしろい

─カレの行く先に何が待ち、そして何が起こるのか

─気長に見せてもらおうじゃないか

─いずれ『ボクタチ』を越えると信じて、ね






【雑談】
新作!更☆新

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