詩花 想・信・続・道

葵冬弥

詩花 想・信・続・道

触れそうで

触れられない距離

近いようで

すごく遠く感じる

一緒に歩いてるのに

別々の道を歩いてるみたいで

揃って見上げる空も

違って見えるのかもしれない

ただ

隣にいるだけ

一緒に歩いてるだけ

埋めても良いのかな

この距離を

触れても良いのかな

その手に

ねぇ

そう問いかけたくて

口を開いては閉じて

パクパクと

してるだけで

言葉まで

失われたのかもしれない

あなたはどうなんだろう

あなたはどうしたいんだろう

あなたは



そもそも



私の事――……


そう想った時


私の道は途切れた







突然消えた

あれ

と思う間もなく

瞬間

刹那

そういったものを何も感じないくらいに

突然

消えた

いなくなった

無くなった

何があったのか

誰がいたのか

直ぐには思い出せないくらい

あれ

どうして

なんで

隣にいるって

いてくれるって

一緒に歩いてくれるって

言ってたはずなのに

振り返っても

見回しても

君の痕跡などどこにもなく

君の残り香すら感じず

心が

足元から

どこかに落ちていった

あの言葉を信じて

ここまで来たのに

君を信じてここまで来れたのに

君を信じたから

この道を選んだのに

今は君のもとにいけない

いられない

ただ信じて前に進むしかない

茨ばかりのこの道を

あぁ

そういうことなんだな

きっと

俺は――……


そう想った時

茨に押しつぶされた




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