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猫耳無双 〜猫耳に転生した俺は異世界で無双する〜

ぽっち。

第22話 流れた月日





















「てぇぇぇい!!」


「グギギギギッ!!」


バゴォォォォンッ!!


激しい爆炎とともに体調3メートルはくだらない蝗の魔物が吹き飛ぶ。
1匹だけでも驚異的な大きさを持つその魔物は気分が悪くなるような鳴き声を放ちながら辺り一帯にひしめき合っている


「・・・・キモい。」


鮮やかな水色の髪の毛を持つ女性はそう言うと、引き絞っていた弦を解き放ち、一度に三本の矢が放たれる。
一本一本が蝗の魔物の身体を何体も貫いて絶命させていく。


「そうかなー?なんだかこうずっと見てると美味しそうに見えてくるよ。」


そういう彼女は剣を振るい、先ほどと同レベルの爆炎を剣先から放つ。


「・・・・流石にそれは引く。」


無表情を崩さず彼女は呟く。


「ティナ!シエル!真面目にやれ!」


叱責が聞こえてきて、彼女らは顔を引き締める。
彼女らの後方からは激しい爆音と紫電が迸る。
100匹は超えているだろう魔物の群体を彼女らは駆逐していく。




















エルラルド王国の王都の近くにウルムという鍛治の街がある。
そこは武具の街として知られていたが、今ではダンジョンの街として名を轟かせていた。


「ふぅ〜・・・・疲れたよ。」


そう言いながら街を歩く1人の少女の名はティナ・フローン。
頭にはバンダナを巻いており、腰には人によっては目を張ってしまうような魔力を放つ魔剣をぶら下げている。


「・・・・臭う。身体を拭きたい。」


ティナの隣で無表情で自身の体をスンスンと臭うバンダナを巻いた少女。
彼女はシエル・クレール。


「とにかく組合に行って素材を換金してからだな。」


そう言いながら麻袋に大量に入った魔石に目をやる少年。
彼の名はクロ・マクレーン。
この物語の主人公である。


「・・・・それにしても、人の街というのはちょっと見ないうちに変わるねぇ。」


呑気に声をあげた少女はケット。
クロの契約精霊だ。
今は人化の魔法を使い人の姿になっているが、普段は猫の姿をしている。
彼らがダンジョンと呼ばれる場所に篭って1ヶ月。
この街に滞在するようになって3年の月日が流れていた。
クロの年齢は13歳となり、もうすぐ14歳となる。
ティナとシエルは早生まれなのですでに14歳だ。
身体も成長期を迎え、身長も伸びてもう子供だからと行って舐められすぎることはない。
とは言ってもまだ子供と呼ばれる年齢だが。
そうこうしているうちにクロらは組合にたどり着く。
中に入ると様々な冒険者が同じ場所で経営している酒場で飲み食いし、騒いでいる。
そのまま真っ直ぐ受付に向かうと受付の女性がニコッと笑顔になる。


「あれ?クロロさん、おかえりなさい。」


クロロは冒険者としての偽名だ。
彼らは獣人であり、身元を安易にバラすわけにはいかない。


「あぁ、ただいま。早速で悪いが換金を頼む。」


ドサっと手に持っていた麻袋をカウンターに置く。
少し驚いた表情をする受付の女性だが、いつものことなので淡々と査定を始める。


「また随分と潜られてたんですねぇ。ちょっと待っててくださいね。」


そう言い残して彼女は奥の方に行く。
彼女を待っていると3人の男たちがこちらに向かってくる。


「うっひょー、君たち可愛いねぇ!」


「??」


そう言いながらクロには目もむけず、ティナたちに話しかけている。
ティナはいつもの天然を発動しており、まず自分に話しかけているとは思っていないようだ。


「ねぇねぇ、君たち俺たちと一緒にダンジョン行かない??」


その様子を見ている周りの冒険者たちはくすくすと笑っているのが分かる。
それなりの期間この街にいる冒険者はクロらの実力を知っているからだ。
「またか・・・・」とため息を吐きながらクロは男たちの前に出る。


「この子らは俺のパーティメンバーだ。勧誘なら他所でやってくれ。」


そういうがクロには覇気がない。
街に帰ってくるたびこうなのだ。面倒で仕方がないのだ。
それに彼の前世の記憶では大体こういう奴らは弱いと相場が決まっている。
実際、感じ取れる気配は雑魚もいいところ。
相手にするだけ無駄なのだ。


「あぁ?男はお呼びじゃねぇんだよ。どっかいけ。」


そう言いながらクロに向かってしっしっと手を払う男。
周りの冒険者は男たちに聞こえぬ声で賭けを始めている。
クロの猫族特有の聴力では丸聞こえなのだが。


「えー庇ってくれてるのー?カッコイイー」


茶化すようにそう言ってニヤニヤと笑うケット。
この猫はいつも生意気なので最近は苛立ちより先に呆れの感情が出てくる。


「女の子は守ってやらないといけないって教えられたからな。」


今は亡き母がよく言っていた。
それを思い出しながらケットの方を見ていると男がクロの胸元を掴んでくる。


「あんまりナメてっと・・・・痛い目見るぞクソガキ?」


殺気を放っているようだがクロからすれば小型犬が吠えているようなもので何とも思わない。


「テメェなんかこのバースト様にかかればイチコロなんだよ!!」


そう言って拳を掲げ殴ろうとする。
クロが反撃しようとしたその瞬間、男の腕が吹き飛ぶ。
目にも留まらぬ速さで斬り落とされたのだ。


「――――へ?あ、お、ギャァァァァ!?」


「あ、あにき!!」


最初は何があったか理解していないようだが痛みにより現実だと理解したようだ。
床にのたうち回り、泣き叫んでいる。
部下?であろう後ろにいた部下に介抱される。


「・・・・クロに手を出すんなら私は許さないよ?」


常人には耐え難い殺気を放っているティナ。
ティナの手にはいつの間にか引き抜かれた魔剣が血をした垂らしていた。


「ティナ、こんなのじゃ甘い。もっと痛めつける。」


そう言ってティナを焚きつけようとするシエル。
クロは深くため息を吐き、「またこのパターンか・・・・」と呟いた。


「今日はティーナちゃんだったなぁ!」


「カッコいいぃー!!俺の勝ちだ!お前ら、金よこせ!」


と周りの冒険者は騒ぎ出す。
どうやら誰が最初に手を出すか賭けていたようだ。


「はぁ・・・・またですか?クロロさん。」


いつの間にか戻ってきた受付の女性に呆れられた表情をされる。


「あ、あははは・・・・まぁ、後処理頼みます。」


クロは申し訳なさそうにそう言うのであった。
閑話休題。
クロには悩みがあった。
それは仲間である3人のことだ。
この3年で3人は身体的に成長している。
・・・・精霊のケットが成長しているのはケット曰く。


『キミの魔力に影響されるんだよ。キミが成長すればその姿容姿にどうしても偏ってしまうんだ。』


とのことだ。
とにかく、この3人は美少女から美女に変貌しつつある。
身長も伸びたのは当たり前だが、胸の辺りが膨らみ始め身体のラインもくっきりしてきた。
特にティナに至っては・・・・目測でCはある。しかも成長途中だ。
そのせいもあってかとにかく街に出てガラの悪い冒険者組合に入ればこうなってしまうことが多い。
もちろん、最初は実力を見せつけて近づかせないようにしてたが人の入れ替わりが激しい街だ。
自分たちのことを知らない冒険者が何度も絡んでくる。


「おい!お前ら俺らで勝手に賭けたんだから、飯ぐらい奢れ!!」


「「へーい、がはははは!」」


そのうちこうやって賭ける輩が出始めたのでそれにあやかって食費を削っている。
良いこともあるということかとクロは若干諦めている。
他の冒険者に奢らせ、今日は組合の酒場で夕食を食べることになり適当な席に座る。
クロはふと思い出したかのようにティナの頭を撫でる。


「さっきはありがとな。」


「えへへ〜・・・・全然良いよ!クロのためだもん。」


可愛く笑う彼女にクロはドキッと胸が高鳴る。


「(っ〜〜!?可愛すぎる・・・・っ)」


最近のもう一つの悩みが彼女らがより女性らしくなったことにより、恋愛感情に近い感情の高鳴りがクロを苦しめていることだ。
今までは妹や近所の子供に接するような感覚だったが大人っぽくなっていく彼女らを見ていくうちにどうしても意識してしまう。
だが、クロからすれば猫耳は「尊みが深い!」信仰の象徴なので恋愛感情を意識するのはダメらしい。
それを聞いたケットは「・・・・バカだね。」と一蹴したという。


「ティナずるい。私も撫でて。」


と頭を差し出してくるシエル。
彼女はここ数年でさらに積極性が増していた。
最近は寝ぼけたフリをして布団に入ってくるのも悩みのタネ。
とにかく贅沢な悩みなのだが、クロからすればどちらを取ることもできず、かといってどっちも取るなんて器用なことはできない。


「と、とりあえず、落ち着こう。ダンジョンについて話そうな!」


話題を無理やり変える。
シエルは不満そうな表情たぶんをするがそこはグッと堪えて話を始めた。


「俺たちの技量はだいぶ上がった。・・・・だけど、あのダンジョンにはおかしなところがたくさんある。」


「・・・・ん。調べる価値はある。」


月日を遡ること2年前ほど・・・・――――――――

























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