猫耳無双 〜猫耳に転生した俺は異世界で無双する〜
第1話 猫のためなら死ねる
「にゃーん?ごろにゃーん?」
「??」
  とあるアパートの裏にある場所に気色悪い声色で猫語?を喋るヨレヨレのスーツ姿の男性が居た。
 彼の名前は猫宮和人。
猫のために生き、猫のために死ねる男である。
「んー、この子はこの辺じゃ見ないし・・・・。新入りかなー?」
和人の日課は出勤前に自宅であるアパートの裏に住み着く猫にちょっとしたオヤツを上げることである。
もちろん、住み着いてしまったら鳴き声や糞なので近所迷惑になるかもしれない。
それを懸念して毎日とは言わないがこうやってたまたま居た猫にオヤツをあげるくらいのことをしている。
飼えればいいのだが、あいにく自宅のアパートはペット禁止。
引っ越すにもお金はない。
「まぁ、新入りの子でも俺の力にかかれば・・・・!」
和人はそう言いながら猫の方に手を差し出す。
最初は警戒していた猫だか、和人の何らかを感じ取ったのか・・・・頭を手に擦り始める。
和人は慣れた手つきで顎の下などを丁寧に撫で回す。
「ほらほら〜、ここが良いんだろー?」
「――――みゃあ」
猫は気持ちよさそうに喉をゴロゴロと鳴らせる。
猫宮和人には才能はない。
人並みな学力。イケメンともブサイクとも取れない普通な容姿。
だが、彼には一つだけ飛び出た才能があった。
そう――――猫に好かれるという才能。
和人はそんな才能があったからか、自然と猫を好きになった。
そして、猫が触られて気持ちいい箇所を撫で回す才能も同時に開花した。
挙げ句の果てには猫が好きなオヤツまで見分けれるようになった。
一種の化け物じみた才能だが、これは本当に猫だけなのだ。
犬などの他の動物には逆に嫌われる。
「ふはははは。俺にかかればこんな可愛い子もイチコロさ・・・!」
猫宮和人は稀代の猫たらしなのだ。
「って、ヤバ。電車に乗り遅れちまう。」
猫を撫でるのを辞め、和人は立ち上がる。
猫は少し物足りなさそうな表情をするが「またな。」と和人は呟き、駅の方向へ走っていく。
これが彼の日常。
しこたま社畜のように働き、猫で癒され、また社畜になる。
ブラックな企業で働くのも猫が居るからできることであり、猫のために生きているのだ。
そして、駅に着く前、いつもの横断歩道の手前。
猫宮和人の身体は無意識のうちに動いた。
大型トラックに猫が跳ねられそうなのだ。
「――――っ!!」
和人は猫を抱き抱え、向こう側の道路に放り投げる。
多少の落下なら、猫は大丈夫。
そう言い聞かせ猫を助けたことに脱力し、そして覚悟する。
目の前に迫る大型トラック。
そう。何度でも言おう。
猫宮和人は猫のために死ねる男なのだ。
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