内気なメイドさんはヒミツだらけ
メイドさんはこっそり◯◯してた
あの後、家に帰ってから、霜月さんは庭でぼんやり星を眺めていた。わざとではないし、皆気にしていないとはいえ、自分のやった事がああいう結果を生んだのがショックなようだ。
遠目に見ても、肩を落としているのがわかり、何だか調子が狂う。
いつもみたいに、オドオドしながら憎まれ口をたたけばいいのに……。
「はあぁ……」
「まだ落ち込んでるんですか?横田達も言ってたじゃないですか。むしろ貴重な体験ができた」
「御主人様……」
霜月さんは、いつものオドオドした雰囲気とは違う、どんよりした表情でこちらを見た。その瞳はわずかに濡れていて、そこには幼さと妙な色気みたいなのが同居していた。
一瞬……ほんの一瞬だけ胸が高鳴った気がしたのをただの気のせいだと思い込み、ひとまず棚に上げた。
「ありがとうございます……」
「……あ、ああ、どういたしまして」
あれ?なんか可愛い……ああ、もう!このままだとワケわからん事考えそうだ。絶対に嫌だ。何が嫌かもわからんけど。
「じゃあ今日は俺が晩御飯作りますよ」
「えっ……いいんですか?」
「まあ、たまには……いつも頑張ってくれてるし」
「あ、ありがとうございます……でも御主人様、料理とか出来るんですか?……下手そう」
「おい。最後さりげなく付け加えんな」
まあいつもの調子が戻ってきたのはいい事だと思う。
さて、久々に腕を振るいますかね。
腕まくりをした俺は、棚からカップラーメンを取り出し、霜月さんにドン引きした目で見られたので、大人しく焼きそばを炒めた。
*******
「なあ幸人。今日お前の家行っていいか?」
「ん?別にいいけど。どうかしたのか」
「久々に思いきりゲームやりたい」
まあ、こちらとしては特に断る理由もない。
それに、横田がウチに来るのは割と久々な気がする。こいつ、部活の助っ人やらで忙しいからな。
そこで、ある事を思い出した。
「一応言っておくが、ウチには……」
「ああ。霜月さんいるんだろ?わかってるよ。何なら、霜月さんも混ざればいいじゃないか。ねえ?」
横田はそう言って、いつの間にか隣にいた霜月さんにも声をかけた。
すると、霜月さんは穏やかな笑みを浮かべた。
「す、すいません……私はゲームをやった事がありませんので」
「あ、そうなんだ。やっぱ幸人の世話が大変なんだ?」
「あ、いえいえ、その……それは大変なんですが。まあ、他にも色々と用事が……」
「…………」
くだらねえ嘘ついてんじゃねえ!!!
毎晩夜な夜なゲームやりまくってんじゃねえか。俺の部屋の押し入れで!お菓子を食べながら!あと最近独り言がうるさいんだよ!
「どうしたんだ、幸人?そんな嘘つきを見るような目をして」
「いや、何でもない」
横田がこちらを見ている間、霜月さんは人差し指を唇に当て、し~っと俺に向けてやっていた。この、ポンコツメイド……。
*******
「お邪魔しまーす」
「どうぞ」
「じゃ、じゃあ私はお茶とお菓子の用意をしてきますので……」
霜月さんは、パタパタと台所の方へ向かった。
その後ろ姿を見ていると、横田が肘でつついてきた。
「なるほど。こんな風にいてもご奉仕してもらってるのか」
「言い方が誤解を生みそうなんだが……てか、そんなんじゃねえよ。いつもはまだのんびりしてるし」
「まあ上手くやれてるならいいじゃん?」
「どうだろうな」
実のところ、あまりよくわからないというのが事実だ。
いきなり両親が海外に行くことになり、メイドと同居と言われる。
口にすると単純だが、実際はかなり気を使うし、めんどい事もある。最近は押し入れに水道を取り付ける計画を立てていたので、何とか阻止した。
すると霜月さんがドアをノックした。
「あの……御主人様、お茶が入りました」
「あ、ああ。ありがとうございます」
今日は来客が来ているからか、やけにメイドしている気がする
いや、いつも家事は完璧なんだ。家事だけは。
「霜月さんも一緒にやりませんか?」
「えっ、いいんですか?……じゃなくて……も、申し訳ございません、私、ゲームはやった事が……」
「いや、つまらん見栄は張らなくていいですから。どうせなら一緒にやりましょう」
「そうだよ、霜月さん。クラスメートなんだから、堅苦しいのはなしで」
すると、やる気になったのか、霜月さんは控えめな笑みで袖をまくり、俺の隣に腰を下ろした。
「……し、し、仕方ありませんねぇ。まだ仕事がありますけど……ちょっとだけなら付き合うのも、やぶさかではないといいますか……ほ、本当に御主人様はしょうがないですねえ……あはは」
「…………」
前置きがウザいです。
苦笑しながらその様子を見ていると、霜月さんはキラキラした目をこちらに向けた。
「それで、何をしますか?○トロイドですか?ゼ○ダですか?」
「落ち着いてください。それ一人用のやつです」
何故メイドのゲーム攻略を観戦せにゃならんのか。そういうのはYouTubeで配信しててくれ。
俺達の冷めた視線に気づいたのか、霜月さんは「あわわ……」とあわてふためいた。
「す、すいません……つ、つい、いつも動画配信する時のクセで……」「もうやってんのかよ!ていうか、最近押し入れで独り言多いと思ったら、そのせいか!」
「あわわ……い、今のは聞かなかった事に……」
「あはは……まあ、いいじゃないか。幸人」
新事実発覚。聞きたくなかったわ……。
遠目に見ても、肩を落としているのがわかり、何だか調子が狂う。
いつもみたいに、オドオドしながら憎まれ口をたたけばいいのに……。
「はあぁ……」
「まだ落ち込んでるんですか?横田達も言ってたじゃないですか。むしろ貴重な体験ができた」
「御主人様……」
霜月さんは、いつものオドオドした雰囲気とは違う、どんよりした表情でこちらを見た。その瞳はわずかに濡れていて、そこには幼さと妙な色気みたいなのが同居していた。
一瞬……ほんの一瞬だけ胸が高鳴った気がしたのをただの気のせいだと思い込み、ひとまず棚に上げた。
「ありがとうございます……」
「……あ、ああ、どういたしまして」
あれ?なんか可愛い……ああ、もう!このままだとワケわからん事考えそうだ。絶対に嫌だ。何が嫌かもわからんけど。
「じゃあ今日は俺が晩御飯作りますよ」
「えっ……いいんですか?」
「まあ、たまには……いつも頑張ってくれてるし」
「あ、ありがとうございます……でも御主人様、料理とか出来るんですか?……下手そう」
「おい。最後さりげなく付け加えんな」
まあいつもの調子が戻ってきたのはいい事だと思う。
さて、久々に腕を振るいますかね。
腕まくりをした俺は、棚からカップラーメンを取り出し、霜月さんにドン引きした目で見られたので、大人しく焼きそばを炒めた。
*******
「なあ幸人。今日お前の家行っていいか?」
「ん?別にいいけど。どうかしたのか」
「久々に思いきりゲームやりたい」
まあ、こちらとしては特に断る理由もない。
それに、横田がウチに来るのは割と久々な気がする。こいつ、部活の助っ人やらで忙しいからな。
そこで、ある事を思い出した。
「一応言っておくが、ウチには……」
「ああ。霜月さんいるんだろ?わかってるよ。何なら、霜月さんも混ざればいいじゃないか。ねえ?」
横田はそう言って、いつの間にか隣にいた霜月さんにも声をかけた。
すると、霜月さんは穏やかな笑みを浮かべた。
「す、すいません……私はゲームをやった事がありませんので」
「あ、そうなんだ。やっぱ幸人の世話が大変なんだ?」
「あ、いえいえ、その……それは大変なんですが。まあ、他にも色々と用事が……」
「…………」
くだらねえ嘘ついてんじゃねえ!!!
毎晩夜な夜なゲームやりまくってんじゃねえか。俺の部屋の押し入れで!お菓子を食べながら!あと最近独り言がうるさいんだよ!
「どうしたんだ、幸人?そんな嘘つきを見るような目をして」
「いや、何でもない」
横田がこちらを見ている間、霜月さんは人差し指を唇に当て、し~っと俺に向けてやっていた。この、ポンコツメイド……。
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「お邪魔しまーす」
「どうぞ」
「じゃ、じゃあ私はお茶とお菓子の用意をしてきますので……」
霜月さんは、パタパタと台所の方へ向かった。
その後ろ姿を見ていると、横田が肘でつついてきた。
「なるほど。こんな風にいてもご奉仕してもらってるのか」
「言い方が誤解を生みそうなんだが……てか、そんなんじゃねえよ。いつもはまだのんびりしてるし」
「まあ上手くやれてるならいいじゃん?」
「どうだろうな」
実のところ、あまりよくわからないというのが事実だ。
いきなり両親が海外に行くことになり、メイドと同居と言われる。
口にすると単純だが、実際はかなり気を使うし、めんどい事もある。最近は押し入れに水道を取り付ける計画を立てていたので、何とか阻止した。
すると霜月さんがドアをノックした。
「あの……御主人様、お茶が入りました」
「あ、ああ。ありがとうございます」
今日は来客が来ているからか、やけにメイドしている気がする
いや、いつも家事は完璧なんだ。家事だけは。
「霜月さんも一緒にやりませんか?」
「えっ、いいんですか?……じゃなくて……も、申し訳ございません、私、ゲームはやった事が……」
「いや、つまらん見栄は張らなくていいですから。どうせなら一緒にやりましょう」
「そうだよ、霜月さん。クラスメートなんだから、堅苦しいのはなしで」
すると、やる気になったのか、霜月さんは控えめな笑みで袖をまくり、俺の隣に腰を下ろした。
「……し、し、仕方ありませんねぇ。まだ仕事がありますけど……ちょっとだけなら付き合うのも、やぶさかではないといいますか……ほ、本当に御主人様はしょうがないですねえ……あはは」
「…………」
前置きがウザいです。
苦笑しながらその様子を見ていると、霜月さんはキラキラした目をこちらに向けた。
「それで、何をしますか?○トロイドですか?ゼ○ダですか?」
「落ち着いてください。それ一人用のやつです」
何故メイドのゲーム攻略を観戦せにゃならんのか。そういうのはYouTubeで配信しててくれ。
俺達の冷めた視線に気づいたのか、霜月さんは「あわわ……」とあわてふためいた。
「す、すいません……つ、つい、いつも動画配信する時のクセで……」「もうやってんのかよ!ていうか、最近押し入れで独り言多いと思ったら、そのせいか!」
「あわわ……い、今のは聞かなかった事に……」
「あはは……まあ、いいじゃないか。幸人」
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