異世界に貴族として転生しました!〜兄が神な男〜

御隠居村長

8、神々と対面

 突然、目の前が真っ白になった。物理的にだ。

「よ! しんじ! いや、シリウスよ。」 
と、声をかけられる。

 うわっ!
 って、この声は、兄貴。
 
「兄貴! 久しぶり!」 
と、俺は言う。

「全然、久しぶりじゃないだろ。そういえば、お前スペシャルスキル使わなかったんだな。それに、ステータスも見ていないし。」
と、兄貴に言われた。

 いや、でも、
「それは、仕方がなくね! だって、まだ、転生してから一日しか経っていないのだから。」
と、俺は答えた。

「まあ、それもそうだな。そうそう、お前に紹介したい人、いや神がいてな。この神たちだ。俺を含めて10柱と言われている。ついでだから、皆もこいつに加護を与えてやらないか? いいよな?」
と、兄貴は他の神に聞く。

 兄貴が他の神々に賛同を求める。この神たちって、兄貴が仕切っているのか? 兄貴しか喋っていないぞ! 兄貴が序列3位だから、兄貴より偉い(?)神が2人いるんだよな。まあ、気にしない方が、良いか。そこらへんは、神のルールなんだし、人間の俺が干渉する必要はないだろう。

 話を戻して、どうやら全員が、俺に加護を与えてくれるらしい。俺は、十人いや、十神から加護をもらえるんだな。


 そして、神様たちが、順番に俺の頭にふれる。そして、神様が頭に触れたとき、頭が光る。後々知った話だが、神様が、人間に加護を渡すとき、頭にふれる必要は、なかったらしい。

「よし、ステータスオープンと言ってみな。これは、言葉に出さないと使えない魔法だからな。この魔法以外は、無詠唱でいける。」
と、兄貴に言われる。

「わかったよ。『ステータスオープン』」

【名前】シリウス・インブンランド
【性別】男
【年齢】5歳
【種族】人間族
【レベル】1
【体力】228
【魔力】13001
【称号】辺境伯家四男 異世界からの転生者 発明神の弟 神々の観察対象
面倒くさがり屋

【スペシャルスキル】
魔力完全コピー


【加護】
主神の加護Lv.10
創造神の加護Lv.10
発明神の加護Lv.10
生命神の加護Lv.10
愛の女神の加護Lv.10
魔法神の加護Lv.10
武神の加護Lv.10
大地神の加護Lv.10
技能神の加護Lv.10
破壊神の加護Lv.10


 あれ? おもっていたより、普通なんだな。体力とかは、大人の平均行ってないし。なんか、凄いチートもらえるのかと思ったわ。魔力は、大人の平均の13倍か……。これは、チートだな。あと、加護の量とレベルもチートだな。

 すると、兄貴が、
「今、思ったほど、凄くないな。とか、思ったでしょ。」
と、言ってきた。

「たしかに、そう思ったよ。」
と、俺は正直に話した。

「ならば、これから鍛えてやるよ!」
と、兄貴が言ってきた。

 えー。好意は、嬉しいけど、面倒くさそうだな。

 そういえば、兄貴は発明神だったんだな。発明神って、俺がなんか凄いものを発明できるようになるとかいうものなのかな?
  
 それは、そうと、
「いや、面倒そうだから、いいや。」
と、俺は返した。

 すると、一人の爺さんが、
「神の提案を断るとは、いい度胸じゃな。流石、カルボン(発明神)の弟というべきか。」
と、言ってきた。
 
 もしかして、この神は、怒っていらっしゃるのか? それに、この神誰なのだろうか?

「あ、そういえば……。自己紹介が、まだじゃったのぅ……。儂は、主神だ。あと、全然怒っとらんぞ。ただ、面白い子じゃのうと思ってな。普通の人間は、神の修行とか受けたがるものだと思っていてな。ちなみに儂の加護を持っていると、レベルが上がりやすくなるんじゃ。人間に加護を与えるのは、今回が初めてじゃな。」

 ただ、修行とか面倒そうだしな。だから、断ったんだ。  

 加護を持っていると、便利なんだな。
 それはそうと、この神は心を読んでいるのか……?

 すると、主神と同じくらい高齢で、主神と容姿がそっくりの神が、
「神は、心を読めるからな。私も人間の心を読める。あ、そうそう、私は、創造神だ。それに、主神の弟だ。ちなみに私の加護を持っていると、レベルが増えやすくなる。レベル上げの凄さは、主神ほどではないがな……。」
と、いってきた。

 創造神か……。
 というか、神に兄弟とか存在するんだな。

 続いて、
「僕は、生命の神だよ。これからもよろしくね。僕の加護を持っていると、病気にかかりにくくなるよ。かかることは、たまにあるけどね! でも、加護Lv.10の君は、流石に病気にならないと思うけどね。」
と、8歳くらいの男の子に言われる。子供だな。まあ、容姿が子供なだけで、俺より遥かに年上だろうけど……。で、健康でいられるって、嬉しいな。


 それに続いて、次々と神が自己紹介を始める。

「私は、愛の女神よ! 私の加護を持っていると、聖魔法が、強化されるわ!」
と、20代くらいのきれいなお姉さん。どうやら、治療とかが、得意になるみたいだ。 

「私は、魔法神だ。私の加護を持っていると、魔力が大幅にアップする。」
と、フードをかぶった男性の人。杖をもっている。年齢は、よく分からないな。魔力が、大幅にアップかぁ。だから、俺の魔力量は、あんなに高かったのかな……?

「俺は、武神だ。俺の加護を持っていると、剣とかの扱いが上手くなる。基本が、なっていないとだめなんだかな! まあ、存分に体を鍛えるが良い。」
と、剣を後ろにつけた豪快な男性。歳は、30〜40といったところだろうか? かなり筋肉がもりもりだ。剣とかも、基本がなっていれば、加護の力で、けっこう強くなれるってことなのかな? 

「私は、大地神よ。私の加護を持っていると、農作業とかが、得意になるわ。まあ、貴方は貴族だから農作業なんて、しないと思うけどね……。」
と、20代くらいの女性。農作業は、家が没落したら、考えよう。まあ、没落なんて、しないと思うけど。あー、でも、農業を少しやってみても良いかもしれないな。少し、面白そうだし。


「儂は、技能人。加護を与えたから、手先が器用になるぞ。」
と、おじさんに言われる。手先が、器用になるのか。物とか作るときには、重要だな。

「最後に、俺だな。俺は、破壊神。加護を持っていると、力が強くなる!」
と、鍛えてそうな兄さんに言われる。力が、強くなるか……。普通に嬉しいな。
 


「神の自己紹介は、この辺にして。なにか、質問はあるか? シリウスよ。」
と、兄貴に言われる。

「なら、質問するね。1つ目の質問。兄貴の加護を持っていると、何がおきるの? どんな利点があるの? 2つ目の質問。加護のレベルは、何まであるの? 10が、最高値なの? 3つめの質問。俺以外に転生者はいるの? 4つ目の質問。俺のステータスは、隠蔽できるの? できるとしたら、神様からの加護とかは、隠蔽したほうが良いの? 5つ目。魔法の属性おいう概念は、存在するの? ほかにも、質問したいことは沢山あるけど……。今回は。この辺にしておくね。」
と、聞くと兄貴が、
「けっこう沢山質問したな。それでは、早速答えていこう。まず、1つ目の質問。俺の加護を持っていても、特に何も起きない。普通は、神の加護は能力が上がったりするものだ。ただ、俺の加護は、何も起きないな。俺のそもそもの仕事が、この世界の特許を管理することだ。次に2つ目の質問。加護のレベルは、10が、最高だ。とはいっても、加護レベル10は、目茶苦茶珍しい。いや、初めてかもな……。3つ目の質問。転生者は、お前しかいない。4つ目の質問。ステータスの隠蔽はできる。適当に、ステータスは直したほうが良い。隠蔽したら、その人以外には、本来のステータスを見ることができない。わかったな? 最後に5つ目。属性という概念は、存在しない。強(し)いて言うならば、全員が、全属性だ。ただ、人によって得意、不得意は、ある。ちなみに、【火・水・氷・風・土・光・闇・雷・聖・無】だ。聖魔法は、治療みたいなもの。無魔法は、身体強化とかだな。こんな感じだ。もっと詳しく知りたければ、お前の家族に聞け。」
と、言われた。

 なるほど……。 
 けっこう色々学べたな。  
 というか、兄貴の加護を持っていても、何も起きないのか……。よくそれで、3柱(主神、創造神、発明神)やっていけるな。でも、特許の管理とかは、重要なのだろう。

 まあ、教えてくれたことには、素直に感謝だな。

「兄貴、ありがとう!」

「どういたしまして。じゃあ、俺から質問をするぞ。お前、すっかり忘れていそうだが……。チート能力いらんのか? どんな能力にするんだ?」
と、兄貴に言われる。

 あ! やべ。完全に忘れていたわ。でも、今決めた。 

「もう、決めたよ。空間魔法が、欲しいな。」
と、言った。

 空間魔法は、普通にチートだ。転移魔法にも、異空間収納魔法にもなる。鑑定とかとは、比にならないチートだ。と、思い、空間魔法にした。創造魔法とかがあれば、その魔法にしたんだがな。残念ながら、チートのリストになかったからな。まあでも、創造魔法なんて、人間が持てば、危険すぎるもんな。

「なるほど。空間魔法な。お前の考えている転移魔法は、一度行ったことがある場所にしか、転移できない。分かったな?」 
と、聞かれる。

「うん、わかっているよ。そういうのって、異世界の定番だからね。」
と、答える。

「わかっているのならば、良い。手を出して。その空間の能力をやるから。」
と、言われたから、手を出す。

 そして、兄貴が俺の手を握る。その後、手が光る。どうやら、スペシャルスキルたるものをゲットできたようだ。

「これで、お前は能力を手にした。名残惜しいが、そろそろ時間だ。この世界でもがんばれよ。困った事があったら教会に来い。相談にのってあげるから。」
と、言われる。

 兄貴って、意外と良い兄だな。

「うん。じゃあね! 他の神様たちも、ひとまずさよなら。」
と、言っておいた。


■□■


「あのー。大丈夫ですか?」 
と、声が聞こえる。

「ん?」 

 あー。部屋に一緒に入った司祭か……。どうやら、もとの世界に戻ってきたようだ。

「あー。いや。ずっと、同じ姿勢で動かなかったので……。それはそうと、加護をもらえていると良いですね。そうそう、シリウス様にいうべきことではないのですが、神様たちの像が、ひかっていたんですよね……。こんなの初めてですよ。」
と、言われた。

 どうやら、ずっと動いていなかったようだ。 

 それに、神様達の像が、光っていたんだな。
 
 まあ、加護はもらえたけどな。それも全神から。しかも、全てLv.10。司祭にいう必要がないから、言わないのだけど。

「まあ、そうですね。神様たちからの加護、貰えていると嬉しいです。」
と、答えておいた。

 その後、この部屋をでて、家族と再開した。

 そして、教会を出て、黙って馬車に乗る。

 そして、父さんに、
「加護をもらえていると良いな。まあ、貰えてなくても気を落とすなよ。」
と、言われた。

「はい。わかっていますよ。」
と、答えた

 その後、特に会話もなく屋敷に着いた。

  屋敷に帰ったあと、自分の部屋に戻る。ちなみに、もう、部屋の場所は、覚えた。

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