Noah's Ark
2話 模擬戦
午後になり、俺は二人を軍事区画にある訓練場へと呼び出した。
訓練場の扉を開けると、既に来ていた二人が俺に気付き声をかけてきた。
「「遥斗隊長、よろしくお願いします」」
「あぁ、早速だが連絡の通り、二人の実力を確認したい。そこの訓練用の武器で模擬戦を行うが、準備はいいか?」
「はい!」
「えぇ、いつでも」
二人は既に武器の準備が出来ているようなので、俺も手頃な剣を選び準備を整えた。
「よし、まずは神崎、君からだ。遠慮なく打ち込んでこい」
「わ、分かりました!」
そして彼女は剣を自信無さげに構えた。
(やはり成績下位か…まるで覇気がなく隙だらけだ)
彼女はこっちの様子を伺っているのかその場から動こうとしない。
(このままじゃ埒が明かないな、こっちから少し仕掛けるか)
俺は彼女との距離を無造作に詰め、がら空きの胴を目掛け軽く剣を振ったーー
「ーー痛っ!?」
「へ?」
俺が振った剣は一切防御されることなくあっさりと彼女の胴を叩いた。
呆気ない結果に、思わず抜けた声を出してしまったが、まさかこれほどまでとは…
「す、すいません!急に迫られたので怖くて身がすくんでしまって…も、もう一度お願いします…!」
「はぁ…分かった。もう一回だーー」
再び剣を構え直した二人はジリジリと距離を縮め、今度は彼女から先に仕掛けてきた。
彼女は必死に剣を振るい一本入れようとするが、その剣筋はとても遅くそして単調な物で容易く防ぐことが出来る。
この調子じゃ例え一万回振っても俺には当らないだろう。
「はぁっはぁ…っ」
「ーーそこまでだ。次、芹沢!」
神崎はお辞儀をして名残惜しそうに端に寄った。
そして今度は槍を構えた芹沢愛が前に出る。
どうやら彼女は槍術を使うらしい。
「ようやく私の番ね。お手柔らかにお願いしますね?隊長さん」
「あぁ、来い!」
どうやら彼女は神崎よりは武器の扱いに慣れているようだ。
槍を構えた姿は様になり、隙がない。
「フフッ、実は私、小さい頃からずっと槍術を習って来たの、だから槍の扱いには自信があるのよ?」
そう言うと彼女は中々の速度で槍を突き出し、薙ぎ払い、そしてまた突きと、流れるような連撃を繰り出して来た。
槍の長さを十二分に活かした中々の戦いぶりだ。
(こいつ、本気で殺しに来てないか?いくら訓練用の武器と言っても当たりどころが悪けりゃ大怪我だぞ)
「それそれそれっ!逃げてばかりじゃ勝負にならないわよっ?」
「ーーっなら…!」
俺は彼女が突き出した槍を後ろに避けるのではなく、カウンターを決める為あえて前に出ながら槍をかわし、姿勢を低くしながら素早く懐へ潜り込んだ。
それと同時に剣を逆手に持ち変えた俺は、彼女が防御に回るより早く、脇腹を剣の持ち手の部分で突いた。
「あぐっ」
「勝負あったな芹沢。しかし、槍の腕は中々だったぞ。」
ちっーー
「…ん?どうした?」
「あぁ!なんてことかしら…!こんな格好よくて、強くておまけに装魔士だなんて…!隊長、私あなたに一生ついて行くわ!」
「……」
なんかおかしな女が部下になったな…
訓練場の扉を開けると、既に来ていた二人が俺に気付き声をかけてきた。
「「遥斗隊長、よろしくお願いします」」
「あぁ、早速だが連絡の通り、二人の実力を確認したい。そこの訓練用の武器で模擬戦を行うが、準備はいいか?」
「はい!」
「えぇ、いつでも」
二人は既に武器の準備が出来ているようなので、俺も手頃な剣を選び準備を整えた。
「よし、まずは神崎、君からだ。遠慮なく打ち込んでこい」
「わ、分かりました!」
そして彼女は剣を自信無さげに構えた。
(やはり成績下位か…まるで覇気がなく隙だらけだ)
彼女はこっちの様子を伺っているのかその場から動こうとしない。
(このままじゃ埒が明かないな、こっちから少し仕掛けるか)
俺は彼女との距離を無造作に詰め、がら空きの胴を目掛け軽く剣を振ったーー
「ーー痛っ!?」
「へ?」
俺が振った剣は一切防御されることなくあっさりと彼女の胴を叩いた。
呆気ない結果に、思わず抜けた声を出してしまったが、まさかこれほどまでとは…
「す、すいません!急に迫られたので怖くて身がすくんでしまって…も、もう一度お願いします…!」
「はぁ…分かった。もう一回だーー」
再び剣を構え直した二人はジリジリと距離を縮め、今度は彼女から先に仕掛けてきた。
彼女は必死に剣を振るい一本入れようとするが、その剣筋はとても遅くそして単調な物で容易く防ぐことが出来る。
この調子じゃ例え一万回振っても俺には当らないだろう。
「はぁっはぁ…っ」
「ーーそこまでだ。次、芹沢!」
神崎はお辞儀をして名残惜しそうに端に寄った。
そして今度は槍を構えた芹沢愛が前に出る。
どうやら彼女は槍術を使うらしい。
「ようやく私の番ね。お手柔らかにお願いしますね?隊長さん」
「あぁ、来い!」
どうやら彼女は神崎よりは武器の扱いに慣れているようだ。
槍を構えた姿は様になり、隙がない。
「フフッ、実は私、小さい頃からずっと槍術を習って来たの、だから槍の扱いには自信があるのよ?」
そう言うと彼女は中々の速度で槍を突き出し、薙ぎ払い、そしてまた突きと、流れるような連撃を繰り出して来た。
槍の長さを十二分に活かした中々の戦いぶりだ。
(こいつ、本気で殺しに来てないか?いくら訓練用の武器と言っても当たりどころが悪けりゃ大怪我だぞ)
「それそれそれっ!逃げてばかりじゃ勝負にならないわよっ?」
「ーーっなら…!」
俺は彼女が突き出した槍を後ろに避けるのではなく、カウンターを決める為あえて前に出ながら槍をかわし、姿勢を低くしながら素早く懐へ潜り込んだ。
それと同時に剣を逆手に持ち変えた俺は、彼女が防御に回るより早く、脇腹を剣の持ち手の部分で突いた。
「あぐっ」
「勝負あったな芹沢。しかし、槍の腕は中々だったぞ。」
ちっーー
「…ん?どうした?」
「あぁ!なんてことかしら…!こんな格好よくて、強くておまけに装魔士だなんて…!隊長、私あなたに一生ついて行くわ!」
「……」
なんかおかしな女が部下になったな…
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