Noah's Ark
4話 最後の晩餐
「ただいまー」
「……」
いつもの様に家にはまだ誰も帰ってきてはいなかった。
母親は仕事で帰りはいつも遅く、姉も生徒会の集まりやらで、ほぼ毎日俺が初めに家に着いていた。
主に朝は姉が朝食と弁当を作り、母の帰りが遅い日は、俺が夕飯を作るのが決まりだ。
遥斗自身、朝は弱く作る余裕がないが、料理は好きなの夕飯の支度をするのは苦では無かった。
「さてと、作るか」
冷蔵庫を開け、食材を確認し献立を決める。
足りないものは近所のスーパーに買い物に行き、慣れた手つきで料理を作り上げていく。
暫くして、玄関の扉が開く音がした。
「…ただいまぁ」
「姉ちゃん、おかえりー」
「あ、美味しそう。…朝はダメだけど料理だけは一丁前よね遥斗は」
帰宅した姉は夕飯を準備する俺を見て、関心したように言った。
「…悪かったな料理以外はダメダメで、ほら、夕飯もう出来るから着替えてきなよ」
「そこまでは言ってないじゃない!」
姉とそんな会話をした後、完成した料理を並べ、姉と二人で食卓を囲んでいた。
暫くして、母も帰宅し、三人で食卓を囲んだ。
「そう言えば二人とも確か明日から冬休みでしょ?だからって夜更かししちゃだめよ?」
「へいへい、分かってますよー。それじゃ俺は部屋に戻るかな」
「私もそろそろ課題やんなきゃだし部屋に戻るね、お母さんおやすみ」
「二人とも、おやすみなさい」
そして二階の自分の部屋に戻り布団に入った俺は、明後日のクリスマスが待どうしくて堪らなかった。
そして俺は悶々としながら夢の中へ引きずり込まれていったーー
ーーあぁ、憎い…憎い憎い憎い憎い!!何故分かってくれない!!どうして人間ごときに慈悲をかけるのか!!
私が!!私こそが、貴方様の慈悲を受けるに相応しいはずっ!!それが叶わぬと言うのなら!!私は貴方に宣戦布告しよう!!私が…!私がーー
「…うおわっ!」 
ーーなんだ今の夢は…誰かが戦っていた…?
「…まぁいいや、寝よ」
クリスマス当日。
楽しみだった香織とのデートを終た俺は、表情を緩ませながら帰宅した。
香織からプレゼントされた猫の刺繍が入った帽子を眺め、部屋で余韻に浸っている。
そして今日は俺の誕生日を祝うため、キッチンでは母と姉が、いつもより豪華な夕飯とケーキを用意していた。
姉に呼ばれた俺は、一階のリビングへ向かい、家族に誕生日を祝われながら、ニヤけた表情で豪華な料理に舌鼓を打った。
「…彼女とのデートが楽しかったのは分かるけど、ちょっとそのふざけた表情何とかならないの?」
「遥斗も大人になっちゃって、お母さんなんだか寂しいわぁ」
ーーあぁ、こんなに充実した誕生日は初めてだ…
そして一通り食事を終え、食後に誕生日のケーキを食べていると、姉が丁寧に包装された小さな箱を渡してきた。
「はい、誕生日おめでとう。これ、お母さんと私からよ」
「おぉ、有難く頂くよ。じゃあ、早速」
包装を解き箱を開けると、中にはシルバーのチェーンに白と黒のリングが二つ掛けられたネックレスがあった。
早速それを手に取り首にかけた。
「遥斗のプレゼントがまさかのお母さんと被っちゃってね、二人して指輪買ってきちゃったもんだから、折角だしチェーンも買ってネックレスにしようってなったの」
「急ごしらえだけど似合っててよかったわ。ね?お姉ちゃん」
「ありがとう、大切にするよ」
そうして家族と幸せな瞬間を共有し、誕生日を満喫した俺は、そろそろ部屋に戻ろうと立ち上がった。
ブォォ……ブォォォ……ブォォォォォ!
(何だこの音?聞き覚えがある様な…)
外から聞こえる妙な音に気が付き思わず動きを止め、全身から汗が吹き出るのを感じていた。
聞き覚えるのある音は断続的に、そして徐々にハッキリとした物になって行く。
「あら?なんだか騒がしいわね。何かしらこの音?」
母はリビングの窓を開け外を覗いた。
その時、何かが母の首元を通ったように見えた。
「ーーえ?」
気がつくと、母の頭がコロコロと足元に転がっていた。
「……」
いつもの様に家にはまだ誰も帰ってきてはいなかった。
母親は仕事で帰りはいつも遅く、姉も生徒会の集まりやらで、ほぼ毎日俺が初めに家に着いていた。
主に朝は姉が朝食と弁当を作り、母の帰りが遅い日は、俺が夕飯を作るのが決まりだ。
遥斗自身、朝は弱く作る余裕がないが、料理は好きなの夕飯の支度をするのは苦では無かった。
「さてと、作るか」
冷蔵庫を開け、食材を確認し献立を決める。
足りないものは近所のスーパーに買い物に行き、慣れた手つきで料理を作り上げていく。
暫くして、玄関の扉が開く音がした。
「…ただいまぁ」
「姉ちゃん、おかえりー」
「あ、美味しそう。…朝はダメだけど料理だけは一丁前よね遥斗は」
帰宅した姉は夕飯を準備する俺を見て、関心したように言った。
「…悪かったな料理以外はダメダメで、ほら、夕飯もう出来るから着替えてきなよ」
「そこまでは言ってないじゃない!」
姉とそんな会話をした後、完成した料理を並べ、姉と二人で食卓を囲んでいた。
暫くして、母も帰宅し、三人で食卓を囲んだ。
「そう言えば二人とも確か明日から冬休みでしょ?だからって夜更かししちゃだめよ?」
「へいへい、分かってますよー。それじゃ俺は部屋に戻るかな」
「私もそろそろ課題やんなきゃだし部屋に戻るね、お母さんおやすみ」
「二人とも、おやすみなさい」
そして二階の自分の部屋に戻り布団に入った俺は、明後日のクリスマスが待どうしくて堪らなかった。
そして俺は悶々としながら夢の中へ引きずり込まれていったーー
ーーあぁ、憎い…憎い憎い憎い憎い!!何故分かってくれない!!どうして人間ごときに慈悲をかけるのか!!
私が!!私こそが、貴方様の慈悲を受けるに相応しいはずっ!!それが叶わぬと言うのなら!!私は貴方に宣戦布告しよう!!私が…!私がーー
「…うおわっ!」 
ーーなんだ今の夢は…誰かが戦っていた…?
「…まぁいいや、寝よ」
クリスマス当日。
楽しみだった香織とのデートを終た俺は、表情を緩ませながら帰宅した。
香織からプレゼントされた猫の刺繍が入った帽子を眺め、部屋で余韻に浸っている。
そして今日は俺の誕生日を祝うため、キッチンでは母と姉が、いつもより豪華な夕飯とケーキを用意していた。
姉に呼ばれた俺は、一階のリビングへ向かい、家族に誕生日を祝われながら、ニヤけた表情で豪華な料理に舌鼓を打った。
「…彼女とのデートが楽しかったのは分かるけど、ちょっとそのふざけた表情何とかならないの?」
「遥斗も大人になっちゃって、お母さんなんだか寂しいわぁ」
ーーあぁ、こんなに充実した誕生日は初めてだ…
そして一通り食事を終え、食後に誕生日のケーキを食べていると、姉が丁寧に包装された小さな箱を渡してきた。
「はい、誕生日おめでとう。これ、お母さんと私からよ」
「おぉ、有難く頂くよ。じゃあ、早速」
包装を解き箱を開けると、中にはシルバーのチェーンに白と黒のリングが二つ掛けられたネックレスがあった。
早速それを手に取り首にかけた。
「遥斗のプレゼントがまさかのお母さんと被っちゃってね、二人して指輪買ってきちゃったもんだから、折角だしチェーンも買ってネックレスにしようってなったの」
「急ごしらえだけど似合っててよかったわ。ね?お姉ちゃん」
「ありがとう、大切にするよ」
そうして家族と幸せな瞬間を共有し、誕生日を満喫した俺は、そろそろ部屋に戻ろうと立ち上がった。
ブォォ……ブォォォ……ブォォォォォ!
(何だこの音?聞き覚えがある様な…)
外から聞こえる妙な音に気が付き思わず動きを止め、全身から汗が吹き出るのを感じていた。
聞き覚えるのある音は断続的に、そして徐々にハッキリとした物になって行く。
「あら?なんだか騒がしいわね。何かしらこの音?」
母はリビングの窓を開け外を覗いた。
その時、何かが母の首元を通ったように見えた。
「ーーえ?」
気がつくと、母の頭がコロコロと足元に転がっていた。
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