創造と学習のスキルを手に入れたので薬でステ上げします

蒼沢そら

ハロー、ワールド(1/2)

目が覚めると、森の木々が視界を埋めつくした。
「・・・おぉ。」
感嘆の言葉を呟きながらゆっくりと起き上がり、周りを見渡す。
青い空。広大な針葉樹林。
「・・・本当に転移してるじゃんか。」
そう言いながら森の中を進む。

見たことも無い植物、生き物。そこは俺にとって夢のような世界だった。

―あの胡散臭いちびっ子ロキ、ほんとに神様だったんだなぁ・・・


そんなことを考えているときだった。

「―グオォォォォォ!!!」

背後から怪物―まるでゲームのオーガのようなイキモノが現れた。




「うおぉぉぉぉぉぉ!!?」

オーガの棍棒の一撃をスレスレで躱す。
オーガは再び棍棒を構え、1発1発が必殺の一撃を俺に叩き込んでくる。

それらをギリギリで躱しながら走る。走る。走る。

しかし走っても走っても追いつかれては躱しを繰り返し、いつの間にか森を抜けて平原へと出ていた。

「グアァァァァアァア!!」

オーガが棍棒を薙ぐようにして振る。突然の回避不能の一撃をまともに喰らい、俺は吹き飛ばされた。
「ぐっ・・・・・・うぅ」

痛い。トラックに撥ねられた時と同等の痛みが俺を襲う。

―死ぬ。せっかく一生をやり直せたのに、また死ぬのか・・・俺は。

1歩、また1歩とオーガが迫る。


―せめて、もう少し長生きしたかったんだけどなぁ・・・

棍棒が持ち上げられる。俺は静かに目を閉じた。



―しかし、棍棒は振り下ろされなかった。


「―ハァァァァッ!!」

雄叫び。肉を裂く音。再び目を開けると、そこには全身鎧フルプレートを纏った少女がいた。




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