不死鳥の恋よ、安らかに眠れ
展望台
女の白衣を捲り上げて、男が背後から突いていた。
バンバンバンと、肉が叩き合う音が、紅獅子城の天守閣に響く。
女は細身だが、尻と桃はふくよかで、男を満足させていた。
妙齢だが、肌の色は白く、鼻筋も通っており、美人といってよい。
男は壮年に差し掛かる年齢だったが、まだまだ精力衰えぬようだった。
終わらぬ腰の反復運動に、女は悲鳴のような声で喘ぎ続けた。
傍らには、青い鎧が置いてある。
男は、将軍カイゼルだ。
女は我を忘れ、よだれを垂らし、さらに乱れた。
彼女は、宮廷魔道士マディンだった。
王の側近である二人は、天守閣で情事にいそしんでいた。
人払いはしてあった。
天守閣には展望台があり、巨大な望遠鏡が太陽に向けられている。
カイゼルは、なかなか絶頂に達しないようだった。
マディンは、彼のつらそうな表情に気がついた。
「……ムリ?」
「いや……」
カイゼルは、否定したが、一度腰を引いて、マディンの中から引き抜いた。
二人を繋ぐ液体の一部が、床に染みを作った。
「……やはり王に、報告せねば」
「何を? あれを?」
マディンは、皮肉な笑いを浮かべて、望遠鏡と空に顎を向けた。
「そうだ」
「あなたの甥っ子がいかに強くても、あれには、どうしようもないわ」
「たしかにそうだが……」
「どうせ、わたしたちはあと一刻もすれば死ぬの。ならば、最後くらい、楽しみましょう。ときどきぶつかりもしたけど、あなたのことは、それほど嫌いじゃないわ」
マディンは、懐から一粒の錠剤を取り出した。
唇で甘噛みをして、その粒を加えると、口移しでカイゼルに与えた。
「……とっておきの媚薬よ。獣化の薬を改良したの。これでもう、余計な雑念はなくなるわ。ただ、快楽を求めればいい。わたしを、何度も気持ちよくして」
ぶつり、とカイゼルの目から理性が消えた。
息が荒くなり、筋肉に欠陥が浮き出た。
陰茎が屹立し、蒸気を発する。
マディンは白衣をふたたびまくり、丸いお尻を突き出した。
「さあ、ここに」
白い臀部の真ん中の、果実のような色の割れ目に、カイゼルを誘う。
我を失ったカイゼルは、そこに自分のものを入れて、突きまくった。
「あぁぁぁぁ! いいわぁ! あぁぁぁ! もっとぉぉぉ!」
マディンは、魔道士の顔を脱ぎ捨て、一人の女、いや、もはや一匹の雌と化していた。
彼女も媚薬を口にしたのか、その目から理性は消えていた。
二人は、つい先程、望遠鏡で見てしまった。
天空に、炎の包まれた集団が出現した。
太陽の方向からやってくる、アグンの兵。
不死鳥。
この国最強の人間である紅獅子王カールが、全身火傷を負って、ようやく捕らえた。
国一番の魔道士マディンが、その魔力のすべてを使って、氷の牢に閉じ込めている不死鳥。
殺すことも、飼い慣らすこともできない。
危険極まりない生物。
それが、数千、いや、数万の大群となって、空から現れたのだ。
まるで、紅い雨のように。
バンバンバンと、肉が叩き合う音が、紅獅子城の天守閣に響く。
女は細身だが、尻と桃はふくよかで、男を満足させていた。
妙齢だが、肌の色は白く、鼻筋も通っており、美人といってよい。
男は壮年に差し掛かる年齢だったが、まだまだ精力衰えぬようだった。
終わらぬ腰の反復運動に、女は悲鳴のような声で喘ぎ続けた。
傍らには、青い鎧が置いてある。
男は、将軍カイゼルだ。
女は我を忘れ、よだれを垂らし、さらに乱れた。
彼女は、宮廷魔道士マディンだった。
王の側近である二人は、天守閣で情事にいそしんでいた。
人払いはしてあった。
天守閣には展望台があり、巨大な望遠鏡が太陽に向けられている。
カイゼルは、なかなか絶頂に達しないようだった。
マディンは、彼のつらそうな表情に気がついた。
「……ムリ?」
「いや……」
カイゼルは、否定したが、一度腰を引いて、マディンの中から引き抜いた。
二人を繋ぐ液体の一部が、床に染みを作った。
「……やはり王に、報告せねば」
「何を? あれを?」
マディンは、皮肉な笑いを浮かべて、望遠鏡と空に顎を向けた。
「そうだ」
「あなたの甥っ子がいかに強くても、あれには、どうしようもないわ」
「たしかにそうだが……」
「どうせ、わたしたちはあと一刻もすれば死ぬの。ならば、最後くらい、楽しみましょう。ときどきぶつかりもしたけど、あなたのことは、それほど嫌いじゃないわ」
マディンは、懐から一粒の錠剤を取り出した。
唇で甘噛みをして、その粒を加えると、口移しでカイゼルに与えた。
「……とっておきの媚薬よ。獣化の薬を改良したの。これでもう、余計な雑念はなくなるわ。ただ、快楽を求めればいい。わたしを、何度も気持ちよくして」
ぶつり、とカイゼルの目から理性が消えた。
息が荒くなり、筋肉に欠陥が浮き出た。
陰茎が屹立し、蒸気を発する。
マディンは白衣をふたたびまくり、丸いお尻を突き出した。
「さあ、ここに」
白い臀部の真ん中の、果実のような色の割れ目に、カイゼルを誘う。
我を失ったカイゼルは、そこに自分のものを入れて、突きまくった。
「あぁぁぁぁ! いいわぁ! あぁぁぁ! もっとぉぉぉ!」
マディンは、魔道士の顔を脱ぎ捨て、一人の女、いや、もはや一匹の雌と化していた。
彼女も媚薬を口にしたのか、その目から理性は消えていた。
二人は、つい先程、望遠鏡で見てしまった。
天空に、炎の包まれた集団が出現した。
太陽の方向からやってくる、アグンの兵。
不死鳥。
この国最強の人間である紅獅子王カールが、全身火傷を負って、ようやく捕らえた。
国一番の魔道士マディンが、その魔力のすべてを使って、氷の牢に閉じ込めている不死鳥。
殺すことも、飼い慣らすこともできない。
危険極まりない生物。
それが、数千、いや、数万の大群となって、空から現れたのだ。
まるで、紅い雨のように。
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