不死鳥の恋よ、安らかに眠れ
空き部屋の二人①
「空いてる部屋はないんだ。ここで寝泊まりしな」
ユウは、小さな部屋に二人を案内した。
物置のようだった。
ガラクタを整理したら、なんとか二人で横たわるスペースくらいは、確保できそうだ。
毛布を渡される。
「二人、いっしょにか?」
ルッカは、戸惑いながら聞いた。
「お前が守ってやるって、言ってたじゃないか」
「そうだけど……」
「ここだって、男はいっぱいいるぞ。とくにアンドレあたりは、その娘を気にいってたみたいだからね。早速、夜這いにくるかもしれないよ。あいつは手が早いんだ」
冗談か本気かよくわからなかった。
ユウは、まじめな顔をしていた。
「あの、ユウさん……」
「ユウ、でいいよ。エイミー」
「ではユウ、ありがとうございます。作戦、考えてくださることになって……」
「本当にできるかは分からないけどね。あの薬をリーダーが使わせてくれれば、なんとかなるかもしれないんだけど……」
「あの薬?」
「六鬼が、満月でなくとも獣化できるのは、王国にマディンという魔女がいるからなのさ」
「マディン……」
ルッカは、エイミーをみた。
エイミーは首を横に振った。
彼女も初耳のようだ。
「その女が、獣化の薬を調合している。うちのリーダーは、かつて彼女の弟子だった。それで、ここでも研究を続けていた。最近になって、近いものを調合できるようになったらしいんだ」
「それを使えれば、アナを救える……」
「かもしれない。しかし、王城の状況を調べなくてはなんともいえない。アナがどこに囚われているのか、警備はどの程度なのか」
「どうやって、調べるんだ?」
ユウは、頭をかきむしった。
「それが、一番の問題なんだよ」
ルッカとエイミーは、何も言えなかった。
彼らにだって、どうしようもない。
ユウに任せるしないのだ。
ユウが去ると、二人はとりあえず部屋を整理した。
充分といえるスペースは確保出来ず、肩がくっつく距離で横になった。
ルッカは、なんだか落ち着かなかった。
エイミーも、どこかそわそわしていた。
君は先に寝ろ。
白銀のルッカが、心の中で言った。
「じゃあ、先に寝る」
「う、うん……おやすみ」
「おやすみ」
体を借りるよ。
蒼のルッカの意識が沈んだあと、白銀のルッカが主導権をとった。
「ねえ、エイミー」
「え、寝たんじゃないの?」
「やっぱり、もう少し話をしないか?」
白銀のルッカは、エイミーを見た。
近い距離にお互いの顔があった。
彼女も、ルッカを見つめていた。
「はい」
エイミーは、嬉しそうに微笑んだ。
ユウは、小さな部屋に二人を案内した。
物置のようだった。
ガラクタを整理したら、なんとか二人で横たわるスペースくらいは、確保できそうだ。
毛布を渡される。
「二人、いっしょにか?」
ルッカは、戸惑いながら聞いた。
「お前が守ってやるって、言ってたじゃないか」
「そうだけど……」
「ここだって、男はいっぱいいるぞ。とくにアンドレあたりは、その娘を気にいってたみたいだからね。早速、夜這いにくるかもしれないよ。あいつは手が早いんだ」
冗談か本気かよくわからなかった。
ユウは、まじめな顔をしていた。
「あの、ユウさん……」
「ユウ、でいいよ。エイミー」
「ではユウ、ありがとうございます。作戦、考えてくださることになって……」
「本当にできるかは分からないけどね。あの薬をリーダーが使わせてくれれば、なんとかなるかもしれないんだけど……」
「あの薬?」
「六鬼が、満月でなくとも獣化できるのは、王国にマディンという魔女がいるからなのさ」
「マディン……」
ルッカは、エイミーをみた。
エイミーは首を横に振った。
彼女も初耳のようだ。
「その女が、獣化の薬を調合している。うちのリーダーは、かつて彼女の弟子だった。それで、ここでも研究を続けていた。最近になって、近いものを調合できるようになったらしいんだ」
「それを使えれば、アナを救える……」
「かもしれない。しかし、王城の状況を調べなくてはなんともいえない。アナがどこに囚われているのか、警備はどの程度なのか」
「どうやって、調べるんだ?」
ユウは、頭をかきむしった。
「それが、一番の問題なんだよ」
ルッカとエイミーは、何も言えなかった。
彼らにだって、どうしようもない。
ユウに任せるしないのだ。
ユウが去ると、二人はとりあえず部屋を整理した。
充分といえるスペースは確保出来ず、肩がくっつく距離で横になった。
ルッカは、なんだか落ち着かなかった。
エイミーも、どこかそわそわしていた。
君は先に寝ろ。
白銀のルッカが、心の中で言った。
「じゃあ、先に寝る」
「う、うん……おやすみ」
「おやすみ」
体を借りるよ。
蒼のルッカの意識が沈んだあと、白銀のルッカが主導権をとった。
「ねえ、エイミー」
「え、寝たんじゃないの?」
「やっぱり、もう少し話をしないか?」
白銀のルッカは、エイミーを見た。
近い距離にお互いの顔があった。
彼女も、ルッカを見つめていた。
「はい」
エイミーは、嬉しそうに微笑んだ。
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