不死鳥の恋よ、安らかに眠れ

ノベルバユーザー304215

甘美な時間

「ねえ」

 エイミーは、アナの顔を見つめながらささやいた。

「なあに?」

 アナはうとうとしかけていたが、その声で目を覚ます。

「あの人、本当に信用できるの?」

「たぶんね。弱そうだけど、仲間は多い方がいいでしょ?」

 二人は、同じ部屋の寝床に入っていた。

 どちらも衣服は着ていない。

「別に、二人だけでいいじゃない」

 エイミーは、頬を膨らませた。

 アナは、そんなエイミーをじっと見つめる。

 アナの肌は、健康的で、豊満だった。

 エイミーは色白で、腕も脚も華奢だ。

「妬いてるの?」

 アナは、にんまりした。

「別に……」

 アナは、エイミーの髪を撫でて、自分に引き寄せた。

 小さな唇を、自分の唇で覆いかぶせる。

 無言で、二人はお互いを味わった。

「あぅん……」

 アナの手のひらが、エイミーの尻を撫でた。

 するりと、指先が恥毛の中に入っていった。

「やめて……」

「いやなの?」

「いやじゃ、ないけど……」

 エイミー瞳を潤ませて、顔を赤らめた。

「あの人、ルッカに気づかれるわ……今夜は満月よ。異国人とはいえ、あの人も男。豹変するかも」

「エイミーが声を出さなければ、気づかれないわよ」

 アナの指先は、エイミーの内股の間ですばやく動いた。

 指先が、すぐにぬめぬめと濡れていった。

「ほら、こんなに喜んでいる……」

「あ……」

 エイミーは反論しなかった。

 アナの愛撫に身を任せた。

 アナは、頭を下げて、エイミーの乳房に頬をうずめた。

 乳首の位置をさぐると、優しく口に含む。

「ああん……」

 指の運動は止めずに、違うリズムで、乳首を含んだ舌を転がす。

「あああ……だめ……」

「声を出さないでって」

 アナは、一度乳房から離れて、からかうようにささやいた。

「だって……」

「あ!」

 今度は、エイミーの右手の指が、アナの太ももの間に侵入してきた。

 エイミーの指先は細くて長い。

 さらにエイミーは、左手でアナの胸を揉み始めた。

 どちらもアナの動きより激しかった。

「ああ……」

 不意打ちに、アナの手は止まった。

 二人の表情は、どちらも同じようにとろけている。

「お返しよ。本当は、アナがして欲しかったんでしょ?」

 ぐいと胸を鷲掴みにして、もう片方の指先で、股間の奥まで突いた。

「……ああぁ!」

「ダメよ、声を出しちゃ」

「エイミー……」

「なに?」

「……好きよ」

「私もよ、アナ」

 二人は抱き合い、再び長い口づけをした。

 突然、二人の甘美な時間を打ち消すように、ドアが激しく叩かれた。

 同じ部屋で寝ていた虎たちが一斉に眼を覚ました。
 

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