3丁目の駄菓子屋

暁 梓月

「おばちゃんの手垢〈前編〉」

  うまい棒は今まで食べたことがない程うまかった。理由はなんとなくわかっていた。おれは泣きながら言った。
「バ……おばちゃんの手垢美味しい。」
  おばちゃんは満足げにこう言った。
「あたいの手垢は8000円だよ。」
「は?嘘だろ?」
「本当だよ。疑うならネットで調べてみるといい。」
  僕は言われた通り調べてみた。すると、ネットの急上昇ワードランキングの一番上にこういう言葉があった。思わず口に出してしまった。
「おばあちゃんのうますぎる手垢!?」
 
  

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