行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第五十三話 再会そして戦準備
二人の元魔王を連れてエルドラドに戻ってきた冬太達だったが
、戻ってきたエルドラドは赤い熊だらけになっていた。
「これはどういう事ですか~!?レッドビーベアがこんなにいるなんて里の皆は大丈夫でしょうか~」
エルフの里に向かおうとするとどのレッドビーベアよりも大きいな個体が冬太に抱きつく。
エスナやデッカ、シリウスが臨戦態勢をとる中、冬太はベロベロと顔をなめ回されていた。
「も、もしかしてみゆき!? 何でここに?」
「ぐがぐがぐがぐがぐわぁ」
「ふむふむ、なるほど。トウタが異世界に転移した気配を感じて、転移後の魔力の歪みをこじ開け、この異世界に来て今までトウタを探していたらしいよ」
同じ魔獣どうしで言葉がわかるのかシリウスがみゆきが言ってる事を訳する。
「すごいねぇみゆき、そんな事ができたんだ。それよりも一人で異世界に行ってごめんな。それから追いかけてきてくれてありがとう」
みゆきは冬太に久しぶりに会えて嬉しいのかベロベロ甘えまくる」
「ははっ、みゆきは相変わらず甘えん坊だなぁ」
冬太もじゃれあいを楽しむ中エスナがガタガタ震えながら「トウタ君、そ、その熊さんは、長らく行方不明だったレッドビーベアの女王――レッドビークイーンベアですよ~」
「へぇ、そうなんだ。それじゃあ何で僕がいた世界の山に居たんだろう?」
「ぐがぐがぐが」
「ふむふむ、幼いときに黒い渦に飲み込まれて気付いたらトウタの世界にいたらしいよ」
「そうだったんだね。でもそのおかげで僕達出会えたからよかったね」
みゆきは、「ぐがぐが」と鳴きながら頭を冬太の顔に擦り付けて甘える。
みゆき以外の熊を浜辺に残してエルフの里に行くとエルフ達が臨戦態勢をとっていた。
レッドビーべアが急にエルドラドに集まってきた為、戦いの準備をしていたらしい。
冬太はみゆきの頭を撫でながら、エルフや皇帝達の誤解を解く。
「トウタ殿には毎回驚かされるな。レッドビークイーンベアと言えば、三害のバハムト、リヴァイアサン、ベヒーモスよりも場合によっては脅威とみなされている特級魔獣ですよ」
エルフ族族長トーリが興奮した様子でトウタたじゃれるみゆきを見つめる。
「それで園長には僕達が生きてる事は伝えたんですよね?」
「はい、仲間の一人を魔王国に向かわせたのですが、返ってきた返事が『無事で何よりだ。だがもうこの戦争は止まらない』と言っていたそうです」
「……そうですか。皇帝陛下そちらの反乱軍の方はどうなっています?」
「我が帝国の四大貴族の中でも魔族との共存を昔から訴えてきたラナセイル公爵家に密偵を送って同士を集めてもらっている。動物園、水族館、植物園の影響で共存を望む同士が思った以上に居るらしくてな。昔はラナセイル公爵をバカにしていたが、今思うとバカだったのは儂の方だったと本当に強く思う」
「でもあなたは変わった。そして戦争を止めてくれようとしている。それだけでどれだけの人が救われるか」
「そうじゃな、反乱軍の指揮はまかせい。しかし、肝心のドラゴンはどうやって抑える?」
「任せてください、こっちには強力な仲間がいます。魔王国初代魔王様のデッカさんです」
「初代魔王デッカ·パイだ。此度の王が愚者でなくて安心したぞ。よろしく頼む」
その名前を聞いて笑いを必死に堪えている者が数名いる。
なぜならシリウスにボディブローをされるから。
「この戦争を終わらせる鍵は竜王の卵をどうやって無事に保護するかですが、シリウスが爆発札などの対処になれているそうなんです。だから魔界側を止めるのは僕とみゆき達レッドビーベア部隊と魔王デッカさんで止めます。肝心なのは人間界側でまず大半の人間軍を海に誘き寄せ、リヴァイアサン様に足止めをお願いしてます。そして皇帝が反乱軍を率いて大陸にいる人間軍を抑えているうちに帝国の城に詳しいエスナさんとシリウス、ランガさんで卵な保護をお願いします。ジパンからも救援物資を届けてくれるらしいので食べ物の心配はしないで思いっきり戦争を止めるのに集中しましょう!!」
◆◆◆
魔王の軍側戦力
獣牙のカリオン軍一万、九尾のキョウカ軍一万、悪夢のリリスはランガ元帥の軍も借り受けており二万、魔王の近衛騎士百人。
そしてそこに地害のベヒーモスも加わっている。
それに対するは、冬太とみゆきとみゆきの配下千体、そして初代魔王デッカが対応する事になる。
一方、人間側の戦力
スルト皇太子軍三万、メリクルス公爵軍三万、マイルズ皇太子軍三万、カーミラ軍三万、そしてバハムト率いるドラゴン百体。
それに対するは、皇帝率いる五万の反乱軍と、海神リヴァイアサン、魔力が戻った賢者エスナ、白狼剣のランガ、二代目魔王のシリウス·ブラッドリリー。そして動物園から勇者と鵺のコンビが加わり人間軍を抑える事になった。
ジパンの国からの救援物資とエルドラドのエルフ達が後方支援をしてくれる。
さぁ、準備は整った。この異世界史上最も大きな戦いが今始まる。
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