行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第三十話 その前に
リヴァイアサンに会いに行く前に一度動物園に戻る事にした魔王一行。
転移魔法で戻って来るとベヒ子が飛びついてきた。
僕を充分に舐め終わると、次は魔王の元へ行き舐め回す。
「うぅー、やっぱりなついてくれるのはお前だけだベヒ子~」
今回の海洋魔獣達に嫌われまくったのが余ほどこたえたらしく、ベヒ子で心を癒やす。
ベヒ子で癒されていると、いない間、園長代理に昇格した元見習い飼育員であり勇者であるアリサがやってきた。
「もうやっと戻ってきた! 冬太君がいない間、忙しいし、魔獣達は寂しがるはで大変だったんだから!」
「そうなんですか。じゃあリヴァイアサンの所に行く前に皆に顔を出さないといけないですね」
「えっ? またすぐに出かけるの? それにリヴァイアサンの所に行くなんてそんな面白そうなのまた私抜きで行くき?」
「すみません、園長の代わりを勤められるのがアリサさんしかいなくて」
「私しか代わりがいない? ……まぁそう言われたらやってやるしかないわよね」
勇者がチョロくて助かったところで最後の一押し。
「ありがとうございます。あとお土産もあるんですよ」
鞄からたこ焼きの入った容器を渡す、
「これってたこ焼きじゃない! モグモグ……しかもかなり旨い!」
「園長代理をしてくれていたらたこ焼き以外のお土産も持ってきますから」
「喜んで園長代理させてもらうわ!」
勇者が単純でよかったと思いなから、冬太は寂しがっている動物達のところを回っていく。
動物達は確かに寂しがっていたが、冬太は一つ気づいた点があった。
「なんか動物達、アリサさんになついてません?」
アリサは魔王にどや顔でホーンラビットを抱く。
「ふふっ、そりゃ誰かさんと違って園長として世話をしっかりしたもの」
ギリッと歯を鳴らし悔しがる魔王。
唯一の嫌われ仲間であった勇者がいつの間にか魔獣達と仲良くなっているのを見て余程悔しかったのか自分もホーンラビットに触ろうとするが、見事に角で突撃されてる。
「おのれ~、帰ってきたら絶対なつかせてみせるからな!」
一通り魔獣達と久しぶりにふれあい終わって、夕食を魔王、エスナ、アリサ、ベヒ子ととっている。
「ですぐにリヴァイアサンの所に行くのに何で動物園に戻ってきたの?」
 
「さすがにリヴァイアサンの所に行くのに僕とエスナさんと園長と人魚のオリアナさんだけじゃ不安だからベヒ子も連れて行こうって園長が」
「べ、別にベヒ子がいないのが寂しいとか思っている訳じゃないぞ! あくまでリヴァイアサンと戦闘になった場合の事を考えてだな。一対一なら私もリヴァイアサンとまともに戦える自信はあるが、冬太達を守りながらだと、ちときつい。だからベヒ子には皆を守ってもらおうと思ってな。頼むぞベヒ子!」
「ベヒー!」
魔王のベヒ子と一緒に居たい下心にも気付かずベヒ子は鳴き声でやる気を見せる。
とりあえず今日は動物園のスタッフ寮に止まって明日の朝オリアナと合流してリヴァイアサンの所へ行くことになった。
ちなみに冬太だけワイバーンの寝床にすし詰め状態で魔獣達と一晩過ごす事になった。
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