行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第二十七話 水族館建設と海洋魔獣の捕獲
現在、動物園は勇者や他のスタッフに任せて、魔王とエスナと冬太は人魚族の集落に来ていた。
早速水族館を建てる場所を決める。
ただし建てるのは海の上。
海の上に建て、地下まで降りれるように建築すると、魚や海洋魔獣の生態を直接みれる構造になる。
全面強度の高いガラス張りにして自然に泳いでいる様を見せられる。あとは海の中のトンネルを作るのもオシャレかもしれないと冬太は考えている。
建物の見通しは立った。
あとは魔王やエスナが土魔法で建てるだけ。
とりあえずこの様な建物を海の上に建てましょう。
「ほう、これは中々洒落ているな」
「さすがトウタ君です~」
魔王とエスナが冬太の建築案を褒めるな中、オリアナはあっという間に建築案を出した冬太に驚いていた。
「トウタ殿、あなたは何なんですか?」
「ただの動物好きですよ」
絶対違うとオリアナは心の中で叫んだ。
「建物の構想は出来ましたし、次は魔獣の確保ですね。できればペンギンやイルカ、アシカ、オットセイ、ラッコなんかのマスコットになりやすい魔獣がいるといいんですが」
「今言ったもの全部居るぞ。ただし狂暴だがな」
「そうですか。じゃあ早速捕まえに行きましょう!」
「ちょっと待って下さい! 今言った魔獣全部が獰猛で私達海で生きている人魚でさえ、容易に近付けないんですよ!」
冬太のあまりにあっさりとした発言にオリアナは厳しく注意する。
「ふふふ、トウタと会った奴らはまったく同じリアクションをするな。オリアナよ、安心していいぞ。トウタは動物や魔獣を飼い慣らすプロだからな」
魔王が言うならと、オリアナは他の人魚族数名とまず最初にドリルペンギンのいる場所へ渋々案内する。
ドリルペンギン――その由来は身体を回転させてクチバシでドリルの様に突撃してくるから。
敵と任期した瞬間、突撃してくる危険な魔獣だったはず。
そのドリルペンギン達が翼を身体を撫でてと翼をパタパタさせて冬太に甘えている。
「オリアナさんも撫でてみますか?」
「私が撫でても大丈夫でしょうか」
「ほら、エスナさんだって触れてるし、オリアナさんも触れますよ」
エスナが幸せそうに触ってるのを見て、恐る恐る撫でてみると気持ちよさそうに頭をこちらに向けてくれる。
「本当に触れた。こうして見るとドリルペンギンも可愛いな」
オリアナさん始め、他の人魚達もドリルペンギンを触って魔獣への考え方が変わったようだ。
冬太、エスナ、オリアナ、他の人魚達がドリルペンギンに癒されている中、魔王は無数のドリルペンギンの突撃を必死にかわしていた。
このあと、同じ様に魔獣の魔イルカや魔アシカや魔オットセイ、魔ラッコを同じ様に手懐けていく冬太。
その他にも海に生息する亀――ジェットタートルや凶暴なタイガーシャークに珍しいクラゲや魚を捕まえていく。
オリアナはまさか何でも食らうタイガーシャークさえもなつかせるとは思っておらず、言わずにはいられなかった。
「トウタさん、あなた本当に何者なんですか!?」
「だからただの動物好きですって」
「絶対に違いますっ!!」
「ええ、違うと言われても」
オリアナと冬太の言い合いの横で相変わらず魔獣達に攻撃されてる魔王。
「とりあえず冬太私を助けろ!」
しょうがないと言わんばかりに魔獣達に言い聞かせて水族館へ魔獣達を移動させる。
「でもエスナさんってすごいですよね。言ってすぐに言われた通りの建物を作れるんだから」
「そうだろう! エスナは魔界では賢者と呼ばれる程の魔法の使い手だからな!」
何故か魔王が威張っているが、エスナの魔法のおかげでその日のうちに魔獣達を水族館へ移動できた。
しかし、まだオープン出来ない。
その原因は海洋魔獣達の餌である。
なぜなら人間達に漁場を荒らされ、乱獲されたため、魔獣達に与える餌が不足しているのだ。
だが冬太はまた一つのアイデアを浮かべていた。
「オリアナさん。人魚の集落近くの岸辺の海で養殖してみませんか?」
魔王やエスナ、オリアナ、その場にいる皆が首を傾げる。
「「「養殖?」」」
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