行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第二十四話 飛空挺内にて
現在、飛空挺にて皇帝、宰相、皇后が話し合っている。
「やはり人から聴くのと、自分で見るのとは違うな。あの動物園は細部にまでこだわって作られていた。それに比べ我が国の動物園のレベルの低さ。あれは早急に改善せねばな」
「そうですな、早急に作り直す様に手配します」
「でも、本当にあそこの料理は美味しかったですわ。レシピまで頂いて、私達は大きな誤解をしていたのかも知れませんね」
王妃が少女からもらった桃薔薇水晶を手に取りながら皇帝にめを向ける。
皇帝も頷き、「魔界の住人は野蛮で凶悪な魔族だと思っていた。だが、実際に野蛮だったのは、我々人間界の人間達の方だったらしい。だいたい、エネルギー源になる魔石も奪うのではなく、お互いに必要な物を交換すれば良いだけの筈だったのだ。昔から魔人は悪い者と教育されたのも弊害だな、これからお互いに輸出入をするのにあたって貴族達はいい顔をせんだろう」
「はい、四大貴族の内三貴族は魔族を毛嫌いしてますし、失礼ですが、陛下の息子である皇太子も魔族の事を大変嫌っております」
「それは全て儂の不徳の致すところ。元々儂自信が魔族を嫌っておったからの。だが、実際は、魔族ともわかりあえると異世界の少年カシワギトウタを見て思った。あれほど脅威を感じた魔獣達とも仲良くなれるなら魔族と人間族もわかりあえると確信した」
「ええ、私も仲良くなれると今回の事で強く思いましたわ」
「ええ、私もです。ですが未だに帝国国民の魔族の評価は悪く、これを覆すには大変ですぞ!」
「わかっておる。これから魔王国と仲良くなるにはあまりにも多すぎる問題があることは。だがやらねばならぬ。今日の魔人の家族の様な人の優しさを知った以上は!」
三人共に頷き、今から起こる多くの問題に覚悟した。
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