行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第十話 アスファルト帝国にて②
アスファルト帝国皇帝の自室にて。
「バカなっ!!我が帝国の人間達が魔界の動物園に流れてるだと!」
額に青筋をたて憤慨するアスファルト帝国皇帝バルドラ。
「まさかこんなことになるとは」
宰相ケルムも予想外の事態に動揺している。
「どうするのだ、このままでは魔界を侵略出来んぞ!」
「どうするのだと言われても…………いいえ、良い手がありますぞ!」
「ほう、良い手とは?」
「現在、陛下の帝国は、魔界の土地を担保にお金を貸していますよね?」
「ああ、三年の内に返してもらう契約にしてるな。到底返せないと思ったが」
「その契約を早めてあちらの動物園の土地を動物園ごともらうのです!」
「確かにそれが出来るなら我が帝国はかなり潤うが、それは契約を破る事にならぬか?」
「そこは、帝国と魔王国が平和条約を結んだ時にかわした著作権を使うのです!」
「なるほど!動物園は我が帝国のアイデアだから、アイデア料を高くふっかけるのだな」
「その通りです。そしてそんな金を魔王国が持っている筈もない。泣く泣く動物園の土地を譲るしか魔王はできないでしょうな」
意気揚々と自分のアイデアを告げる宰相ケルム。
「ぬははっ、さすが我が帝国の宰相。お主も悪よな~」
「いえいえ、皇帝陛下にはかないますまい」
皇帝私室にて二人の高笑いが起きてる事など誰も知らない。
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