俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる
早速シェイラが実践に
シェイラが部屋を出た後、部屋にまだいた俺にも部屋の外からどよめきの声が聞こえてきた。
今まで来ていた煌びやかなドレスっぽい服装から、一転して俺とそんなに変わりのないジャージっぽい服に変わった。
髪の毛も紐っぽいものでポニーテールっぽくしてた。
驚く反応も当然予想できるよな。
それだけ関心を持たれてたってことだ。
その声の消え方がそれぞれ穏やかだ。
シェイラが彼らに受け入れられているってことなんだろうが……。
部屋を出ると、俺の予想は当たってた。
シェイラは思いっきりふくれっ面になっている。
しかも顔を赤くしている。
「一々引っかかんな。腹を立てる原因は、お前がまだ動いてないってとこにある。とっとと動け。指輪預けるから袋取ってこい。穴は分かるな?」
自分にしかできないこと。
誰にでもできることを自分がやること。
それらが不特定多数の者達に喜ばれる結果に結び付けたがっている。
シェイラが求める結果が生まれるまでの障害にイラつく気持ちも分かる。
救世主だなんだって、さんざん言われてたからな。
他人から勝手に決め付けられることの不快さなら十分体験済みだ。
そして、俺も気をつけなきゃならんことでもある。
こんな子供が平気な顔をして、一度に十キロの米袋を三つ持ち上げて運ぶ。
子供という思い込みが、目を丸くして驚く心の作用の一つになる。
シェイラには、それはできて当然のこと。
ならば俺も、シェイラならできて当然と思ってやらんと、馬鹿にされているという誤解を与えてしまう。
「はい、袋六つでいいわよね?」
「あぁ。助かる」
指輪を受け取って米を計量する作業に入る。
肉体疲労もなく米袋を移動してもらえた。
減るはずだった体力は、別の作業に使うことができる。
これは間違いなく、俺にとっちゃ助かることで、シェイラへの印象ではない。
それでも不満そうな顔をしている。
全くもって俺より面倒くさい性格だ。
ま、子供だからしょうがないか?
で、ここでまた一つ実験をしてみる。
シェイラが光を浴びせたのは米だけだったが、今回は握り飯に光を当ててみる。
「同じ力量でより多くの効果が出る方がいいだろ?」
「まぁ……そうね」
握り飯作りの間、シェイラは俺のそばにただいるだけ。
コルトにもやらせなかったことだ。
いつまでも俺の手伝いをしてくれるわけじゃないことは分かるからな。
米袋を運ぶのが難儀になったら、台車とかを持ち込めば解決する話。
誰かに代役が利かない仕事手伝ってもらうことで、俺が楽になることがあったら、そいつがいなくなった後がつらく感じることになる。
それだけは避けるべき。
そして握り飯の時間がやってきた。
パフォーマンスを見せるつもりはなかったが、同じ魔力量を込めるため、シェイラの動作は自ずとここにいる連中の目を惹くことになった。
となれば、握り飯の効果は間違いなくその光が生み出したもの、と解釈される。
握り飯を食べ終わった順に、冒険者達から感謝の言葉が投げかけられた。
「何か……面倒くさいっ」
お前は俺か?
何か食わせてやれば元気になってくれるだろう、ということで握り飯の配給を始めたらしい。
俺はそれを引き継いだだけ。
命を救ってやろう、助けてやろうというつもりはほとんどない。
そんな大それたことなんかできゃしない人間だということを自覚してるから。
それはシェイラも同じだろう。
何か手伝えたら。何かの力になれたら。
こいつが持ってる意識はそんなもんだろう。
それが、涙を流さんばかりの感謝を示されたら、かえってこっちがひいてしまうというものだ。
それにしても……。
シェイラはいつまでここに居つくつもりなんだろうな。
今まで来ていた煌びやかなドレスっぽい服装から、一転して俺とそんなに変わりのないジャージっぽい服に変わった。
髪の毛も紐っぽいものでポニーテールっぽくしてた。
驚く反応も当然予想できるよな。
それだけ関心を持たれてたってことだ。
その声の消え方がそれぞれ穏やかだ。
シェイラが彼らに受け入れられているってことなんだろうが……。
部屋を出ると、俺の予想は当たってた。
シェイラは思いっきりふくれっ面になっている。
しかも顔を赤くしている。
「一々引っかかんな。腹を立てる原因は、お前がまだ動いてないってとこにある。とっとと動け。指輪預けるから袋取ってこい。穴は分かるな?」
自分にしかできないこと。
誰にでもできることを自分がやること。
それらが不特定多数の者達に喜ばれる結果に結び付けたがっている。
シェイラが求める結果が生まれるまでの障害にイラつく気持ちも分かる。
救世主だなんだって、さんざん言われてたからな。
他人から勝手に決め付けられることの不快さなら十分体験済みだ。
そして、俺も気をつけなきゃならんことでもある。
こんな子供が平気な顔をして、一度に十キロの米袋を三つ持ち上げて運ぶ。
子供という思い込みが、目を丸くして驚く心の作用の一つになる。
シェイラには、それはできて当然のこと。
ならば俺も、シェイラならできて当然と思ってやらんと、馬鹿にされているという誤解を与えてしまう。
「はい、袋六つでいいわよね?」
「あぁ。助かる」
指輪を受け取って米を計量する作業に入る。
肉体疲労もなく米袋を移動してもらえた。
減るはずだった体力は、別の作業に使うことができる。
これは間違いなく、俺にとっちゃ助かることで、シェイラへの印象ではない。
それでも不満そうな顔をしている。
全くもって俺より面倒くさい性格だ。
ま、子供だからしょうがないか?
で、ここでまた一つ実験をしてみる。
シェイラが光を浴びせたのは米だけだったが、今回は握り飯に光を当ててみる。
「同じ力量でより多くの効果が出る方がいいだろ?」
「まぁ……そうね」
握り飯作りの間、シェイラは俺のそばにただいるだけ。
コルトにもやらせなかったことだ。
いつまでも俺の手伝いをしてくれるわけじゃないことは分かるからな。
米袋を運ぶのが難儀になったら、台車とかを持ち込めば解決する話。
誰かに代役が利かない仕事手伝ってもらうことで、俺が楽になることがあったら、そいつがいなくなった後がつらく感じることになる。
それだけは避けるべき。
そして握り飯の時間がやってきた。
パフォーマンスを見せるつもりはなかったが、同じ魔力量を込めるため、シェイラの動作は自ずとここにいる連中の目を惹くことになった。
となれば、握り飯の効果は間違いなくその光が生み出したもの、と解釈される。
握り飯を食べ終わった順に、冒険者達から感謝の言葉が投げかけられた。
「何か……面倒くさいっ」
お前は俺か?
何か食わせてやれば元気になってくれるだろう、ということで握り飯の配給を始めたらしい。
俺はそれを引き継いだだけ。
命を救ってやろう、助けてやろうというつもりはほとんどない。
そんな大それたことなんかできゃしない人間だということを自覚してるから。
それはシェイラも同じだろう。
何か手伝えたら。何かの力になれたら。
こいつが持ってる意識はそんなもんだろう。
それが、涙を流さんばかりの感謝を示されたら、かえってこっちがひいてしまうというものだ。
それにしても……。
シェイラはいつまでここに居つくつもりなんだろうな。
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