吾輩は黒ボールペンである。

ノベルバユーザー302501

吾輩は黒ボールペンである。

吾輩は黒ボールペンである。名前は好きなようにつけてくれたまえ。俺がここに来たのはつい最近(と、言ってもほとんど暗闇なのものだから具体的に何日たったのかもわからないが)である。持ち主と出会ったのはある文房具店だった。おれは働き者ではないから途中で疲れてしまってインクを出すのをやめてしまう事がある。その度に持ち主はぶんぶんおれを振るのだ。その時はおれはインクなのかゲロなのかわからないものを出している。兎にも角にも、持ち主は初めは何度も使ってくれていたのだが、ここ数日(繰り返すが、おれの感覚であって実際はどうかわからない)全く使われなくなった。なんでもシャープなんちゃらというのが気に入ってしまったらしい。おれのそばに常にいた赤、青ボールペンの兄弟も「仲良くしような」などと言っている。おれにも似たような事を言ったが、今では邪魔者を見るような目で見てくる。おれも負けじと睨み返すとそっぽを向いてしまう。「今日も大活躍だったね」優しい声がする、消しゴムだ。(消しゴムというのは持ち主がそう呼ぶからおれが呼んでいるだけで別の名前があるのかもしれない。)妙に優しい声を出すので女と勘違いしそうである。こいつはとにかく優しい。この暗い空間の中でおれに優しくするのはこいつぐらいである。さて、いつものスタメンが話し始めたので、おれは端に移って大人しくしていることにする。(もっとも、それ以外にすることなどないのだが)だが、おれの定位置に何かがいる暗いから良くはわからないが見たこのない新しいやつがいる。「だれだ。」おれは定位置を取られた怒りを抑えて聞く。「誰だっていいじゃないか」陽気なハリのある声が返ってきた。「いいことはないそこはおれの場所だ」こんなに失礼な奴は見たことがない。赤、青ボールペンの野郎でも何も言いやしないがどくぐらいのことはする。「そんなのどこに書いてあるんだ?」「どこにも書いちゃいないさ、だが、そこはおれの場所と決まっている。」「なんだそりゃ」、、、沈黙が続く、どのくらいそうしていたのだろうか。「そうだ」、「何か」が沈黙を破った。「お前にここの外のことを教えてやろう。それでここの事は諦めてくれ。」「外のこと」に興味が無いわけではないから。「わかった」と返事をした。「じゃあまず手始めに、、、」こいつの話に興味津々なのを隠してその話を聞き始めるおれだった。

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