物渡り

ノベルバユーザー302214

22日目

今日はおもちゃの車になりました。
自分の周りには小さなおもちゃが沢山ばらまかれています。
そのまま時間が過ぎ、昼頃になると小さな子供が部屋に入ってきました。
飛行機や人形を両手に持って遊んでいます。
「ぶーん、ずだだだだだ、ぶーん、ひゅー、どーん」
自分に息子がいたらこんなふうに遊ぶのでしょうか...?
早く家に帰りたい...そんな思いが徐々に大きくなってきました。
「たいと、買い物行くからおもちゃ片付けて準備してね」
男の子のお父さんが部屋に入ってきました。
「やだー、まだ遊ぶー」
「前に留守番させたら泣いてただろ?さ、行こ?」
「やー!」
男の子は手に持っていたおもちゃをお父さんに投げつけます。
「こら!たいと!物を投げたらダメって言ってるだろ!」
「いーやーだー!」
男の子はもう一度おもちゃをお父さんに投げつけます。
「痛!」
お父さんの頭におもちゃが当たり、お父さんは倒れてしまいました。
「え...お父さん...?お父さん!お父さーん...!」
男の子は大きな声で泣いていました。そのまま部屋を出ると今度はお母さんを呼んでいます。
「おかーさーん...!おとーさんがー...!」
お母さんの袖を引っ張ってお父さんの所に連れてきました。
「お父さん!どうしたの!何があったの!おとうさーん!」
男の子はまだ泣き叫んでいます。
しばらくすると、突然お父さんが起き上がり、男の子を見つめました。
「こうなるからもう投げちゃダメだぞ?」
「わかった...」
男の子はまだ泣いていました。

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