物渡り

ノベルバユーザー302214

21日目

今日は包帯になりました。
目が覚めると私室の机の上に置かれていました。
同じく、机の上に置かれている時計は7:00前を示しています。ベッドには誰かがまだ布団に包まっているようです。
7:00になると目覚ましがなり、布団を勢いよく跳ね飛ばし、誰かが立ち上がります。
そのままカーテンを勢いよく開け、よく分からない言葉を呟いているので少しやばい人なんだと思いました。
「ふっ、今日も我が目覚めを祝福する聖なる光が眩しいな」
窓の外を眩しそうに眺め、しばらくすると部屋のドアの前まで行きました。
勢いよくドアを開けると次は大声で叫んでいます。
「朝だ!我が目覚めの時は来た!さぁ!我が目覚めを祝福するがいい!」
「うるさい!」
「黙れ!」
「朝から何考えてんだ!」
ものすごいバッシングに可哀想な気持ちが芽生えますが、自業自得なような気もします。
「はははっ、やはり我が目覚めを祝福するのは自然だけかのようだな...人間共は我を妬むものばかりのようだな、はっはっはっ!」
「黙れって言ってんだろ!」
「ほんとにうるさいから!」
「いい加減にしろ!」
「はははっ、まぁいいさ。朝の儀式をする!」
そういうと着替えを初め、右腕に謎の赤い液体を掛けています。
ネバネバとした液体を少しかけると、肘から手首までに塗り広げています。
塗り終わると次に自分を取り、腕にまいていきます。
「この液体が無ければ我が右腕に封印されし、闇の帝王ヴェイル・ガロフの力が解放されてしまっていただろう...」
突然の独り言に本当に大丈夫なのか心配になりました。
そして、あの赤い液体が身体に害があるのではないのか、とも心配になりました。
腕に巻き終わると、制服を着て製鞄を持ち、玄関に向かいました。
「朝食は要らない!我が魂は自然エネルギーが助けてくれる!心配するな!では闇の邪王共が巣食う城に行ってくる。我が帰還を待ち望むがいい!」
「死ね!」
「帰ってくんな!」
その声に返答する事はなく、ドアを開き、歩きだしました。
このまま学校に向かう度胸に驚きを感じました。

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