物渡り

ノベルバユーザー302214

12日目

今日は手紙になりました。
目が覚めると誰かの机の上にいました。
部屋にはベッドや本棚などがありますが、人はいないようです。
階段を駆け登る音が響き勢いよくドアが開かれました。
その後、ゆっくりと自分に近づき、自分を見つめています。その瞳は何かに迷っているようでした。
しばらく考え、自分を手に取ったり戻したりしてずっと唸っています。
「あぁあぁぁああ!」
「なに!?どうしたの!?」
「ごめんなさい!」
奇声を上げるほどに悩んでいるのでしょうか...?
「よし!もう大丈夫!きっと!たぶん、絶対...だい...じょうぶ......」
そう言うと顔を赤らめ、恥ずかしそうに俯いています。
「むりぃいいいい!」
「なに!どうしたの!?」
「ごめんなさい!」
「とりあえず...持っていこう...」
自分は持ち上げられ、製鞄の中に丁寧に入れられました。
学校に着き、ワイワイと騒ぐ声が聞こえ、少し懐かしく思いました。
授業が終わっていき、昼休みが過ぎ、SHRが終わりました。
そして、自分は鞄から取り出され、背中に隠されました。
「真夏くん、ちょっと...いいかな...」
「ん?あー、うん、いいけど。俺もちょっと言いたいことあるし」
「お?なんだなんだ?」
「おっと?これは??」
「あんた達は帰りなさいよ!明日のテストで死ぬわよ」
「「うゎぁあぁああぁ!」」
「お前嫌なこと思い出させんなよ...ほんとにやばいんだから...」
「いいよなぁ...成績トップクラスのお二人さんはさぁ...」
「帰れ帰れ〜!」
「うるせ!帰りますよー」
「はぁ...まじでやばいんだよなぁ...」
教室のドアをあける音がして、2人の気配が完全に消えました。
「...んで、要件は?」
「えと...」
「?」
2人が黙ったまま時間が過ぎていきます。
「好きです!付き合ってください!これが...これが私の気持ちです!」
その言葉と同時に自分は、目の前に経つ男の子に差し出されました。
「あ...ありがと...」
辿々しく手紙を受け取ったが、自分を突き出した女の子はまだ頭を下げたままでした。
「これ...僕の気持ちです...」
今度は自分の仲間が差し出されています。
ゆっくりと顔を上げた女の子は目に涙を溜めています。
「僕も好きです。付き合ってください!」
女の子は男の子にハグをして顔を見上げています。
「はい!喜んで!」
女の子は自分の告白に返事を貰っていないことに気づいていないようでした。

コメント

  • 朙

    頑張ります!
    読んでくれてありがとうございます。
    m(*_ _)m

    0
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