もふもふを探しています。

小狐

第4話

いま私の手にあるのは、これはルイさんのシャツだ。

どこから来たかは不明だけど…私は彼シャツをゲットした。着たい、絶対に着る。

しかし…

ゲームのカルノだと色っぽく着れるけど……ちんちくりんの私が着たらどうなる?ワンピースになる…?

「ほらそこ、丸まってないで着替えるぞ」


「「はい」」


「ぷっ…クック」

私の元気な返事を聞き。背中越しにルイさんの笑い声が聞こえた。なんて素敵な声なんだろう…

ゲームでは声がなかったから、わかんなかったけど、凛として澄んだ声なんだ。

ずーっと聞いていたい、彼に耳元で「好きだカルノ」なんて言われた日には悶えて死んでしまいそう。

「おい、動くな、少し触るぞ」

「「はひっ、どうぞ」」

いまルイさんに後ろのファスナーを、開けてるもらっている際中。「どうぞ」と言ったものの、私の後ろでルイさんの困る声が聞こえてきた。

「あれっ…掴めねーな。こら動くなチビ」

「はい」

どうやら虎さんのルイさんは手が大きくて、私の背中のファスナーは小さ過ぎたみたいだ。

「クソっ…難しいな」

私の後ろでつるつる逃げていく、ファスナーに悪戦苦闘中。

「ぷっ、ふふ」

困っているルイさん…可愛い…

「こらっ笑うな。おい、動くなよいまから爪を伸ばすから動くと危険だ。笑うのも禁止だからな」

「はい」

私は両手で自分の口を押さえ、笑うのを我慢した

ルイさんの爪がファスナーにカチッと当たり、ようやく少しファスナーが開いた。

「ふーっ、開いた……これでいいか?」

「ありがとう………あれっ?」

今度は私の短い腕では、ファスナーに届かず無理でした。腕を精一杯伸ばしても届かない。

飛んだり跳ねたり、手を伸ばしたり…そんな様子を見ていたルイさん…

「なんだ、もしかしてファスナーに届かないのか?」

「…はい…そうみたいです」

「そうか、もう少し下ろすから…」

少しと言いつつファスナーを全部下ろしてくれた。これで脱げる、ドレスとコルセット!?

「んっ?」

ドレスを脱ごうとしても動かない…じっと見てる?後ろから視線を感じる。

ルイさん、いつまでそこにいるの?全部見るの?

そうか…幼児体型だもの。見たってなんとも思わないかぁ……

しかし私は女の子、好きな人に見せるのはまだ恥ずかしい年頃なんですよ。

「あの…その見られていると恥ずかしい…です」

「うん?ああそうか、向こう向いてる」

「向こう?」

クルッと回って背を向けただけ、もう少し離れるとか、お隣の部屋に行くとかないの?

チラッと見ても動く気配なし…見ていないのを確認して…取り敢えずドレスを脱いだけど…

このコルセットって名前は知ってたけど…謎だ…ファスナーどこにも付いてない?

「これ…どうなってるの?」

私はどうやってこれをつけた?…いや、いつのまにかが正解だけど…どうしよう、頭をひねっていると…

「それって背中の紐を取るんじゃないのか?」

「えっ、背中の紐?」

言われた通り背中に手を伸ばすと、靴紐みたいに交互に紐が通ってる。

「そっか…この紐を取ればいいんだって…あれっ?」

ルイさんはコルセットの外し方を知っている?見たことある?まさか外したことがあるとか!?

いや近くに気配?

クルッと後ろを振り向くと、間近に私のコルセットを真剣に見つめる彼がいた。彼はニコッと笑いクルッと背を向けた。

「ちょっと、みっ…見ないって言ったのに…」

「だって、君は無防備すぎ…だよ」

と再度振り向いた彼。

「「「えっ……きゃっ」」」

急に手を引っ張られ一瞬で壁際に追いやられた?

パサっと下に落ちる彼シャツ…

後ろは壁で前は鋭い目のルイさん…

この状況…

これは漫画などでお馴染みの壁ドン。
私、ルイさんに壁ドンされてる。近くなった距離。目の前の彼を見上げると、彼の口角が上がっていた。

「ふっ、俺は見た目は虎だけど男だよ」

顔が近づき首筋をベロンと、彼のザラザラな舌で舐めあげられた。

「ひゃあっ……ん」

「動くな」

ルイさんの手が背中に回ると器用にコルセットの紐を取ってくれる。者の数秒で、コトッと足元にコルセットの落ちる音が聞こえた。

「きゃっ」

彼の前には白のフリル付きのブラ、カボチャパンツだけの姿の私。「へぇー、可愛い」それを楽しげに見るルイさん?

いま、ルイさんに首を舐められて、下着を見られた……隠そうとしても隠せない……ぷにぷになお腹

「ふっ」

「……?」

「ふふ、ははは、真っ赤っかだな、おチビちゃん」

目の前で大きな声で笑ってる?私ルイさんにからかわれたの?

ルイさんは落ちていたシャツを拾って渡してくれた。

「おチビ、そうやすやすと男の前で服を脱ぐなよ」

「……うっ」

「それと早く着ないと、食べちゃうぞ」

食べてください。ルイさんならいいよって言いたかったのだけど……あれれっ…手が震えてる。

シャツを着ようとしても震えてボタンが外せない。あれ?どうしたの私…顔の熱も下がらない…

「どうしたおチビ」

「えっ?」

「あーあっ…すまない…少し刺激が強すぎたか…ちょっと待ってろ…このままだと無理か」

無理?

彼が両手で顔を覆った。バッと…顔を横に振った瞬間に身体中覆われていた虎の毛が無くなる…彼は人に変わっていた…

顔を覆っていた手を取ると、金髪に青い目、目鼻立ちのキリッとした青年の姿。

誰?ルイさん…だよね…彼は何も言わず…私が持つシャツを取りボタンを取って着せてくれた。

「ありがとう」

「んっ、あーっ…………っ」

私が彼シャツを着た後。それを見たルイさんは片手で目を覆った。何故だか少しだけ顔が赤い?頭に残った虎さんの耳とお尻の尻尾。

その尻尾が凄く揺れている?

しきりに「やばい」「どうすんだこれー」「抑えれるか?」と、呟いてるけど…

「あっ、あの。あなたも服を来て下さい。ズボンがずれて落ちてまよ」

目を覆いながら、指の隙間から見ちゃう。ああっ、ルイさんのパンツ落ちそう…

もふもふが無くなった上半身には質の良い筋肉

どれを取っても、私には刺激が強すぎた。

「なんだよ、おチビ照れてんのさっきの俺も上半身裸だったけど」

「はっ……そうだった」

益々赤くなる頬。私、ルイさんに会えたのがあまりに嬉しくて気づかなかったけど、 虎さんの時も上半身裸だった……

「あっ…やっ…」

「ははっ、お前なに照れてんだよ…あーっ『チッ』やっぱり来たか」

彼は直ぐに顔を振って元の虎さんに戻った。
洞窟の入り口まで走って行き外の様子と音を聞いている。

「おチビいますぐ、そのドレスとコルセットを持って奥に行ってろ」

「はい?」

「いいから行け!」

なんだかわからないけど、手で奥に行けと合図される。ここはルイさんの言う通りにした方が良さそうだ。

ドレスとコルセットを持って奥に走った、奥に来たけど行き止まり?

叩くと音がした。

「これ壁だ」

目の前に真っ白な壁が現れた。そこには真っ白な壁と同じ色の扉。その扉には金色のノブが付いている

「なんの扉?」

金色のノブを回すとガチャッと鍵がかかっていなくて扉が開いた。中に入るとパッと明かりが勝手についた…

「おおっ、すごい」

私の目の前には…

「部屋だ、小さいけどキッチン、トイレにお風呂、大きな鏡に奥の扉が開いてる、奥は寝室かな、何この1LDK?」

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