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女勇者様が弱すぎるんだが

ふつ

1章 6〜ロレンと最弱女勇者



 湖に着いた2人は、水辺に立ち、額を湖につけてる人に目をつけた。赤いハチマキをし、柔道着のような服を着ていて、2人は確信したそうで、近く。

「うおおおおおお! 頭を冷やすぜーーーーーーーっ! ゴボゴボゴボゴボ」

「あの……あなたがアツい勇者さんですか?」

 声をかけずらそうに尋ねると、水につけてた額を上げ、急に話しかけられ、困惑したような顔で、女勇者の方に目を向ける。

「あ、わたしは……枯れ枝より弱い勇者です。」

「枯れ枝だって!? 俺の中の炎を、アツく燃え上がらせるすばらしい燃料になりそうだな! さては俺たち……相性バツグンなんじゃないか!? はっはっはっはっは!!」

「「暑苦しい人だ……」」

 と、苦笑いを浮かべ、呆れた2人。そこでロレンは口を開く。

「あなたの『必殺技』で氷鏡の扉を破ったって本当ですか?」

「氷鏡の扉だって!? ああ、破ったぜ! バリーンとな!! いや、ジュワーだったか!?」

「やっぱり! この人の必殺技ならあの扉が破れるんだね!」

 嬉しそうに飛び跳ねて、ロレンに目をやる女勇者。

「あの! あなたの『必殺技』でもう一度、氷鏡の扉を破ってもらえませんか!?」

「無理だぁっ!!」

「どうして!?」

 と、ロレン。

「どうしてだって!? 俺はもうあの必殺技を使えねぇんだよぉぉぉ!! 『忘れちまった』んだぁぁぁぁ!!」

「『忘れちまった』って……必殺技を!?」

 と、女勇者。

「そうなんだよぉぉぉ! 俺だって使いてぇのに! どうやってももう使えねぇ!! 必殺技の名前は覚えてるのに! 出し方が思い出せねぇ! いったいなんでなんだぁぁ!!」

「これって……どういうことなのかな? 自分の必殺技を『忘れちゃう』なんて……普通ないよね?」

 悔しそうに悲しんでいるアツい勇者を横目にして、ロレンに聞く女勇者。

「……ああ。やっぱり勇者様たちにはなにか『事情』があるんだ。」

「……どうしよう。」

 ……

「あのっ! あなたの必殺技の名前は!?」

 と、そこで口を開いたのはロレン。

「『灼熱斬り』だ! 超高温の熱で敵を蒸発してしまう、それはそれですごい技なんだぜ!!」

「『灼熱斬り』……あ! 思い出した! それなら、俺が使える!!」

「え!? 灼熱斬りを使えるって!? もしかしてロレンくん……全部の勇者さんの『必殺技』を覚えてるの!?」

「……ああ。強くなりたいと思って毎日練習して使えるようになったんだ。」

「す、すごい! すごすぎるよ、ロレンくん!!」

 と、驚いていたのはもう1人いた。

「……お、お前っ! もしかしてあの時教会にいたボウズか!? やっぱり! そうだよな!? あの時のボウズが俺の必殺技を継承してくれていたなんて! うぉぉぉぉぉぉ!! 俺は今、モーレツに感動している!! 俺の技は、お前に託されたぁ! 頼んだぞぉぉぉぉぉーーーー!!!」

「「あ、暑苦しい……」」

 とっととその場から離れ、2人は魔王城に向かう。




「氷鏡の扉……あの『必殺技』を使えば、本当に氷鏡の扉をとかせるのかな? ロレンくん。お願いね!」

「ああ。」

 再び氷鏡の扉を前にしたロレンは、その場から下がり、女勇者も、さらに5歩下がった。剣を構えるロレン。

「必殺、灼熱斬りーー!!」

 キーーーーーーーーン!

 ジュワー

 剣を振った。熱風とともに、灼熱の炎がその扉を覆い尽くした。氷は、瞬く間に水蒸気となって消えていった。『炎一閃斬り』より、圧倒的に威力はあった。たが、範囲は圧倒的に小さかった。

「開いた……やったあっ! すごいよロレンくんっ!!」

「……ああ、やったな!」

 2人は喜び合った。だが、笑みを浮かべた女勇者の表情はすぐに強張った。

「……いよいよだね。魔王城の中に入るよ。ううっ、緊張してきた。」

「魔物の気配はするけど、そこまで強そうな感じはしない……今がチャンスかもしれないな。」

「そうなの? それじゃあ、入ってみよっか。」

 警戒したように、ゆっくり扉を開ける。少し開いた隙間から中を覗く。そこには2人より若干小さく、体全体を布のようなもので覆い、その影から覗く赤い瞳の魔物がいた。

「あ、ホントだ! ロレンくんが言ってたとおり、あんまり強くない魔物がそこに……」

 と、言いながら、安心した女勇者は扉を全開する。その全貌を見て2人は硬直する。

「嘘……だろ。」

 












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